外食の人手不足背景に最高益更新なるか、デリカフーズ(3392)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3392】 デリカフーズ (東証1部) --

現在値 1,500円/100株 PER22.1 PBR1.53 3月配当 9月株主優待

外食産業、ファストフード向けカット野菜、生鮮ホール野菜が主力。
配当は3月通期一括の16円のため、配当利回は1.07%となります。

デリカフーズは株主優待制度を導入しており、9月末の100株以上の
単元株主に対して1,500円分の野菜詰合せまたはジェフグルメカード
を進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.06%となります。

業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 266億円、経常利益 5.0億円、EPS 46.4円 
■2015年3月期 売上高 280億円、経常利益 7.6億円、EPS 78.4円 
■2016年3月期 売上高 315億円、経常利益 7.0億円、EPS 54.7円 

■2017年3月期 売上高 345億円、経常利益 6.0億円、EPS 44.9円 
■2018年3月期 売上高 355億円、経常利益 8.0億円、EPS 67.8円 ce
□2017年9月中 売上高 178億円、経常利益 3.2億円、EPS 28.1円(11/13)

2017年9月中間期の売上高は前年同期比7.0%増の176億円、経常利益は

同61.9%増の3.2億円と期初計画に対して増収減益での着地となりました。
売上高は概ね計画線で推移したものの、利益面では梅雨時の降雨不足

や夏場の天候不順の影響による原価高騰や人件費の上昇が響き、昨年

稼働開始した西東京FSセンターの黒字化では補いきれませんでした。

なお2018年3月期通期の予算は据え置いており、売上高は前期比2.7%増

の355億円、経常利益は同32.1%増の8億円と大幅増益を予想しています。

主な取引先であるファミレスが人手不足を背景に、カット野菜や真空加熱

野菜の需要を大幅に伸長させているほか、自社物流網と貯蔵センターの

整備により、物流コストの効率化が進む見通しとなっているため、売上高

利益ともに過去最高を更新する見通しとなっています。


今期は3年中計の初年度となっており、最終年度の2020年3月期に売上高

345→400億円、経常利益を6.0→11.0億円を目標としています。トップライン

の成長の柱は、本年5月に名古屋、12月に八潮に700坪級の貯蔵センター

を新設し、原料輸入を商社経由から自社での直輸入に切り替えることで、

原価低減を図るほか、東・名・阪3社の事業子会社統合による仕入効率化

を目指します。また、自社での物流網の構築を推進しており、既に自前の

ドライバーを40名程度確保しているため、これら施策の実施による複合的

な利益改善効果の発現が期待されます。前回の中計は未達だったものの、

今回中計期間は外食産業の人手不足による“追い風”効果という速攻性の

ある押し上げ材料があるため、本中計はそこそこの信頼度がありそうです。


なお、今期の配当は前期比で1円増配となる16円配を予想していますが、

配当性向は23%程度に留まっています(会社側の公表基準は20%)。当社

の場合は工場や貯蔵センターの新設など、いつも資金需要があるため、
自己資本比率は約4割を確保しているものの、この水準感の株主還元で

も仕方ないかもしれません。

また、2015年1月の東証1部鞍替時のPOで、11億円(@1,085円)を調達して

いますが、足許の株価はこの水準をクリアしているほか、増資による成長

ストーリーもわりとわかりやすい会社ですので、再度POする可能性も考え

られます。ただ、今の財務状況(と還元水準)を鑑みるに、デットで十分調達

出来る範囲にあるみられますので、その辺の心配は無用と考えています。

*参考記事① 2016-01-20  930円 --

株主優待でジェフグルメが選択可能に、デリカフーズ(3392)。

*参考記事② 2013-09-04 567円
新設優待銘柄、デリカフーズ(3392)の分析。

 

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