タイ子会社減損で中計頓挫も、高配当は維持か?トライステージ(2178)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2178】トライステージ(東証マザーズ) ---

現在値 623円/100株 PER30.1 PBR2.26 2月優待配当・8月優待

テレビ通販企業に媒体選択や販促企画、コールセンター斡旋など。
配当金は2月一括の22.5円配当で、配当利回りは3.61%となります。

トライステージは株主優待制度を導入しており、4単元株以上の株主に

対して、クオカード1,000円分を2月末・8月末の年2回進呈していますので、

配当優待利回りを算出した場合、約4.41%となります。なお20単元保有の

場合はクオカードが5,000円分となり、4単元と同じ利回りが確保出来ます。

業績を確認していきます。
■2014年2月期 売上高 360億円、経常利益 7.7億円 、EPS 12.6円 
■2015年2月期 売上高 321億円、経常利益 9.3億円 、EPS 17.9円 
■2016年2月期 売上高 371億円、経常利益 8.9億円、EPS 17.2円 
■2017年2月期 売上高 473億円、経常利益 13.6億円、EPS 27.3円  

■2018年2月期 売上高 547億円、経常利益 14.2億円、EPS 20.6円 ce 
□2017年8月中 売上高 278億円、経常利益 ▲0.7億円 、EPS▲6.6円(10/13)

2017年8月中間期の売上高は前年同期比22.5%増の278億円、経常利益は

▲0.7億円と赤字に転落し、期初予算比では増収減益となりました。主力の

ダイレクトマーケティング事業については、TV事業が仕入枠適正化が進行

したほか、DM事業についても大手運送業者との取扱規模を活かした連携

が奏功し、新規顧客が順調に増加しました。一方、TV事業における不適切

取引損失の発生にくわえ、海外事業における子会社(TV Direct)の株式評価

損失が発生したため、営業外で6億円超の持分法投資損を計上しています。

 

進行期の2017年2月期通期については、売上高は前期比15.8%増の547億円、

経常利益は4.6%増の14.2億円を見込んでいますが、これは早晩(おそらく3Q)

修正される見込みであり、表記予算から相当程度が減額される公算です。

トップラインに関しては、好調なDM事業が牽引する形で増収を維持するもの

とみられますが、利益に関してはTV Direct社評価損が大きいことにくわえ、

連結の社員数が1年前から223→350人へ激増しているため、賃借料や人件

費が重く、通期では大幅減益になるものとみられます。なお、既述の子会社

評価損に関しては、株価@1.75THB以下で“減損ノックイン”となったものの、

四半期毎再評価のため、評価損の約6億円は復元する可能性があります。


今期は3年中計の最終年度であり、売上高555億円(CAGR20%)、営業利益24

億円(CAGR38%)というかなり野心的な定量目標を置いていましたが、こちらも

未達となる見通しです。この中計期間で100億円の投融資枠を設定しており

ましたが、半分の53億円の投融資を終えた段階で一旦ストップとなりました。

 

webのアドフレックス買収に約11億円を投じたことと、好調なメールカスタマー

センターに追加出資したことは評価出来ますが、TV Directは出資後わずか

半年で10億円が半分になりました。また、本業における不適切取引の発生に

より、この是正と社内体制の再構築が優先されることから、中長期的な成長

展望が出来る様な状況ではなくなってしまいました。できれば大株主の双日

から、社外取締役以外にも派遣してもらって、仕切り直すことが望まれます。


ということで、定量・定性の両面で雲行きが怪しくなってきたこともあり、株主

還元姿勢の変化が気になるところですが、会社側は上期下方修正・通期再

予想こそ公表したものの、配当予想については年22.5円配を修正しておらず、

「未定」にもしていないため、そのまま配当される公算が高いと思われます。

特にマテリアルにも、株主通信にも、外部レポート等にも“減配”を伺わせる

様な記述もないため、会社側は“タコ配”の覚悟が出来ているとみられます。


*参考記事① 2017-06-01 619円* ---
観測記事では今期も5割増益予想だが・・・トライステージ(2178)。


*参考記事② 2016-11-05 496円* ---
通期据置は超保守的、再増配期待のトライステージ(2178)。

 

 

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