今後はアジア販路の拡大次第、ラクト・ジャパン(3139)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3139】ラクト・ジャパン(東証2部) -- 

現在値 2,018円/100株 PER10.0 PBR0.86 11月配当 5月株主優待

旧東食系。乳原料・チーズ、食肉加工品の食品商社。海外に拠点。
配当は11月末一括33円のため、配当利回りは1.64%となります。

ラクト・ジャパンは株主優待制度を導入しており、5月末の単元株主に対して1,000
円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.88%となります。

業績は下記の通りです。
■2013年11月期 売上高 759億円、経常利益 16.6億円 EPS 261.5円  
■2014年11月期 売上高 965億円、経常利益 16.6億円 EPS 255.6円
■2015年11月期 売上高 980億円、経常利益 13.4億円 EPS 197.9円
■2016年11月期 売上高 886億円、経常利益 14.3億円 EPS 193.5円 
■2017年11月期 売上高 876億円、経常利益 14.4億円 EPS 200.4円 ce
□2017年05月中 売上高 407億円、経常利益 5.6億円 EPS 80.5円 ce

2016年11月期の売上高は前期比9.5%減の886億円、経常利益は同6.8%増の
14.3億円となり、上ぶれ着地しました。主力の乳原料・チーズ事業において、
国際的な製品の価格低下や円高の影響により、売上高段階から大きく減収した
ものの、利益面については単価下落による需要の増加がみられ、数量ベースで
は増加したこと、および仕入れコスト管理の徹底により一転増益となりました。

なお2017年11月期通期の予算に関しては、売上高が1.2%減の876億円、経常
利益は微増の14.4億円を予想しています。食肉加工事業において、一部販売先
における仕入方針の変更があったことによる減収(▲16.5%)影響があるものの、
乳原料・チーズ事業における数量増や国際乳製品価格の上昇、足許での円安
傾向もあるため、利益面に関しては続伸する計画となっています。

当社は2018年11月期を最終年度とする3年中計初年度を終えたばかりですが
早くもローリングしており、今度は2019年11月期の売上高を971億円(CAGR_3%)、
経常利益は18.3億円(CAGR_8%)に修正しています。1年ズレるので、単純比較
は出来ないものの、旧計画比で減収増益となる見通しです。これはトップライン
が乳製品の市況価格や為替影響で大きく左右されることが大きく、予測困難な
ためコンサバな数字を置いているものと思われ、その代わりに会社側では重要
なKPIとして取扱数量の拡大215t→236t、を中計の根拠として公表しています。

この中計自体は目新しさに乏しい内容であり、数値的に「上ブレしてなんぼ」の
ものですが、この3年間で現在10%余りにすぎない海外売上高を、20%超まで
もってこれるかどうかがポイントと思われます。当社は歴史ある食品商社である
東食の流れを汲む商社であり、国内に強みを持っている反面、依存度が約7割
と高く、需要堅調とはいえ頭打ち状態に近い国内市場には伸びしろが殆どない
ため、10名超の駐在員を置くシンガポール現法によりアジア市場を開拓出来る
か否かが、中長期的な当社の成長を占う鍵となってきます。

一方で株主還元に関しては控えめな状況が継続しており、今期は1円増配の33
円配当を予定しているため、配当性向は16.5%止まりとなっています。会社側も
「業績による株価上昇が真の株主還元」であり、「自己資本の充実を図る」と
アナウンスしている以上、まとまった幅での増配は期待出来ないと思われます。

*参考記事 2016-02-18 1,102円 ---
クオカード優待新設も、連続減益予想。ラクト・ジャパン(3139)の短評。


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