観測記事では今期も5割増益予想だが・・・トライステージ(2178)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2178】トライステージ(東証マザーズ) ---

現在値 619円/100株 PER29.9 PBR2.02 2月優待配当・8月優待

テレビ通販企業に媒体選択や販促企画、コールセンター斡旋など。
配当金は2月一括の22.5円配当で、配当利回りは3.63%となります。

トライステージは株主優待制度を導入しており、4単元株以上の株主に

対して、クオカード1,000円分を2月末・8月末の年2回進呈していますので、

配当優待利回りを算出した場合、約4.44%となります。なお20単元保有の

場合はクオカードが5,000円分となり、4単元と同じ利回りが確保出来ます。

業績を確認していきます。
■2014年2月期 売上高 360億円、経常利益 7.7億円 、EPS 12.6円 
■2015年2月期 売上高 321億円、経常利益 9.3億円 、EPS 17.9円 
■2016年2月期 売上高 371億円、経常利益 8.9億円、EPS 17.2円 
■2017年2月期 売上高 473億円、経常利益 13.6億円、EPS 27.3円  

■2018年2月期 売上高 547億円、経常利益 14.2億円、EPS 20.6円 ce 
□2017年8月中 売上高 270億円、経常利益 6.3億円 、EPS 6.8円 ce

2017年2月期通期の売上高は前期比27.4%増の473億円(予算404億円)、

経常利益は同53.5%増の13.6億円(予算5.2億円)となり、大幅減益を見込ん

でいた予算を飛躍的に上回りました。主力のダイレクトマーケティング事業

では、新規クライアントの開拓が進んだほか、システムによるメディア枠の

最適化により単価が安定しました。また、DM事業も業界首位級の取扱高

を活かした仕入規模効果と、輸送費増加による競合各社の廃業等もあり、

前年比30%の大増収を果たし、ついに事業黒字化を果たしました。
 

進行期の2017年2月期通期については、売上高こそ15.8%増の547億円と

2桁の増収を見込むものの、経常利益は4.6%増の14.2億円に留まる見通し

を立てています。ダイレクトマーケティング事業は、クライアント開拓・分散

が進むとともに、ロックオンと開発したネット・TV連携型の成果測定ツール

の本格稼働効果が見込まれます。また本年3月末に11億円超で買収した

同じ浜松町にあるネット広告・アドフレックス社の売上高が32.5億円・経常

利益も1.9億円ほぼ通年で寄与するので、全社業績を大きく押し上げます。

(シナジー以上に当社株のバリュエーションが改善する良い買収です)


今期は3年中計の最終年度であり、売上高555億円(売上CAGR20%)、営業

益24億円(CAGR38%)というかなり野心的な定量目標を置いていましたが、

利益はともかく売上高に関しては達成すると思われます。当社は従来から

超保守的な予算を立てて、期中~期末にかけ増額修正する傾向が強く、

売上予算547億円は確実に走破圏です。利益に関してはやや物足りなさも

あるものの、人件費と投資コストを保守的に見ているものと推察されます。

 

海外投資も積極的に進めており、直近1年だけでも、タイ"TV Direct"社の

株式を15%取得するとともに、インドネシアの"MERDIS"社の株式を74%まで

更に買い増ししています。特にタイ"TV Direct"社は同国首位級の老舗TV

通販会社ですので、アジアでのプレゼンス拡大に寄与すると思われます。

そして注目の株主還元ですが、中計期間中は単体EPSの配当性向を100%

とするフル還元を続けてきましたが、今期から投資枠100億円(残49億円)

の原資確保のため、100%還元方針を取り下げました。しかしながら今期は

期初から配当予想を開示しており、前の期実績並みの22.5円(※4分割後)

を出すこととしています。有り体に言えば、プロスペクトの買い増し圧力も

無くなったので、高率還元で株価対策する必要が無くなったせいですが、
好業績のわりに少しも財務が良化しないので、仕方ないかと思われます。

 

なお今期業績については、当社側の開示前にNKが「今期も営業益5割増」

のぶっとび業績予想の観測記事を出して、見事外れた経緯がありますが

これまでの当社の業績推移を勘案するに、終わってみれば結局その水準

で着地するようなこともあるかもしれません(※NK予想は今期営業益20億)

*参考記事① 2016-11-05 496円*4 ---
通期据置は超保守的、再増配期待のトライステージ(2178)。

*参考記事② 2016-06-15 438円*4 ---
自社株売却で筆頭株主が双日へ、トライステージ(2178)。

 


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基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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