業績停滞続くが、業界再編には要時間か・ミニストップ(9946)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9946】ミニストップ(東証1部) --

現在値 2,458円/100株 PER474.5 PBR1.24 2月配当優待 8月配当優待

イオン系コンビニで業界4位。関東、東海地盤。ファストフードに強み。
配当金は年2回合計で45円で、配当利回りは約1.83%となります。

ミニストップは株主優待制度を導入しており、単元株以上の株主に対し、
半期に1度ソフトクリーム券を5枚配布していますので、1枚220円で換算

した場合の配当優待利回りは約2.72%となります。

業績を確認していきます。     
■2015年2月期 売上高 1,621億円、経常利益 41億円 EPS 30.3円
■2016年2月期 売上高 2,135億円、経常利益 36億円 EPS 33.4円
■2017年2月期 売上高 1,969億円、経常利益 22億円 EPS  7.4円 
■2018年2月期 売上高 2,195億円、経常利益 26億円 EPS  5.1円 ce

□2017年8月中 売上高 1,056億円、経常利益 19億円 EPS 26.2円(10/4)


2017年2月期の売上高は前年同期比5.2%増の1,056億円、経常利益は同

3.2%減の19.3億円と、予算比で未達となりました。国内の既存店売上高は

100.1%で落着し、(当社としては書入れ時の)8月に悪天候の影響を受けた

わりに底堅く推移しましたが、予算前提を101.5%で置いていたため未達と

なりました。また海外(主に韓国)も同水準の予算前提を置いていましたが

こちらはタバコ需要減少の影響により、既存店は95.6%へ落ち込みました。
なお総店舗数に関しては、純増53店で5,261→5,314店に留まり、出店数

に関しても、内外合計で100店ほどの計画未達となった模様です。

なお2018年2月期通期の売上高は前期比11.4%増の2,195億円、経常利益

は13.8%増の26億円の期初予想を据え置いております。上期の凹み分で

売上高▲22.8億円・経常利益▲6.6億円あるので、減額しないのは理解に

苦しみますが、得意のファストフード商材での新製品投入や、海外店舗で

の人気商品の逆導入により、前年比で5%ほどの伸びを見込み、巻き返し

を図る計画です。なお、国内出店に関しても、上期で▲7店の純減となった

ものの、下期で17店の純増を計画しております。元より国内はそれなりの

出店を見込んでいましたが、ファミマとサークルKサンクスの統合にともなう

閉鎖・居抜き店舗が、さほど世に出てきていない可能性もありそうです。

 

当社は5月にまた社長を交代しており、前社長の宮下氏は4年で引っ込み、

藤本氏常務が昇任しています。その前の社長であった阿部氏は、当社初

の生え抜き社長でしたが、業績悪化の責任を取る形で、役員報酬を減額

の上で退任しましたが、イオン本体出身の宮下氏は特にそういうこともなく

会長職に就いており、否が応でもイオングループにおける当社の立ち位

置が気になります。一応、新任社長の藤本氏は中国畑の長い方なので、

やはり今後の出店施策は、あくまで海外中心の展開へシフトしそうです。

(新社長の就任に伴い、来期を期初とする新中計が策定される模様です)

 

他方、当社の外野で起こっているコンビニ統合に関しては、ファミマ・ユニー

の統合がほぼ完了し、ファミマははやドンキとの協業に注力しているため、

外形上は“凪の状態”になっていますが、当然ながら当社が単独で生き残

れる確率は低い状況です。業界三位に転落したローソンと、イオンの筆頭

株主でもある三菱商事の動向が注目されますが、小型店戦略を推進する

イオンと折り合うのは非常に困難と思われ、手詰りの状況が続きそうです。

 

*参考記事① 2017-05-26 2,319円 --

国内・韓国ともに徐々に復調気配、ミニストップ(9946)。

 

*参考記事② 2016-11-14 1,799円 --
通期減額修正も、会社予想はなお楽観的・ミニストップ(9946)。

 

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