乳製品市況高と海外伸長で、半年で通期予想クリア。ラクト・ジャパン(3139)。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

IMG_0306.JPG

【3139】ラクト・ジャパン(東証1部) -- 

現在値 3,855円/100株 PER13.6 PBR01.54 11月配当 5月株主優待

旧東食系。乳原料・チーズ、食肉加工品の食品商社。海外に拠点。
配当は11月末一括33円のため、配当利回りは0.86%となります。

ラクト・ジャパンは株主優待制度を導入しており、5末の単元株主に対して

1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約1.11

%となります。

業績は下記の通りです。 
■2014年11月期 売上高 965億円、経常利益 16.6億円 EPS 255.6円
■2015年11月期 売上高 980億円、経常利益 13.4億円 EPS 197.9円
■2016年11月期 売上高 886億円、経常利益 14.3億円 EPS 193.5円 
■2017年11月期 売上高 956億円、経常利益 20.2億円 EPS 282.2円ce修正
□2017年05月中 売上高 464億円、経常利益 17.7億円 EPS 245.5円(7/12)

2017年5月中間の売上高は前年同期比7.5%増の464億円、経常利益は同

4倍増の17.7億円となり、中間時点で通期の利益計画を大幅に上ぶれして

着地しました。主力の乳原料・チーズ事業において、国内では生乳生産量

減少が継続しているにもかかわらず、飲用の生乳消費が底打ちしたため、

生乳需給がタイトになり、当社の取扱う輸入乳原料が順調に推移しました。

また、国際的にも乳製品価格が堅調に推移したほか、当上期中の円安の

進行による(先行)ヘッジ利益が、営業外で約7億円計上されています。


なお2017年11月期通期予想については中間時点で増額しており、売上高

が前期比7.8%増の956億円(従:876億円)、経常利益は20.2億円(従:14.4億円)

に修正しています。高付加価値の乳脂肪原料の調達環境が厳しくなる中で、

業界における長年のプレゼンスとルートを活かした優位性のある仕入れを

実現しているほか、シンガポールやタイの当社拠点での製造拡大により、

国内はもとよりアジア諸国でも販売を順調に伸ばしています。上期のブレ

幅を考慮すると修正幅が物足りませんが、当社はコンサバ予算を置く傾向

にあるほか、営業外で利益を先食いしていることが理由と推察されます。


当社はローリング形式の中計を策定しており、3年後の2019年11月期に

売上高971億円(CAGR_3%)・経常利益18.3億円(CAGR_8%)を新しい目標

値として置いていますが、早ければ今年単年だけで達成する公算です。

業績以外のKPI目標であった海外売上高比率20%も、当初の10%程度から

足許では15%を超える水準まで上昇しており、シンガポール現法の設立に

よる取り扱い数量増加や、海外工場の拡大により着実に伸ばしています。

 

また、マクロの大前提として、ASEAN諸国の「食の欧米化」による乳製品の

消化量増大(と国際的な市況高)は確実な情勢であり、歴史ある食品商社

の東食・酪農品本部の流れを組み、乳原料取扱トップ商社である当社は、

市場成長を取るだけでも「ある程度は勝手に伸びる」とも言える状況です。

一方で残念なのは、株主還元意欲の低さであり、商社で借金が多い背景

はあると思いますが、配当性向は依然として10%強に留まっており、今期の

配当も1円増配の33円予想となっています。それにくわえ、9/8の東証一部

指定替えの際の経営陣売り出しで、発行済株式の2割弱が大放出(@3849)

されたので、業績のわりに需給も重くなっているため、そろそろ既存株主の

方を向いた経営が望まれるところであります。来期は最大6円の記念配当

が出る観測もあるようですが、それだけでは全然足りないと感じます。


*参考記事① 2017-03-07 2,018円 --
今後はアジア販路の拡大次第、ラクト・ジャパン(3139)。

*参考記事② 2016-02-18 1,102円 ---
クオカード優待新設も、連続減益予想。ラクト・ジャパン(3139)の短評。

 

 

会社四季報 2017年 4集秋号 [雑誌]

新品価格
¥2,060から
(2017/9/10 07:44時点)

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に 
基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


このエントリーをはてなブックマークに追加にほんブログ村