今期は老人ホーム10棟の開業で、成長再加速へ弾み・ウチヤマホールディングス(6059)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【6059】ウチヤマホールディングス(東証1部) ---

現在値 596円/100株 PER16.4 PBR 0.76 3月配当株主優待 9月配当

介護、カラオケ、飲食店が3本柱。介護は入居一時金なしの有料ホーム。
配当金は3月9月で合計10円のため、配当利回りは1.68%となります。

ウチヤマホールディングスは株主優待制度を導入しておりまして、3月末に

400株以上を保有する株主に対して、お米券5枚を進呈していますので、この

場合の配当優待利回りを算出すると約2.60%となります。

業績を確認していきます。
■2014年3月期 売上高 217億円、経常利益 24.1億円 EPS 114円 
■2015年3月期 売上高 236億円、経常利益 15.5億円 EPS 59.7円 
■2016年3月期 売上高 238億円、経常利益 3.2億円 EPS 46.1円 
■2017年3月期 売上高 253億円、経常利益 10.0億円 EPS 3.1円 
■2018年3月期 売上高 268億円、経常利益 10.8億円 EPS 36.3円 ce
□2017年9月中 売上高 131億円、経常利益 6.6億円 EPS 22.9円(11/13)

2017年9月中間期の売上高は前年同期比7.9%増の131億円、経常利益は同

91.3%増の6.6億円となり、期初予想水準を確保しました。主力の介護事業に

ついては、老人ホームを1棟・障がい児放課後デイサービス施設を3ヵ所開業

したことによる増収効果や、近隣病院などとの連携強化による入居率の改善

(91.8→93.4%)によりセグメント増益を確保し、全社業績を牽引しました。一方、

カラオケ事業については2店舗閉鎖したものの、Web広告施策の見直しにより
減収増益、飲食事業も退店超過により減収となったものの、ハイボール業態

の開発等によるテコ入れにより、前年同期の赤字幅を縮小しました。

なお、2018年3月期通期の予算は据え置いており、売上高は前期比5.9%増の

268億円、経常利益は7.2%増の10.8億円を見込んでいます。主力の介護事業

における老人ホームの新設が下期に集中(9棟、通期で10棟)するほか、MAで

取得した千葉県のグループホーム1棟が下期より寄与します。また、障がい児

放課後デイサービス施設も上期を上回る4ヵ所を開設する計画です。カラオケ

事業と飲食事業については、出退店均衡圏のため前期並みの数字で収まる

ものとみられ、基本的には介護事業で数字を作る形となります。


今期は2019年3月期に最終年度とする3年中計の中間年度となっており、来期

の売上高は291億円、営業利益11.6億円、最終利益6.9億円とする定量目標を

置いています。数期前までは営業利益で20.0億円レベルを確保していたため、

この数値自体は無理のあるものではありません。特に今期は既述したとおり、

10棟もの老人ホームの開業を予定しているため、これらが来期本格的に稼働

してくることを鑑みると、カラオケと飲食が多少コケても、数値計画自体は余裕

で走破圏かと思われます。


またお得意のリースバック取引については、年末に柏の物件(100床)をイシカリ

合同会社へ売却しており(REIT等へのウェアハウジング?)、固定資産のため、

2億円弱の特別利益を今期は3Qに計上する予定となっています。この柏物件

は1棟で売却金額が12億円となる大型物件であるものの、これ以外にも開発

した介護施設を固定資産に積み上げているので、ヘルスケアREITが軒並み

NAV割れしているせいで増資と物件取得が難しいという背景はあるものの、

JSLの合併といった触媒で“取得の風穴”が開くことを期待したいと思います。

 

そして、開発型オンバランスで進めている以上、物件が売れないうちは構造

的に財務が悪化してしまうのがネックですが、当社の場合年間配当を10円

固定し、内部留保の外部流出を抑えてきたこともあり、自己資本比率を5割弱

にまで回復させてきています。そのため、低還元ながらPOリスクは遠のいた

とみており、開発物件の回転が思うように出来なくとも、入居率の回復による

内部成長により中長期的に期待出来る雰囲気が出てきたように感じます。


*参考記事① 2017-07-18  465円 ---

オンバランス経営でも財務良化進む、ウチヤマホールディングス(6059)。

*参考記事② 2015-07-04  509円 --

新生銀ヘルスREIT上場で復活も?ウチヤマホールディングス(6059)。

 

 

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