上期黒字転換で薄日も、株主還元は期待薄。ツカダ・グローバルホールディング(2418)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2418】ツカダ・グローバルホールディング(東証1部) ーーー

現在値 584円/100株 PER9.95 PBR0.86 6月配当優待12月配当優待

欧米風邸宅での挙式・披露宴を行う婚礼が主力。ハワイ等でも展開。
配当金は年2回の5円ずつの配当で、配当利回りは1.71%となります。

ツカダ・グローバルホールディングは株主優待制度を導入しており、6月末

12月末の100株以上の株主に対して、年2回500円相当のクオカードを進呈

しておりますので、配当金と合計した配当優待利回りは約3.42%となります。

業績を確認していきます。
■2014年12月期 売上高 516億円、経常利益 67億円 EPS 87.9円
■2015年12月期 売上高 538億円、経常利益 54億円 EPS 79.5円
■2016年12月期 売上高 553億円、経常利益 36億円 EPS 40.3円 
■2017年12月期 売上高 606億円、経常利益 45億円 EPS 58.7円 ce
□2017年6月中間 売上高 261億円、経常利益 6.9億円 EPS 3.34円(8/10)

2017年6月中間期の売上高は前年同期比1.0%増の261億円、経常利益は

黒字転換の億円となり、期初計画水準を確保しました。主力の婚礼事業

については施行件数は増加したものの、単価減少が響き減益となりました

一方、ホテル事業については2年目を迎えた“ささしま”が軌道に乗ったこと

もあり増収を確保したほか、ウェルネス事業についても大宮の温浴施設の

フル寄与効果もあり同様に増収となりました。また、利益面ではコスト削減

の取組みにより、全セグで増益を果たし、上期は順調に折り返しています。


2017年12月期の通期の予算については、売上高が1.5%増の606億円、
経常利益は25.0%増の45億円と期初の予想を据え置いています。今期の

目玉案件である表参道ストリングスが明治安田生命青山パラシオに今月

開業したのでこの刈り取りや、来期(にズレた?)恩納村の「シェラトン沖縄
サンマリーナリゾート」や芦屋マリーナ内の新型邸宅風式場の開業準備と

婚礼が受注が主な取り組みとなります。これらの式場はいずれもアッパー

路線の式場であり、会社側は少人数婚で落ち込んだ挙式単価の引き上げ

を目論んでいるものと推察されますが、今期の恩恵は極めて限定的です。

来期は既述の2式場の開業、再来期は新宿のストリングスホテルが開業を

予定していますが、それでも当社は業績・ドメインともに頭打ち感が鮮明と

なっており、会社側は中長期的な取り組みとして海外事業を強化していく

方針となっています(かような背景もあり現商号に変更したと推察される)。

特に人気が再興しつつあるハワイでは4式場を有しているほか、バリでも

2式場、シンガポールでも準備を開始しているため、非日本人挙式といっ

た国内の需要に頼らない収益基盤の構築を急いでいるような状況です。


なお当社は中長期的な目標値を公表しておらず、マテリアルの棒グラフの

グラデーションでしか今後の業績の伸びが推定出来ないものの、おおよそ

3年後に売上高800億円程度(利益はグラフなし)を見込んでいる模様です。

 

実際当社の場合は単なる式場&ホテルのオペレーターというわけでもなく、

借金して土地を購入したり、式場以外の建物を開発したり、オンバランスで

数字を作ってくる会社ですので、有利子負債を膨らませてトップラインだけ

を確保しにいく可能性は十分あります。そのため、依然財務的には余裕が

あり、配当性向は低い状態が続いているものの、株主還元に向けられるの

は今後も最低限に留まるものとみられ、当面は10円の“安定配当”が続くも

のとみられます。約6%の取得枠を設定しながら半分も買わなかった昨年の

自社株買いなどはその典型であり、株主還元よりは物件投資という考え方

をしているものと思われます。

*参考記事① 2017-04-06 597円 ---

開業続くも、構造的な課題は多い・ツカダ・グローバルホールディング(2148)。

*参考記事② 2016-10-05 704円 --
婚礼単独での評価は困難、ツカダ・グローバルホールディング(2418)。

 

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