相次ぐMAで今期3割成長も、財務も急悪化・ビーロット(3425)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3452】ビーロット(東証マ) ---

現在値 2,041円/100株 PER10.4 PBR2.78 12月無配 株主優待なし

不動産投資業。オフィスビル・マンション等を価値向上させて売却。
配当基準日は12月末ですが、現時点では配当予想未定となっております。
ビーロットは株主優待制度を導入しておりません。

業績を確認していきます。
■2013年12月期 売上高 22.3億円、経常利益 1.8億円 EPS 69.0円  
■2014年12月期 売上高 37.0億円、経常利益 2.9億円 EPS 81.2円
■2015年12月期 売上高 69.5億円、経常利益 6.5億円 EPS 112円
■2016年12月期 売上高 117億円、経常利益 8.7億円 EPS 150円 
■2017年12月期 売上高 161億円、経常利益 11.7億円 EPS 203円 ce
□2016年6月中間 売上高 65.0億円、経常利益 5.0億円 EPS 85.9円 四e

2016年12月期の売上高は前期比67.3%増の116億円、経常利益は同46.9%
増の8.7億円となり、共に期初予想をクリアし、過去最高を更新しました。

主力の不動産投資事業の売却件数は前期13件→16件に増加したほか、
仲介事業も前期29→31件に上伸し、セグメント売上・利益は前期の5倍
に達するなど絶好調でした。また、この仲介事業には4月に子会社化した
在阪の販売代理業者・ライフステージの数字が約8ヶ月分乗っています。


進行期である2017年12月期の売上高は38.9%増の161億円、経常利益は
34.4%
増の11.7億円と引き続き年3割強の伸びを予想しています。不動産
投資事業における棚卸し資産の
期初残高を60→113億円まで積み増す
とともに、既述のライフステージの業績が通期でオンされます。特に同社
は最終的に民事再生になったものの、それまでは大証ヘラクレスに上場
(8991)していた、実力ある販社ですので、今後当社の投資不動産が同社
の販売ルートに乗せられれば、数字以上にシナジーが見込まれます。


当社はこれまでREITなどと同様に2期予想を開示しており、そもそも今期
経常利益予想の11.7億円は、事前ガイダンス水準に留まっているので、
特に目新しさはありません。また、来期予想の開示もやめてしまったので、
定量面における中長期的な成長イメージがしずらくなってしまいました。

おそらく会社側の意図する成長イメージは、ファイナンスを織り交ぜた上で
計画を目論んでいるものと思われ、一昨年の公募増資水準(@2,697円)を
回復出来ていない現状においては、次のPOの目処をつけ辛いこともあり、
2期予想を避けたものと推察しています。ただ、既述のライフステージ買収
に約9億円、今年の1月に買収したカプセルホテル運営会社(*物件も保有)
のヴィエント・クリエーションの買収に約6億円を突っ込んでおり、財務悪化
はともかくとしても、業容の拡大に関しては極めて順調に推移しています。

そんなわけで、折角前の期に17円の初配当を実現したものの、今期早くも
配当予想未定になってしまったのは残念ですが、このような足許での積極
買収策を垣間見るに、資金需要が旺盛なので仕方ないのかもしれません。
昨年9月よりミサワホームと合弁のファンドを組成しているので(AMは当社)
この辺を上手く活用して資金を回収してほしいものですが、ミサワホームも
トヨタホームに子会社化されて大変な状況であり、トヨタグループは金融業
にはかなり消極的なことから、無事にファンドを大きく出来るのかは謎です。



*参考記事① 2016-05-03 1,490円 ---
ホテル急拡大で来期は5割成長、ビーロット(3452)。

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