【3280】エストラスト(東証一部) ---
現在値 920円/100株 PER7.0 PBR1.10 2月配当株主優待 8月配当
山口県内首位のマンション開発業者。福岡など九州へ攻勢。西部瓦斯の傘下入り。
配当は年2回の合計12円配で、配当利回りは約1.30%です。
エストラストは株主優待制度を実施しており、2月末に1年以上保有を継続する単元株主
に対して、2,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当利回りは約3.47%です。
業績を確認していきます。
■2015年2月期 売上高 119億円、経常利益 9.5億円 EPS 103.9円
■2016年2月期 売上高 128億円、経常利益 9.5億円 EPS 97.3円
■2017年2月期 売上高 137億円、経常利益 9.5億円 EPS 99.7円
■2018年2月期 売上高 139億円、経常利益 10.4億円 EPS 116円(4/11)
■2019年2月期 売上高 154億円、経常利益 12.4億円 EPS 131円 ce
□2018年8月中 売上高 38.0億円、経常利益▲1.4億円 EPS▲22.7円 ce
2018年2月期の売上高は前期比1.2%増の139億円、経常利益は9.1%増の10.4億円となり、
13期連続の増収・(経常)増益となり、ほぼ期初計画線での着地となりました。主力の分譲
マンションにおいて新山口(104戸)や新下関(42戸)など420戸を引渡し、計画の463戸を
下回ったものの、この他で戸建てを57戸引き渡したため全社業績をカバーしました。
進行期である2019年2月期の予算については、売上高が10.6%増の154億円、経常利益は
18.8%増の12.4億円を見込んでおります。今期の分譲マンションの引渡住戸は463戸、戸建
については50戸とトータルで40戸程度の増加を見込んでおり、このうち分譲マンションは既
に246戸(※契約率53.1%、4/12現在)が契約済となっています。
当社は昨年2月に福岡地盤の都市ガス大手・西部瓦斯によるTOBにより同社の連結子会
社(51%)となりました。西部瓦斯は当社創業者であり原弘産出身の笹原社長らから株券を
@800円で取得し、笹原氏の持株比率は2.8%まで縮小し、一旦は社長留任となりましたが、
笹原社長は5月の株主総会で会長職に退き、松川専務が新社長へ昇任しました。
そして松川新社長の昇任により、3年中計もローリングされており、2021年2月期の売上高
189億円(CAGR10%)、経常利益15.8億円(CAGR15%)を新たに設定しています。笹原社長の
頃の中計で置いていた業績目標のマイルストーンを超える内容となっており、あまり内容
を織り込んでいなかった西部瓦斯とのシナジーを多少織り込み始めたものとみられます。
具体的には西部瓦斯の地盤であり、本邦でも有数の人口増加率を誇る福岡エリアの強化
を志向しており、第一交通産業(65%)、長谷工不動産(20%)とのJVでアイランドシティで320戸
(当社15%、48戸相当)の供給を2020年3月に予定しており、当社中計の最終年度に乗ってく
る形となります。この他、野間大池公園に4,000坪の素地を仕込んでおり、103戸・売上概算
39億円が来期以降に控えていることを踏まえると中計数値の蓋然性は高いと思われます。
一方、株主還元については、実績期の配当は据置の年間8円を予想していましたが、期末
に創立20周年配当の2円を付加して年間10円に増配したほか、今期は記念配当を剥落さ
せずに更にオンして年間12円の普通配当を予想しています。西部瓦斯の時に三者割増資
がなかったので、財務優先のため配当性向は1桁に留まっていますが、足許では北九州の
門司港レトロ地区に11億円を投じて商業開発に進出するなど、経営に余裕が出てきており
息の長い成長トレンドに入ってきた印象を受けます。
*参考記事① 2017-06-05 693円 ---
西部瓦斯TOBは当社側にメリット大きい・エストラスト(3280)。
*参考記事② 2016-06-07 537円 ---
今期で9期連続の経常増益がストップ、エストラスト(3280)。
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