婚礼単独での評価は困難、ツカダ・グローバルホールディング(2418)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2418】ツカダ・グローバルホールディング(東証1部) --

現在値 704円/100株 PER15.5 PBR1.20 6月配当優待12月配当優待

欧米風邸宅での挙式・披露宴を行う婚礼が主力。ハワイ等でも展開。
配当金は年2回の5円ずつの配当で、配当利回りは1.42%となります。

ツカダ・グローバルホールディングは株主優待制度を導入しており、100株以上の
株主に対して、6月末・12月末の年2回500円相当のクオカードを進呈しております
ので、配当金と合計した配当優待利回りは約2.84%となります。

業績を確認していきます。
■2013年12月期 売上高 474億円、経常利益 71億円 EPS 86.8円  
■2014年12月期 売上高 516億円、経常利益 67億円 EPS 87.9円 
■2015年12月期 売上高 538億円、経常利益 54億円 EPS 79.5円 
■2016年12月期 売上高 568億円、経常利益 37億円 EPS 45.1円 ce修正 
□2016年6月中間 売上高 259億円、経常利益▲2.7億円 EPS ▲8円 (8/12)

2016年6月中間期の売上高は前期比4.8%増の259億円、経常利益は赤字転落の
▲2.7億円となり、売上・利益ともに未達となりました。婚礼事業において単価が
伸びなかったほか、ホテルの開業費用の先行やデリバティブ評価損などの損失
の計上により、中間経常利益は期初予想を20億円近く下回りました。

なおこのタイミングで2016年12月期通期予想も修正しており、売上高は595億円
→568億円(前期比5.6%増)、経常利益は62億円→37億円(同31.9%減)にそれぞれ
修正しています。1月に名古屋で開業したストリングスホテルが堅調に推移する
ものの、主力の婚礼事業における3Q/4Qの受注が低調なことが主な要因です。

2014年の神宮前土地60億円に続き、ハワイ土地に約35億円を突っ込んだほか、
西新宿の60年定期借地(ストリングスホテル180室・式場併設)も取得しています。
またこちらは賃借ですが、表参道の明治安田生命パラシオタワーにストリングス
ホテルを2017年に新規開業する見通しとなっており、目下ボロボロな婚礼の状況
をよそにイケイケの先行投資が継続します。

この半期で有利子負債はさらに30億増加しており、手許現金を170億円確保して
いるものの、借金は400億円を伺うレベルにまで積みあがりました。それでもなお
自己資本比率は37%、有利子負債依存度47%程度なので大丈夫だと思いますが、
急速に不動産屋(デベ)化している点には要注意です。婚礼オペレーターとしての
単純な評価が出来る会社でなくなってしまいました。

ちなみに本年2月から12月まで実施予定の自己株取得20億円(6.1%)については、
足許で5億円程度までの取得に留まっており、おそらく半分(10億円)程度の消化
に留まるものとみられます。取得ペースがかなり遅いです。

*参考記事① 2016-04-11 735円 --
B/S膨らませて多角化鮮明、ツカダ・グローバルホールディング(2148)。

*参考記事② 2015-09-10 760円 --
ホテル堅調も挙式は軟調、ツカダ・グローバルホールディング(2148)。

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