【9979】 大庄 (東証1部) --
現在値 1,762円/100株 PER364.8 PBR1.67 2月配当優待8月配当優待
居酒屋大手。大衆割烹『庄や』『日本海庄や』『やるき茶屋』が3本柱。
配当金は年2回合計14円で、配当利回りは約0.79%です。
大庄は株主優待制度を導入しており、単元株を保有する2月末・8月末の株主に対して、
半期に一度2,500円分の当社お食事券のほか産地直送品などを進呈しておりますので、
配当優待利回りは約3.63%となります。
業績を確認していきます。
■2015年8月期 売上高 707億円、営業利益 1.9億円、EPS 16.2円
■2016年8月期 売上高 685億円、営業利益▲0.2億円、EPS 13.1円
■2017年8月期 売上高 639億円、営業利益 4.4億円、EPS 19.3円
■2018年8月期 売上高 625億円、営業利益 6.8億円、EPS 4.8円 ce修正
□2018年2月中 売上高 306億円、営業利益 0.8億円、EPS▲12.4円(4/13)
2018年2月期中間期の売上高は前年同期比5.0%減の306億円、営業利益は同57.9%減の
0.8億円となり、期初計画を大きく下回り減収減益となりました。これは既存店売上高想定
を100%で置いていたものの、昨年10月の台風や2月の寒波の影響により、上期累計期間
で97.3%に沈んだことが主な要因です。また、「日本海庄や」「やるき茶屋」の2業態を中心
に改装および閉店を進めており、直営店の店舗数も515→507店へ8店純減となりました。
なお2018年8月期通期の予算についても中間時点で減額しており、売上高が前期比2.3%
減の625億円(従予:644億円)、営業利益は同51.5%増の6.8億円(従予:10億円)にそれぞれ
修正しております。一応、上期の凹み分以上に減額しているため、会社側は下期の既存
店売上高前提もやや保守的に見直したものと推察されますが、既に公表されている下期
2ヵ月間の累計は前年超過しており、概ね修正予算水準で推移していると思われます。
一応、今期までは閉鎖店舗が多くなる所謂‘リストラ’期間のため、構造的にトップライン
からの減少を強いられますが、その中でも寿司の「築地日本海」や、肉の「RUMP CAP」
といった比較的好調な業態の出店(業態転換)を図る方針となっています。
なお今期は4年中計の2年目となっており、最終年度である2020年8月期に売上高685→
698億円、営業利益▲0.2→16.5億円を目指しています。売上高が4年でほぼ横ばいに留
まるのは、本中計自体は‘リストラ’計画的性質が強いことが影響しており、店舗数は541
→495店へ50店弱純減させる計画であり、不採算店閉鎖と業態転換を進めるほか、一部
店舗をFCに売却することにより、売上の嵩よりも収益性向上を狙う内容となっています。
業態転換する新業態は上記のとおりですが、内部的な取組として本年6月より羽田の新
物流センター(4,200坪)が稼働する予定であり、当社内でのMDの改善はもとより、物流
子会社の活用により、他社への食材の外販・物流(3PL)まで業容を拡大する計画です。
このほか、遊休地での賃貸マンション運用や、大型店の分割・マルチテナント化の取組
を進める方針であり、特に地盤である大森の本社屋をヒューリックに売却したり、今期は
勝どきの200坪を売却して9億円の譲渡益(実際は代替資産の羽田?の圧縮記帳により、
圧縮損に変換される)を絞り出すなど、保有資産と不動産活用には‘一日の長’がある
会社ですので、上手く好採算店舗だけ残せれば復活の目はなくもないと思われます。
なお、配当に関しては今期も下方修正ながら、前期据置の14円配当を予想しています。
当社は外食企業にしては異例の自己資本比率52%を誇り、多くの不動産を保有しながら
ネット無借金という非常に体力のある会社であるため、多少赤字が出たくらいであれば、
無配どころか減配にすらならないと考えられます。
*参考記事① 2015-11-28 1,512円 --
*参考記事② 2015-06-19 1,520円 --
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