地方上場銘柄はまだまだ狙えるのか? | なちゅの市川綜合研究所

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かつての地方上場銘柄といえば、PERは余裕で5倍くらいで、PBRも0.3倍台
とかザラで、下手すると0.2倍台も結構ある・・といった感じで割安株の宝庫
でしたが、最近はずいぶん割安感が薄れているような気がします。

地方上場銘柄は、札証アンビシャスや名証セントレックスのような新興市場
に上場しているような業歴浅めの銘柄はともかく、地方放送会社や交通会社、
あるいは相続対策目的の会社などが上場していて、株式の多くを地方銀行や
信金、電力会社など地元の有力のような会社と株式を持ち合っているような
ケースも少なからずあり、本来は流動性などほとんどありません。

それが最近では昇格狙い投資?の普及により、多くの個人投資家が流動性
の少ない銘柄に大挙して押しかけてくるようになったので、かなり歪な形で
物色されることが多くなったような気がします。地方上場銘柄は本来流動性
がない分、「割安」なのはまず当然として「ものすごく割安」くらいでないと、
投資対象としては合わないはずです。買いと売りのスプレッドは広いですし、
そもそも必要な数量が板乗りしてないケースも多く、それなりにリスクです。

勿論、地方上場銘柄でも、たまに三重交通や健康コーポレーションのような
出世株があることは承知してますが、その裏で消える株もゴマンとあります。

私は最近、福証上場のアメイズという銘柄を全て売却しました。実は上場日
に初値で買った大変思い入れのある銘柄で、それなりのグロース株なのに、
配当は5%もありました。それでも上場初日には一時公募割れ水準にまで売り
込まれる場面がありましたので、「福証銘柄は人気薄で大変だな」等と思った
ことを記憶しています。そんな激安だったアメイズですが、株価も3倍になり、
ふと確認したPERが15倍・配当利回りが1.6%水準で、いくら公称CAGRが15%
のグロース株とはいえ、その辺のJQ市場とかに上場している成長株の方が
余程安くて流動性も配当もあることに気づき、1200円位で処分しました。

誤解のないよう補足しておきますと、アメイズは地方銘柄の中ではピカイチで、
ファミレスのジョイフルを育てた穴見一族が経営しているので今後も問題なく
成長するし、株価的な上値もありえると思います。ただ今の株価水準は、地方
上場銘柄というディスカウントも加味すると、バリュエーションは既に割高な
域に達していると判断しました。また、不動産株の同様に、成長の原資として
資金需要が発生する点についても、あわせて考慮する必要があると思います。

アメイズは一例ですが、地方銘柄のバリュエーションは「割安」が当たり前で、
フェアバリューなら「割高」という当たり前すぎる事実は、投資の前に再認識
した方がよいかもしれません。地方上場だから、といって妙味のある銘柄は
かなり減ってしまっているような気がします。

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