転職コンサルタントの独り言


ここ最近は消費税増税など、景気はよくならなのに庶民に厳しい政策議論ばかりだ。


それより最近もっと深刻だと思うのは、サラリーマンや、パートに支払う給与の手取りが減り続けている現実だ。たとえ昇給しても、手取り金額にすると大して変わらないという輩も多いのではないか?


給与明細をパッと見ても理由がよくわからない。よくよく調べてみると、健康保険料は今年3月に上がったようだ。厚生年金も10月から毎年5年間上がり続けるという。消費税騒動のドサクサに紛れて、裏では源泉徴収する額がいつの間にか増やされていたとは…。


例えば月収30万円のサラリーマンなら、個人負担分の健康保険料と厚生年金を合わせると、月額千二百六十六円の値上げ。年間おおよそ一万五千円も負担が増えるらしい。更に、六月には扶養控除が廃止・縮小されて、住民税も上がる(一律10%)。


負担はまだ増える。復興財源法が成立による臨時増税で10兆円を確保することになり、2013年1月から所得税額の2.1%の上乗せを25年間、2014年6月からは10年間にわたり住民税が年間1000円上乗せされる。


『もう、どうやって暮せばいいのか』と悲鳴が上がる。


問題なのは毎日、新聞・ニュースを見ていても、これらが一体いつ、どのように決まったのか、ほとんどの人が分からない点だ。源泉徴収をする企業人事にも、増税の通知は予告もなく「通達」される。給与明細を見てびっくりの、まさに事後承諾に近い徴収というのが皆さんの実感だろう。


まさに増税の嵐はもう既に吹き荒れているのである。





転職コンサルタントの独り言


いま、労働者派遣法改正案が正念場を迎えている。

私の知人で、大手人材派遣会社の営業をしている人物が、ある大企業の得意先との商談で、派遣会社どうしのライバル競争で値引き合戦が日常茶飯事になっていると愚痴を漏らす。例えば、

  「A社が時給1000円なら、うちは900円でやりますよ」

そんなやりとりが派遣ビジネスのなかでもはや当たり前になっている。その知人の営業マンも大手企業による派遣料金値引き要求の影響で売上げ目標達成できず給与がカットされる。派遣される勤労者の希望条件など聞く余裕もない…。

1999年に全面解禁となった労働者派遣法。もともと経済界や行政役人中心で進められた労働者の「使い捨て化」法案。不況もあいまって最近では、一般の人々の中からも「派遣を禁止したら仕事がなくなるのではないか」という意見も増えているようにみえる。大不況の今日、もはや数百万人ともいわれる派遣労働者が存在するのだから、制度改正は容易ではないだろう。

一方でコストを抑えたい経営側の悲願だった派遣法自由化は、1999年の法改正で達成されたものの、行き過ぎた自由化がワーキングプアなど働く貧困層を大量生産するなど、日本の社会の土台を揺るがす深刻な問題をひきおこしたため、2008年に逆に規制せざるを得なくなり今日の議論に至っている。

労働者派遣がもたらした日本人の「働き方」へ与えた意識的なインパクトは、この不況もあいまって正社員の雇用にも影響しつつある。

たとえば高失業率の昨今、ハローワークの正社員求人を見ても手取り支給額が、最低賃金ギリギリの募集が堂々と出されている。今、職を失っている人々は、多少の悪条件でも応募してくるので、経営者側は更に条件を落とすことができる。まさに賃金の「デフレスパイラル」が起きている。「派遣か正社員か」の選択肢となる中で、正社員の賃金はもはや派遣アルバイト賃金のレベルまで下がりつつある事例もあり歯止めがかからない。

もう派遣法は、正社員の「高い」給与水準を下げるための「正等な理由」を与え始めているのである。

これらの動きに、最近の経営者団体は高見の見物のようにみえる。


もはや日本の大企業は海外市場での成長を重視する企業方針に合わせ海外シフトを進める姿勢が鮮明であり、国内の労働市場については、もう関心事ではないかのようでもある。



宜しければクリックをお願いします。
にほんブログ村 転職キャリアブログへ
にほんブログ村


転職コンサルタントの独り言


年収200万円以下の給与所得者が5年連続で1000万人を超えた。


国税庁の民間給与実態統計調査によると、2010年の1年を通じて勤務した給与所得者は4552万人。うち年収200万円以下は1045万人で全体の22.9%を占める。


不況で正社員人口が激減し、派遣・パート労働などの非正規雇用労働者へシフトしていく中で、従来の給与体系も「月給」から「時給」へ変遷してきている。


時給は業種や地域によりさまざまだが、仮に時給1000円として計算すると、1日8時間、週に5日働いて月16万円になる。年に48週間働くと総労働時間は1920時間、年収192万円。これは税金や社会保障費を引かれる前の額面収入だから、手取りはさらに低くなる。

