一段と財務良化で、MA等の“飛び道具”に期待。ツカダ・グローバルホールディング(2148)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2418】ツカダ・グローバルホールディング(東証1部)  ---

現在値 644円/100株 PER10.24 PBR0.90 6月配当優待12月配当優待

欧米風邸宅での挙式・披露宴を行う婚礼が主力。ハワイ等でも展開。
配当金は年2回の5円ずつの配当で、配当利回りは1.55%となります。

ツカダ・グローバルホールディングは株主優待制度を導入しており、6月末・12月末の

100株以上の株主に対して、年2回500円相当のクオカードを進呈しておりますので、

配当金と合計した配当優待利回りは約3.11%となります。

業績を確認していきます。
■2014年12月期 売上高 516億円、経常利益 67.0億円 EPS 87.9円
■2015年12月期 売上高 538億円、経常利益 54.3億円 EPS 79.5円
■2016年12月期 売上高 553億円、経常利益 35.9億円 EPS 40.3円 
■2017年12月期 売上高 572億円、経常利益 43.9億円 EPS 46.1円 

■2018年12月期 売上高 615億円、経常利益 50.5億円 EPS 62.8円 ce
□2018年6月中間 売上高 280億円、経常利益 8.0億円 EPS 8.39円 ce

2017年12月期の売上高は前期比3.4%増の572億円、経常利益は同22.2%増の43.9億円と

なり、多少未達だったものの予算水準を確保しました。主力の婚礼事業については、国内

の施行組数が減少したものの、ハワイを中心とした海外の施行組数が増加により増収と

なったほか、表参道開業費用(3.8億円)の一時費用を除けば、セグメント増益となりました。

また、ホテル事業についても2年目を迎えた“ささしま”が軌道に乗ったことや、新規開業費

の剥落により増収増益となったほか、ウェルネス事業についても大宮の温浴施設「SPA‐

HERBS」が順調に推移し、大幅増収&赤字幅縮小となりました。が、全社的にはいわゆる

“筋トレ(要はコスト削減)”での増益着地といった印象が強いものとなりました。


進行期である2018年12月期の予算については、売上高が7.4%増の615億円、経常利益

は14.8%増の50.5億円と連続2桁増益を予想しています。婚礼事業において、昨年10月に

開業した新旗艦物件の表参道ストリングス(明治安田生命青山パラシオ)の通年稼働や、

ウェルネス事業における新浦安フィットネスの通年稼働、4月開業の銀座新店の寄与に

より増収を見込むほか、3月に開業した芦屋マリーナ内の新型邸宅風の式場を中心に、

単価引上げによる収益改善を図ります。なお、婚礼受注残高は前年同時期比8.5%増の

8,056件を確保しているため、婚礼単価の問題はあるにせよ、達成確度は高そうです。

 

当社は中長期的な目標値を公表しておらず、マテリアルの棒グラフのグラデーションで

しか今後の業績の伸びが推定出来ないものの、おおよそ2年後に売上高800億円程度

(利益はグラフなし)を見込んでいる模様ですが、現状は未達ペースで進捗しています。

来期の自社開発物件である新宿ストリングスホテルまで目玉案件がない状況であり、

傘下の婚礼衣装子会社を「Best‐Anniversary」という子会社に改組して、衣装や写真

少人数挙式、旅行などを内製化して婚礼付帯業務の細かい収益まで自社で取り込む

などしており、同業他社からの受注も取るようですが、収益貢献はかなり限定的です。

 

ただ当社は財務コントロールにかなり気を遣っており、配当金を10円に固定化させる

ことにで極力内部留保に回しているほか、株価が低迷した際に設定した自社株買い

も大して買わずに終了させているため、株主還元より少しでも財務良化を優先させる

姿勢が鮮明になっています。転換社債の償還により、自己資本比率も節目の40%を

回復してきているため、RAJA社(Queensway)のようなMAを、いつでも出来る財務的

素地が整っており、ここから先はそのような“飛び道具“に期待したいところです。

 

細かい話ですが、株主優待のクオカードが毎回オリジナルデザインでしたが、今回

から汎用デザインに変化しました。また、株主通信にも「~優待制度を継続します」と

いう微妙な表現を用いており、今の優待制度が負担になっている可能性があります。

*参考記事① 2017-10-18 584円 ---

上期黒字転換で薄日も、株主還元は期待薄。ツカダ・グローバルホールディング(2418)。


*参考記事② 2017-04-06 597円 ---

開業続くも、構造的な課題は多い・ツカダ・グローバルホールディング(2148)。

 

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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