B/S膨らませて多角化鮮明、ツカダ・グローバルホールディング(2148)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2418】ツカダ・グローバルホールディング(東証1部) --

現在値 735円/100株 PER8.71 PBR1.20 6月配当優待12月配当優待

欧米風邸宅での挙式・披露宴を行う婚礼が主力。ハワイ等でも展開。
配当金は年2回の5円ずつの配当で、配当利回りは1.37%となります。

ツカダ・グローバルホールディングは株主優待制度を導入しており、
100株以上の株主に対して、6月末・12月末の年2回500円相当のクオ
カードを進呈しておりますので、配当金と合計した配当優待利回りは
約2.72%となります。

業績を確認していきます。
■2012年12月期 売上高 444億円、経常利益 66億円 EPS 66.8円  
■2013年12月期 売上高 474億円、経常利益 71億円 EPS 86.8円  
■2014年12月期 売上高 516億円、経常利益 67億円 EPS 87.9円
■2015年12月期 売上高 538億円、経常利益 54億円 EPS 79.5円
■2016年12月期 売上高 595億円、経常利益 62億円 EPS 84.0円 ce
□2016年6月中間 売上高 274億円、経常利益 17億円 EPS 20.5円 ce

2016年12月期の売上高は前期比4.1%増の538億円、経常利益は同
19.0%減の54億円となり、売上・利益ともに計画未達となりました。
ホテル事業の好調推移とW&R事業の通年寄与により増収を確保し
たものの、主力の婚礼事業の落ち込みと名古屋ささしまの投資先行
により減益となり、期初計画を大きく割り込みました。

なお今2016年12月期の売上高は10.6%増の595億円、経常利益は15.1
%増の62億円を予想しております。ストリングスホテル名古屋の通期
稼働に加え、W&R事業の業容拡大により大幅増収を計画しています。
ただ利益に関しては経常62億円止まりで、前期の期初予想水準の復
元までは想定しておらず、婚礼事業の底打ちについては不透明です。

標題のとおり、当社は事業ドメインの多角化を急速に進めており、
10年前は婚礼比率100%でしたが、前期には婚礼が7割を切るレベルに
まで落ち、今期は6割強まで一層低下する見込みです。特にホテルに
関してはオンバランスで突っ込んでおり、有利子負債残高は1年で実
に80億円も増加し、354億円となりました。

2014年の神宮前土地60億円に続き、ハワイの用地に約35億円を突っ
込んだほか、西新宿でもストリングスホテルを開発から手掛けるため
費用先行となるほか、「クイーンズウェイ」の高額買収による返済も
あるため金利負担が非常に重くなる公算でしたが、足元の調達金利
は安くなっているものと見られ、上振れ要因になるかと思います。
(※JCR長期発行体格付/BBB+、安定的)

こうしたイケイケ経営を続けているため、資金が幾らあっても足らず、
配当性向10%強の10円配当を長らく続けており、いつまで経っても株主
還元にお金が回ってきませんでしたが、2月に20億円(発行済割合6.1%)
の自己株買いを発表しているため、会社側の姿勢に変化がみられます。
実際にどこまで買うのかわかりませんが、シブチンの当社がこの規模
で自社株買いを実施するのは、サプライズの部類だと思います。

*参考記事 2015-09-10 760円 --
ホテル堅調も挙式は軟調、ツカダ・グローバルホールディング(2418)。

*参考記事 2015-04-04 798円 --
「クイーンズウェイ」通年寄与も減益、ツカダ・グローバルホールディング。

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