日本食需要増加で、向こう3年は年率2桁成長へ・西本WismettacHD(9260)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9260】西本Wismettacホールディングス (東証1部) ---

現在値 4,755円/100株 PER14.6 PBR1.37 6月配当 12月配当優待

日本食を軸としたアジア食品・食材を米国等で販売。サンキスト・レモンの日本総代理店。
配当金は年2回・合計95円配当のため、配当利回りは2.00%となります。

西本Wismettacホールディングスは株主優待制度を導入しており、12月末に100株以上を

保有する株主に対して、3,000円相当のグルメギフトコードを進呈していますので、配当金

と合計した配当優待利回りは、約2.62%となります

業績を確認していきます。当社は昨年9月のIPO銘柄です。
■2015年12月期 売上高 1,582億円、営業利益 79.9億円 EPS 360.9円
■2016年12月期 売上高 1,583億円、営業利益 73.2億円 EPS 228.0円 
■2017年12月期 売上高 1,720億円、営業利益 63.2億円 EPS 236.4円 

■2018年12月期 売上高 1,850億円、営業利益 67.5億円 EPS 324.9円 ce
□2018年6月中間 売上高 923億円、営業利益 31.6億円 EPS 151.9円 ce

2017年12月期の売上高は前期比8.7%増の1,720億円、営業利益は同13.7%減の63.2億円

となり、昨年9月の上場時予想を下回って着地しました。主力のアジア食事業において、

メイン市場の北米は堅調に推移したものの、人件費・物流の費用増が大きく、当該セグ

は2桁の増収を確保しながらも、減益着地となりました。また農水産商社事業についても、

青果以外は底堅く推移したものの、前期4Qのシトラス・トロピカル類の原価高騰の影響

を受け、こちらも増収を確保しながらも、営業利益ベースは前期比6割減に沈みました。


進行期である2018年12月期の予算については、売上高が7.4%増の1,850億円、営業利益

は7.1%増の67.5億円と反発を予想しています。アジア食事業については、主戦場である

北米における堅調な日本食需要を背景に続伸を計画しており、費用増対策については

AI活用や倉庫機械化で改善を図る方針です。また、農水産商社事業については、前の

期の“10年振りの青果市況悪化”からの反動増が見込まれることにくわえ、青果以外の
商材の開拓や、輸入だけでなく、輸出や三国間貿易に注力し販路の拡大を狙います。

当社はこの度、2020年12月期を最終年度とする中計を公表しており、3年後の売上高を

1,720→2,290億円(CAGR10%)、営業利益63→90億(CAGR12%)を目指しています。北米

において、自社トラック等による物流網を活かした“自社一貫商・物流(プラットフォーム)”

により、順調に成長の続く日本食需要の受け皿となることを狙っていく方針であり、今期

中に日米のデータ管理システムの統合を済ませる計画です。また、現状で4割の構成比

となっている自社PB“Shirakiku”を強化すべく、大手メーカーとの協業を強化するほか、

現地生産を推進していく計画です。なお、表記計画値は既存事業のオーガニック成長と

新規事業の経費分だけを取り込んだ計数値となっており、巡航ベースでは営業利益75

億円程度の利益を出す実力があることを鑑みると、本中計はややコンサバな印象です。

 

以下、3月27日の株主総会に出席しておりますので、参考までにQAを記します。

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Q:今年度の業績見通しは?

A:(上記のとおり)。見通しは変わることもあるが、農水産事業を平年並みに復元する。

 北米のコスト増についてはまさに対策を講じているところである。

 

Q:為替のセンシティビティを教えて欲しい。

A:それなりに影響はある。海外生産している部分もあり、両面で影響がある。

 具体的にはドル円1円につき、営業利益ベースで大体4千万円ほど振れる。

 

Q:現地生産を進めているとのことだが(生産拠点の移転は進んでいるのか?)

A:確かにそのとおりだが、日本でしか作れない製品もある。北米は売上のPB比が4割。

 

Q:商号の由来を教えて欲しい。

A:Wisdom(西洋知)+Metta(東洋知)+C(reativity)、の造語。外国の現地従業員や取引先

 にも発音しやすい商号にしている。また、国内では西本貿易で通っているので付けた。

 

Q:当社製品は国内だと何処で手に入る?

A:サンキストの総代理店なので、店頭に並んでいるサンキストは基本全て当社のもの。

 あとはカルディのような輸入食雑貨店を数店舗直営しているのでそちらで。

 

Q:食の安全対策は?

A:重要なところなので、社長直轄でやっている。対FDA等の対策は注力してやっている。

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なお、総会のおみやげは紅茶缶(オレンジペコー)でした。

業歴の非常に長い会社なので、IPOといえども安心して見られるな、とは思いました。

 

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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
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