すかいらーくの優待拡充には飛びついていいのか? | なちゅの市川綜合研究所

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去る木曜日にすかいらーくが、年2回実施している食事券優待の大幅な拡充
が公表されました。今更言うまでもありませんが、これは大株主であるベイン
の3回目の売出対策と捉えるのが自然な考え方であり、ベインはなお約44%の
株券を握っていますが、いよいよ仕上げにかかってきたと思われます。

1回目の売出価格は、2014年10月の上場時の@1,200円、
2回目の売出価格は
2015年6月の@1,603円でしたが、優待拡充を発表した木曜日の終値は@1,540
円でしたので、2回目の売出価格を下回る価格となっています。この2回目売出
は日本産業パートナーズとの共同売出で、ベインが野村から買った時の出資
額を回収も済ませたのですが、2回目は機関投資家の引合いが強かったため、
追加売出を控えた経緯があるので、結果的にはベインの判断ミスとなりました。

ということで、ベイン的に2回目の売出価格である@1,603円を意識はするもの
の、「少しでも高くイグジットしたいけど、多少安く売ることになっても仕方ない」
スタンスと思われますので、留意が必要です。今回の優待変更は従来の3倍の

拡充となり、拡充の程度的にも最後のカードを切ってきた感じがしますので、
ベイン的には当社株の売り切り、を視野に入れているものと推察されます。

そしてここで問題となるのが、当社の時価総額は3千億円もあるため、約44%の
全てが放出されると仮定するとなると、1,200億強の株券が流通することです。
単純な時価総額の論理で、日本マクドナルドの時価総額4,000億円が優待で支
られていることで「消化可能」とする見方もあろうかとあろうかと思いますが、

同社株の半分は本国の親会社が握っていて、現時点では安定株主として機能
していますので、同社の事例で単純比較するのはなかなか難しいと思います。

ということでこの規模の売出があるとするならば、機関投資家にも相当数買って
もらって消化するより他にないのですが、10単元株主までが手厚くなる今回
優待拡充は嫌気する機関投資家もいると思われますので、それも厄介です。

引っかかっているのは、昨日はそれなりに個人投資家の「飛びつき買い」があ
ったにも拘わらず、拡充による値上がり幅を殆ど打ち消してしまったことです。
ベインが少しずつ売ってきてる、という見方をされる方がかなり多いのですが、
既述の通りザラ場で売って消化出来るような量ではないので、個人的には機関
投資家によるカラ売りが入っているような気がします。ベインに切れるカードが
殆ど無くなったこと及びそれがバレていること、時価総額的に安心してカラ売り
(と買い戻し)出来る規模であることも留意しておく必要があると思います。


で、本エントリーをご覧の読者の皆様は「すかいらーく株をいま買っていいの?
あるいはもう少し待った方がいいの?」といったことが知りたいと思いますが、
週明けの株価動向については・・・そんなものは、私にもわかりません(爆)

ここで重要なのは、週明けから株価が反発して権利日までジリ高する可能性と、
このままズルズル下がる可能性の両方が十分あり得る状況ですが、10単元まで
なら正比例して優待が良くなるのですから、一度に全部買わずに、様子をみな
がら少し買って、「下がれば買い増し・上がれば持ってる分で値上がりを享受」
と、どちらに転んでもよいようにしておくのが、"負けにくい投資"の定石です。


*参考記事① 2016-03-21 1,475円 ---
増配と優待拡充でベイン売出待ち?すかいらーく(3197)。

*参考記事② 2015-09-15 1,601円 --
優待拡充のないままべインの売出が一部終了、すかいらーく(3197)。

*参考記事③ 2014-10-08 1,200円 
明日上場!帰ってきた優待銘柄・すかいらーく(3197)のレビュー。


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