足許の円安で期初計画に達成余地、MORESCO(5018)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【5018】MORESCO(東証1部) --

現在値 1,540円/100株 PER9.3 PBR1.19 2月配当優待 8月配当優待

独立系の化学品メーカー。自動車向け特殊潤滑油、合成潤滑油など。
配当金は年2回合計で40円のため、配当利回りは約2.60%となります。

MORESCOは株主優待制度を導入しており、100株保有の2末8末株主
に対し、1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回り
は約3.89%となります。

業績を確認していきます。
■2013年2月期 売上高 199億円、経常利益 11.6億円 EPS 77.7円   
■2014年2月期 売上高 237億円、経常利益 20.1億円 EPS 132.5円  
■2015年2月期 売上高 268億円、経常利益 27.6億円 EPS 169.5円  
■2016年2月期 売上高 262億円、経常利益 23.7億円 EPS 157.8円  
■2017年2月期 売上高 273億円、経常利益 25.0億円 EPS 165.5円 ce  
□2016年8月中 売上高 130億円、経常利益 10.7億円 EPS 65.5円(10/12)   

2016年8月中間期の売上高は前年同期比0.4%増の130億円、経常利益は
8.9%減の10.7億円と増収減益となり、計画をやや下回りました。主力の特殊
潤滑油については、自動車生産台数減少の影響はある程度食い止めたも
のの、原材料費低下にともなう販価下落で減収となりました。ただ売出中の
ホットメルトに関しては、紙おむつ向けが内外で堅調で増収を確保したため、
部門による好不調があるものの、全社トータルで前年同期並みとなりました。

なお2017年2月期通期の予想は、売上高が前期比3.9%増の273億円、経常
利益が5.1%増の25億円の期初予想を据え置いています。増収増益を見込
んでいるにもかかわらず、前期よりも業績の進捗率が悪く、円高による原価
低減が、販価に逆転嫁されてしまう状況は変わっていないので、今期も減額
修正含みですが、足許では円安に振れているので、浮上の余地は残ります。

今期は2018年2月期を最終年度とする中計の中間年度となっておりますが、
本年2月に来期の予想売上高を376→303億円(▲73億円)、経常利益を38→
29億円(▲9億円)へとそれぞれ減額しています。既にあまり無理のない数字
になっているので達成可能圏とみますが、中長期的な業績飛躍のためには、
新製品開発が待たれる状況となっており、会社側は世界シェアの奪取を志
向した鍛造用潤滑材や有機デバイス用の封止材の開発に注力しています。

また、海外売上高もここ数年30%台前半で推移していましたが、30%台後半に
まで構成比が拡大しており、中国や東南アジアで紙おむつ向けのホットメルト
が伸長しているため、自動車向けに次ぐ商材へ成長することが期待されます。

なお株主還元に関しては、今期は前期並みの40円配当を予想していますが、
表記業績予想の達成を前提に増配余地があるような印象も受けます。当社
は2013年に公募で11億円(@1,036円)を集めたばかりですので、現値付近で
の自社株買いはしずらいと思いますので、基本は配当で還元かと思います。

*参考記事① 2016-06-19 1,089円 ---
株主激増で優待継続の意味が薄れる、MORESCO(5018)。

*参考記事② 2015-12-03 1,745円 ---
二部降格阻止のためにクオカ優待を導入、MORESCO(5018)。

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