傘下REITの調達環境と金利影響が大きい、サムティ(3244)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3244】サムティ(東証一部) ---

現在値 1,114円/100株 PER6.0 PBR0.83 11月配当優待

関西軸に投資用マンション開
発、不動産再生販売等を行う。賃貸が安定収益柱。
配当金は11月の年1回36円で、配当利回りは3.15%となります。

サムティは株主優待制度を実施しており、11末の200株保有株主に対し、
当社の運営するセンターホテル東京/大阪の宿泊券を各1枚ずつ配布して
おりますので、これらを合算した配当優待利回りは約7.71%
となります。
なお、宿泊券は適当に1枚5,000円で計算してます。


業績を確認していきます。なお、会社側の中間予想は非開示です。
■2013年11月期 売上高 273億円、経常利益 20.9億円 EPS 93円  
■2014年11月期 売上高 243億円、経常利益 23.0億円 EPS 108円
■2015年11月期 売上高 384億円、経常利益 38.7億円 EPS 203円
■2016年11月期 売上高 524億円、経常利益 67.8億円 EPS 196円 
■2017年11月期 売上高 612億円、経常利益 72.0億円 EPS 202円 ce
□2017年5月中間 売上高 220億円、経常利益 28.0億円 EPS 84円 四e

2016年11月期の売上高は前期比36.3%増の524億円、経常利益は同75.3%増
の67億円となり、前の期に続き売上高で3割・利益で7割の破竹の快進撃が
続きましたが、期初計画比では未達となっています。不動産事業については、
傘下の住宅REIT等に18物件を売却したほか、他の一棟卸しや新築分譲の伸長
で堅調に推移したものの、賃貸事業が水戸・ヤマダ電機の早期解約と違約金
の剥落で大幅減となりました。なお入替のOPA賃料も伸びなかった公算です。

進行期である2017年11月期の売上高は16.8%増の612億円、経常利益は6.1%
増の72億円を計画しており、未達で懲りたのか控えめな予算となっています。
前の期に用地115億円(売上換算282億円)と棚卸資産95億円の仕入を手当
しており、傘下のREITに売却予定の名有りの「S-RESIDENCE」が9〜10物件
あることに加え、同REITのウェアハウジングで10物件(760戸)をプールしてい
ますので、同REITがPOでどれだけ調達出来るかがポイントとなりそうです。

なお、昨年11月に既述の水戸サウスタワーをラサール不動産投資顧問に売却
したことや、物件売却が期初に偏る計画のため、今期も賃貸事業は大幅続落
となる見通しです。福岡で取得した警固タワーは減価償却が重く、その他事業
で12月に博多駅前のホテルが開業予定ですが、こちらも今期には乗りません
ので、全事業のトータルでは横ばいか少し上くらいでの決着となりそうです。

当社は昨年7月に2023年11月期を最終年度とする長計をローリングしており、
概ね2期前倒しで進捗していることから、手前の2020年11月期までの新数値
を公表しています。4年後の売上高を1,000億円・経常利益を100億円を目標
としており、当社の業績モメンタムであれば特段の目新しさはないのですが、
EPS目標として300円が掲げられており、POによる希薄化可能性に関しても、
"一定の配慮"が垣間見れるのは、評価出来るポイントかと思われます。

株主還元については、2020年11月期の目標配当性向を30%としており、足許
の配当性向が16~17%に留まっていることを鑑みると、業績の伸びと相俟って
かなりの増配余地があるのですが、自己資本比率が全く改善していないので、
調達金利の動向次第では、最後まで増配を渋ってくる可能性はありそうです。
(実際、今は配当で吐き出すより手元の現金を増やした方が良いと思います。)



*参考記事① 2016-03-02 986円 ーーー
水戸・ヤマダ電機の後継決まる、サムティ(3244)。

*参考記事② 2015-03-18 904円 ーーー
ピエリ守山が開業、サムティ(3244)の株主総会に参戦。


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