【3452】ビーロット(東証一部) ---
現在値 2,322円/100株 PER12.6 PBR8.92 12月配当 株主優待
不動産投資業。オフィスビル・マンション等を価値向上させて売却。
配当基準日は12月末ですが、現時点では配当予想未定となっております。
ビーロットは株主優待制度を導入しており、12月末現在の単元株主に1,000円分のクオ
カードを進呈しておりますので、直近期の配当実績の19.5円との合算で試算した場合の
配当優待利回りは約1.27%となります。
業績を確認していきます。
■2014年12月期 売上高 37.0億円、経常利益 2.9億円 EPS 40.6円
■2015年12月期 売上高 69.5億円、経常利益 6.5億円 EPS 56.3円
■2016年12月期 売上高 117億円、経常利益 8.7億円 EPS 75.3円
■2017年12月期 売上高 130億円、経常利益 19.9億円 EPS 162.8円
■2018年12月期 売上高 200億円、経常利益 20.5億円 EPS 183.6円 ce
□2017年6月中間 売上高 90.0億円、経常利益 9.0億円 EPS 77.9円 四e
2017年12月期の売上高は前期比12.6%増の130億円、経常利益は同2.3倍の19.9億円
となり、売上高は期初予算を大幅に下回ったものの、経常利益は11.7億円を予想して
いたため、飛躍的に上ブレする結果となりました。主力の不動産投資事業の売却件数
は前期16件→21件に増加し、中でも大和地所に15億円(推定)で販売した沖縄物件や
3月に開発した北新宿のカプセルホテル“9h”を国内私募ファンドにイグジットしたため
これら大型の売却案件が大きく寄与するところとなりました。仲介コンサル件数は前期
に留まったものの(29件)、案件の大型化にともないセグメント売上高は前期比6割増と
なり、全社業績を押し上げました。
進行期である2018年12月期の売上高は52.7%増の200億円、経常利益は3.0%増の20.5
億円と続伸を予想しておりますが、売上高伸長に比して利益の伸びは一服となります。
不動産投資事業における棚卸資産の期初残高は、前年とほぼ変わらずの113億円を
確保しておりますが、この中には前の期に益出しを見送った期ズレ案件が含まれてい
るため、その売却実現により売上高がカサ上げされる見通しです。また、3月に那覇と
小樽の新築ホテルが竣工するため、この辺の大型案件で数字を作っていくものとみら
れますが、期ズレ案件の存在を考慮すると、コンサバ想定をしていると推察されます。
当社はこれまでREITなどと同様に2期予想を開示しており、前の期の期初経常利益
予想の11.7億円は、事前ガイダンスの水準をそのまま置いていたため、結果的には
大きく上振れる形となりましたが、足許では中長期業績予想を開示を取りやめており、
業績展望が難しくなっております。基本的には富裕層を中心に顧客の裾野の広がる
不動産投資事業である程度の数字を作りつつ、売却物件のAM/PM業務受託により
ストック収入を固め、あとは周辺領域で業容を拡大する戦略と思われ、足許では特に
ホテル・インバウンド領域へ傾注しています。2017年に6億円で買収した(不動産MA)
五反田のヴィンセント・クリエーションの株式取得により、オペレーターを傘下にもった
ため、自社運営が出来るホテル開発が推進出来るようになったのは強みと言えます。
一方、当社の業績ドライバーとなる財務戦略としては、相変わらずのハイレバレッジ
状況が続いており、前の期に物件売却が進んだこともあり、自己資本比率は17%→
21%に大きく回復しているものの、相変わらずの“低空飛行”となっています。2015年
7月POで約8億円(@1,348円/分割修正済)を調達して以降はエクイティで調達をして
おらず、上場来の高値を伺う株価水準まで来ている状況を鑑みれば、そろそろ再度
POが意識されるところですが、いかんせん今期の期初ガイダンスが弱くしているので、
業績修正との抱き合わせでやってくる可能性には留意したいところです。
なお、配当金については今期も未定となっておりますが、実績水準である配当性向
11%~12%に照らせば、現時点では20円程度が予想されます。当社の良いところは
この辺の政策が一貫しており、無駄に吐き出さずに資本効率を最大化している点で、
さすがはオリックス宮内氏の長男の会社という印象を受けます。
*参考記事① 2017-04-25 1,020円*分割修正済 ---
相次ぐMAで今期3割成長も、財務も急悪化・ビーロット(3452)。
*参考記事② 2016-05-03 745円*分割修正済 ---
ホテル急拡大で来期は5割成長、ビーロット(3452)。
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