二部降格阻止のためにクオカ優待を導入、MORESCO(5018)。 | なちゅの市川綜合研究所

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【5018】MORESCO(東証1部) ---

現在値 1,745円/100株 PER10.5 PBR1.32 2月配当優待 8月配当優待

独立系の化学品メーカー。自動車向け特殊潤滑油、合成潤滑油など。
配当金は年2回合計で40円のため、配当利回りは約2.29%となります。

MORESCOは株主優待制度を導入しており、100株保有の2末8末株主
に対し、1,000円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回り
は約3.43%となります。

業績を確認していきます。
■2013年2月期 売上高 199億円、経常利益 11.6億円 EPS 77.7円   
■2014年2月期 売上高 237億円、経常利益 20.1億円 EPS 132.5円  
■2015年2月期 売上高 268億円、経常利益 27.6億円 EPS 169.5円  
■2016年2月期 売上高 270億円、経常利益 26.0億円 EPS 165.5円 ce修正  
□2016年8月中 売上高 130億円、経常利益 11.7億円 EPS 73.2円    

2015年8月中間期の売上高は前年同期比1.6%増の130億円、経常利益は
同5.6%増の11.7億円と増収増益を確保したものの、中国や東南アジアでの
自動車生産の減少が影響し、期初の計画を下回りました。

なおこのタイミングで2016年2月期の通期予想も修正しており、売上高を
前期比横ばいとなる270億円、経常利益は▲6%減の26億円へとそれぞれ
減額しています。上期の予実対比の倍以上となる金額を通期では減額
しているので、足下の状況としてはあまり良くないものと思われます。

当社は2010年2月期(売上高126億円)から、前期に至るまで年平均2桁
を軽く超える売上高成長率を記録しており、期初時点でもそのモメンタム
が維持されることを前提とした3年中計を開示していました。その中計に
よれば、当初の今期予想が売上高304億円(経常利益28億円)、来2017年
2月期に売上高340億円(経常利益31億円)、最終2018年2月期に売上高
376億円(経常利益38億円)をそれぞれ計画していたようですが、わずか
6ヶ月で見直しを迫られる状況となってしまっています。

皮肉なことに海外売上高比率を順調に伸ばしたことで中国の減速をモロ
被りしてしまった訳ですが、部分部分では良いところもあり、有機EL向け
のバリアフィルムの開発が進んでいたり、需要が大変堅調な紙オムツ向け
のホットメルトが伸長しているため、今後この辺に期待することとなります。

当社といえば株主数が一時1900名台に落ち込み、昨年東証から一部指定
替えの猶予期間通知を食らったことが記憶に新しいところですが、大急ぎ
で株主優待制度(クオカード)を導入して、なんとか3千名超の株主を確保
しました。おそらく会社側も場当たり的な苦肉の策として繰り出した手だと
考えているフシがあり、株主優待の宣伝をあまり積極的に行っておらず、
進呈するクオカードもオリジナル柄ではなくギフト柄なので、今後ずっと
続けていくつもりがあるのかどうかは・・・疑問が残ります。

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