ベイン完全売却だが、優待制度は継続見込みか・すかいらーく(3197)。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_1313.jpg

【3197】すかいらーく(東証1部) --

現在値 1,532円/100株 PER17.5 PBR 2.41 6月配当優待 12月配当優待

「ガスト」「ジョナサン」「バーミヤン」等のファミレスの運営。
配当は6月12月の年2回合計の38円配で配当利回は2.48%となります。

すかいらーくは株主優待として6月・12月の単元株主に対し、3,000円分のお食事券を

年2回進呈しているため、配当優待利回りは約6.39%となります。なお、1,000株までは

持株数に応じた優待券がほぼ正比例で追加されます

業績は下記の通りです。ちなみにIFRSです。 
■2014年12月期 売上高 3,400億円、営業利益 216億円 EPS 49円 
■2015年12月期 売上高 3,511億円、営業利益 278億円 EPS 77円  
■2016年12月期 売上高 3,545億円、営業利益 312億円 EPS 93円  

■2017年12月期 売上高 3,594億円、営業利益 281億円 EPS 86円(2/14)

■2018年12月期 売上高 3,738億円、営業利益 287億円 EPS 87円 ce  
□2018年6月中 売上高 1,820億円、営業利益 132億円 EPS 39円 四e

2017年12月通期の売上高は前期比1.4%増の3,594億円、営業利益は同10.1%減の281

億円となり、期初予算に対して未達となったほか、減収減益となりました。既存店売上

は、一部で深夜営業を取りやめたことや秋の台風影響もあり、想定の101.5%に対して、

100%水準での着地となりました。また利益面では、アルバイト時給の増加や社会保険

適用拡充の影響が約24億円、株主優待の拡充によるコストが約19億円増加したため、

利益を大きく押し下げました。この他に4Qで巻き返しのためにクーポンの配布枚数を

大幅に削減したことで、一時的な客離れを招いた模様です。

進行期である2018年12月期の予算については、売上高が4.0%増の3,738億円、営業

利益は2.1%増の287億円と反転増を予想しています。今期の出店戦略は前の期並の

100店の出店(純増約80店)を計画しているほか、200店強の店舗改装を予定しており

ます。一方、既存店の売上前提は101%で置いており、既述の改装効果やデリバリー

の強化により梃入れを図ります。また、これまで業態別にバラバラになっていた集客

アプリを統合しており、クロスセルやタイムリーなキャンペーンで客数増加を狙います。

利益/費用の改善対策としては、アルバイトへの動画教育やガストにおける取扱食器

数の大幅削減(24→15種類)により、生産性の向上を図る方針です。

 

今期は中計の中間年度となっており、3年後の2019年12月期に売上高3,900億円程度

(CAGR3~4%)、営業利益380億円程度(CAGR6~8%)を目指しています。3年間累計で450

店(純増350店)の出店が前提となっており、主に新規出店をドライバーとしていますが、

足許では既に表記ペースよりも出店抑制しています。原価増に関しては、原材料費と

人件費の増加は3年で50億円の増加までは織り込んでいるものの、原価削減が想定

よりも進んでいないほか、出店抑制や既存店伸び悩みによるトップラインからの減少

にくわえて、株主優待引当金も効いてくるので、本中計は未達確実圏と言えます。


一方で、当社株の需給面に目を転じてみると、筆頭株主であったベインキャピタルが、

2017年6月21日の2550万株を@1630円で追加売却したほか、同11月28日に残り分の

3,894万株を@1660円(推定)で売却し、持分を全てイグジットしています。注目なのは

今回のベインの売出は機関/個人のトランシェを「機関投資家100%」としたことであり、

12月権利の“優待撒き餌”で個人に売り出さなかったことです。そのため、ベイン及び

“忖度”が予想される当社マネジメントは、イグジット先である内外機関投資家に簡単

にキャピタルロスを出させるわけにもいかないため、現行の優待制度が“相当程度の

期間”維持される可能性が高まったとみています。現に谷社長は決算説明会や各種

マテリアルで優待継続を匂わせる発言をしているため、改悪の可能性は残るものの、

やはりベインの売却完了に従って廃止される可能性は薄くなったと考えています。

 

(※重要事項:末尾のディスクレーマーも含め必ずお読みください。本記事は現時点

における当社優待制度の恒久的な継続を保証するものではありません。本記事に

全面的に依拠した判断はお控え願います。)

 

*参考記事① 2017-11-06 1,713円 --

既存店前年クリアも、通期業績は未達圏・すかいらーく(3197)。

 

*参考記事② 2017-02-11 (非業績レビュー記事)

すかいらーくの優待拡充には飛びついていいのか?

 

*参考記事③ 2016-03-21 1,475円 ---

増配と優待拡充でベイン売出待ち?すかいらーく(3197)。

 

 

会社四季報 

2018年2集春号 

 

新品価格¥2,060
(2018/3/14時点)


*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 

特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


このエントリーをはてなブックマークに追加にほんブログ村