【3197】すかいらーく(東証1部) --
現在値 1,713円/100株 PER18.2 PBR 2.83 6月配当優待 12月配当優待
「ガスト」「ジョナサン」「バーミヤン」等のファミレスの運営。
配当は6月12月の年2回合計の40円配で配当利回は2.33%となります。
すかいらーくは株主優待として6月・12月の単元株主に対し、3,000円分の
お食事券を年2回進呈しているため、配当優待利回りは約5.83%となります。
なお、1,000株までは持株数に応じた優待券がほぼ正比例で追加されます
業績は下記の通りです。ちなみにIFRSです。
■2014年12月期 売上高 3,400億円、営業利益 216億円 EPS 49円
■2015年12月期 売上高 3,511億円、営業利益 278億円 EPS 77円
■2016年12月期 売上高 3,545億円、営業利益 312億円 EPS 93円
■2017年12月期 売上高 3,620億円、営業利益 328億円 EPS 94円 ce
□2017年6月中 売上高 1,761億円、営業利益 128億円 EPS 39円(8/9)
2017年6月の中間期の売上高は前年同期比1.8%増の1,761億円、同5.8%減
の128の億円と増収減益となりました。既存店売上は、一部で深夜営業を
取りやめた店舗影響を補って昨対100.9%と堅調に推移しました。一方で、
アルバイト時給の増加や社会保険適用拡充の影響が12億円、株主優待
の拡充によるコスト増が約6億円増加したため、減益着地となっています。
なお2017年12月通期の売上高は前期比3.0%増の3,650億円、営業利益は
同3.6%増の328億円の期初予想を据え置いています。今期は通年で100店
の出店(純増約80店)を計画しており、上期で既に39店(純増24店)の出店を
済ませているほか、200店強の店舗改装を実施済のため、下期の刈り取り
に期待がかかります。しかしながら、通期の既存店前提は101.5%程度で置
いているにもかかわらず、足許9ヶ月累計期間の100.9%は下振れペースで
推移しているほか、既述の時給増・社保増はともかく、下期分の優待拡充
によるコスト増が織り込まれていないため、予算は未達濃厚と思われます。
今期は中計の初年度となっており、3年後の2019年12月期に売上高3,900
億円程度(CAGR3~4%)、営業利益380億円(CAGR6~8%)を計画しています。
この3年間累計で450店(純増350店)の出店が前提となっており、主に新規
出店にが成長ドライバーとなります。原価増に関しては、原材料費はコスト
削減でほぼ相殺、人件費は3年で50億円の増加までは織り込んでいます。
この大量出店に関しては、専門店業態に特化していく方向であり、しゃぶ
葉(しゃぶ菜;以下括弧内は同業他社類似業態を示す)、じゅうじゅうカルビ
(焼肉きんぐ)、chawan(おぼんdeごはん)、むさしの森珈琲(コメダ珈琲店)、
とんから亭(かつや)といった、既に同業他社がある程度成功している業態
を出店力・調達力で他を圧倒するマーケットリーダーの当社が同質化戦略
を取り、他社の伸び代を潰してしまう戦略かと思われます。実際にクリレス
岡本社長も、一番恐れている他社にすかいらーくの名前を挙げています。
今後は多業態通貫アプリの導入などで、当社業態間での回遊性をいかに
向上させていけるかどうかが、中長期的な業績成長の鍵となりそうです。
閑話休題、肝心の当社株の需給面に目を転じてみると、2017年6月21日に
筆頭株主のベインキャピタルが2550万株を@1630円で追加売却したため、
ついにベインの持株比率は約2割程度にまで低下しています。今年は既に
2回売却しており、年内に3回目があるかどうかは見当がつかないものの、
彼らのファンドがいま本案件で益出しする必要があるかどうかという点や、
他の案件を含めた彼らの出口戦略にかかるレピュテーションリスクなどを
考慮した場合、さすがに年内は見送ってくる気もしますが、どうでしょうか。
(※重要事項:末尾のディスクレーマーも含め、必ずお読みください。
本記事は現時点における当社優待制度の恒久的な継続を保証するもの
ではありません。本記事に全面的に依拠した判断はお控え願います。)
*参考記事① 2017-02-11 (非レビュー記事)
*参考記事② 2016-03-21 1,475円 ---
増配と優待拡充でベイン売出待ち?すかいらーく(3197)。
*参考記事③ 2015-09-15 1,601円 --
優待拡充のないままべインの売出が一部終了、すかいらーく(3197)。
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