満を持してのIFRS移行で、次の大型買収に期待。クリエイト・レストランツHD(3387)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3387】クリエイト・レストランツHD(東証1部) --

現在値 1,440円 PER33.9 PBR6.73 2月配当優待 8月配当優待

SC等の飲食フロアにビュッフェやカフェ展開。立地ごとに業態開発。
配当金は2月末・8月末の年2回で合計12円で、配当利回りは0.83%となります。

クリエイトレストランツは株主優待制度を実施しており、2月末・8月末に100株を保有する

株主に対して、年2回3,000円ずつのお食事券を進呈しておりますので、これらを合算した

配当優待利回りは5.00%となります。なお、200株以上を1年以上に渡って保有した場合は

年2回4,500円ずつのお食事券を進呈していますので、約3.95%の利回りを確保出来ます。

業績を確認していきます。
■2015年2月期 売上高 693億円、経常利益 43.8億円 EPS 68.8円 
■2016年2月期 売上高1032億円、経常利益 73.0億円 EPS 35.1円 
■2017年2月期 売上高1135億円、経常利益 63.4億円 EPS 34.8円  

■2018年2月期 売上高1165億円、経常利益 68.9億円 EPS 26.5円 (4/25) 

■2019年2月期 売収益1250億円、税前利益 76.0億円 EPS 42.3円 IFRSce 
□2018年8月中 売上高 620億円、経常利益 41.0億円 EPS 21.2円 四e

2018年2月期の売上高は前期比2.7%増の1,165億円、経常利益は同8.6%増の68.9億円と

なり、売上高は予算比で若干ショートしたものの、利益は期初計画水準を上回りました。

主力のCR事業では不振店を肉業態の「BEEF RUSH」へ転換を進めたほか、SFP事業に

おいては「磯丸水産」を「鳥良商店」や餃子の「いち五郎」へ転換を進めました。CR事業

はしゃぶしゃぶも含めた肉業態が好調で、既存店売上高前提96.3%に対し、98.1%で着地

したものの、SFP事業の同売上はほぼ予算線に留まりました。出店に関しては、千歳等

の一括受託フードコートを2か所閉鎖した影響や、意図的に出店ペースを抑えた影響も

あり、店舗純増数はわずか7店(857→864店)に留まりました。


進行期である2019年2月期はIFRSへ会計基準を変更する予定であり、単純比較は出来

ないものの、売上収益は約7%増の1,250億円、税前利益は約7%増の76億円を予想して

います。これまでMAで取得してきた同業他社の‘のれん代’(残額は131億円)の償却が

営業利益段階から年間9億円強ヒットしてきましたが、この分がまるごと浮くため、利益

水準が大きく底上げされます。なお、全社の既存店売上前提は98.1%で置いているため、

さほど荷もたれ感もなく、前の期に抑制した出店に関しても、純増68店(864→932店)を

見込んでおり、今期は出店ペースの回復が期待されます。3月末に日比谷で開業した

ミッドタウンの下層階で8店舗一括での出店を果たしており、ほぼ通期で寄与します。


当社は3年中計をローリング形式で開示しており、2021年2月期に売上収益1,450億円

(CAGR8%*)、税前利益91億円(CAGR10%*)を目指しています。本中計の定量目標につ

いても、会計基準の変更により単純比較は出来ないものの、従来中計との比較では、

事実上減額修正された格好となります。当社は元よりオーガニック成長しか見込んで

いないため、「磯丸水産」を中心とした既存店の苦戦や、「かごの屋」の人件費付替え

問題等による内部体制の再構築や出店抑制等が色濃く影響しているとみられます。

 

ただ今般、満を持してのIFRS移行による‘会計マジック’で、利益水準が大きく底上げ

されるほか、‘のれん代’の償却がなくなるので、MAによるノンオーガニックな成長が

期待出来る状況となりました。実際本年1月には、「海南鶏飯食堂」を運営するルート

ナインジー社を買収したほか、3月にはOLCからイクスピアリの飲食事業を会社分割

方式で買収しており、足許では再びMAによる外部成長路線へと舵を切っています。

 

そしてこれを裏付けるかのように、子会社のSFPホールディングスに当社持分を買い

取らせるTOB自社株買い(@2,030円、ディスカウント率1.17%!!)を実施し、約65億円を

回収し、次なるMAのために財務を改善させたほか、SFPにTOBで買い取った自社株

を全て消却させたため、当社はSFPに対する持分を殆ど維持させたまま資金を調達

することに成功しています。また、今期の株主還元は2円増配となる12円を予想して

いますが、今期はそもそも従来の13円配当を復元する計画でしたので、やはり財務

を温存している雰囲気が強く、大型案件の‘出待ち’をしている可能性もありそうです。

 

*参考記事① 2017-11-23 1,200円 --

SFP持ち直しで底入れ機運?クリエイト・レストランツHD(3387)。

 

*参考記事② 2017-06-03  998円 --

既存店苦戦で、減配の今期はMAが頼り。クリエイト・レストランツHD(3387)。

 

 

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