時給1000円は法定最低賃金と比較すれば高い方だが、それでも一日拘束されて年収200万円以下にしかならないと考えると、現実には親と同居の実家住まいや夫婦共働きでなければ「時給の仕事では食べていけない」と言えるだろうし、時給は長年働いてもほとんど昇給されないから、「時給の仕事をしている限り、一生ワーキングプアレベルの生活から抜けられない」ということになる。

いま、その非正規労働に生計の主たる担い手の就労人口が1000万人を突破した。言い換えれば、生計の主たる担い手でありながら時給の仕事で働くことを余儀なくされている世帯主が、とうとう1000万人を既に突破してしまったのである。


***


私たち日本人が、人生で大きなお金が必要になるのは以下の4つだ。

①日々生きてゆくためのお金(生活資金)
②住宅購入や、家賃のためのお金(住宅資金)
③こどもの学費にかかるお金(子育て資金)
④老後や退職後の生活費(老後資金)

このうち、非正規雇用労働者が工面できるのは上述した通り、①の日々の生活資金だけであり、住宅や子育て、老後の資金の調達までお金を回すのは難しい。


したがって①必要最低限の生活以外は下記のような問題が現実に起こっている

②住宅資金が払えない → 病気やけが、失業などで簡単にホームレス化する
③教育資金が払えない → 少子化に歯止めがかからない
④老後資金が払えない → 高齢の生活保護世帯が急増する

②~④はいずれも将来にに対する「不安」であり、いままでは会社の月給から貯金などで準備してきたものだが、非正規雇用者にはそういった貯蓄できるほどの余裕がないほど低賃金ではたらくことを余儀なくされてきているのである。


企業や経済団体側は「非正規雇用は、多様な働き方の提供手段である」という主張をしているが、この数字をみる限り、企業側の主張は詭弁と言わざるをえない。むしろ最近の企業・経済団体は、国内で商品をつくっても不況で売れる見込みがないから海外進出する。国内で人件費を削減する一方、海外進出して経常利益を伸ばしても、その利益が国内の労働者に反映されていない現実を見ればあきらかである。


「一生懸命はたらけば豊かになれる」という時代は、非正規雇用の拡大によって終わってしまったかのようである。


宜しければクリックをお願いします。
にほんブログ村 転職キャリアブログへ
にほんブログ村


転職コンサルタントの独り言


(以下、8月29日東京新聞記事より一部抜粋)

厚生労働省は8月28日、国民年金の保険料を納付しなくても給付が受けられる専業主婦ら「第3号被保険者」について、年収基準を現行の「130万円未満」から引き下げる方向で検討に入った。数十万円の大幅な引き下げも視野に入れる。

9月1日に新設する社会保障審議会の特別部会でパートなど非正規労働者の厚生年金や健康保険への加入拡大に関する論議の一環として検討する。厚労省は年内に特別部会の意見をとりまとめ、来年以降に関連法案を国会に提出したい考えだ。

現在、パートの主婦が厚生年金に加入するには、同じ事業所の正社員の「4分の3(週30時間)」の労働時間が必要。週30時間以上であれば厚生年金に入り、保険料(収入の16.058%)を労使折半で納める。30時間未満でも年収が130万円以上であれば、3号ではなくなり、国民年金の保険料(月額15,020円)を支払わなければならない。

***

パート収入などを得る主婦はいわゆる「130万円基準」のほか、税制面で配偶者控除を受けられる「年収103万円以下」を意識するケースが多い。例えばサラリーマン家庭の専業主婦が、家計を助けるために年収範囲内でパートに働きに出ている世帯は相当数あるだろう。「第3号被保険者」については、被扶養者であれば保険料の納付なくして将来年金が受給できるというメリットがあるからだ。

一方、企業側からみても、安い賃金で雇用を確保できるパート労働者は社会保険料の負担がない点でのコストメリットも大きいが、これらのパート(=非正規労働者)の社会保険加入拡大には、経営側の反発も予想され、意見集約は難航しそうだ。

いずれにしても厚労省は労働時間の基準を「週20時間以上」に緩和した場合、実に400万人が新たに加入すると推計されており、日本の家庭の主婦の働き方が大きく変わる可能性がある。



宜しければクリックをお願いします。
にほんブログ村 転職キャリアブログへ
にほんブログ村


転職コンサルタントの独り言


先日、年収200万円以下で家計の1割以上を負担している人が、現在の生活についてどのように感じているのか、連合による調査結果の発表を拝見した。

対象が急増する貧困層を対象としているものの、いまの日本人が感じている「将来不安」という点で共感する点が多かったので、以下抜粋させていただいた。

生活に関する項目で「あてはまる」と答えた人が最も多かったのは

「世の中はやはりお金だと感じている」(80.1%)
「収入アップは無理だと感じている」(78.8%)
「貯蓄は無理だと感じている」(67.3%)
「自分の将来に希望が持てない」(63.5%)

が多く、全体的に悲観的な見方をしている人が目立った。

また社会に関する項目では

「貧困層は増加していると感じている」(80.9%)
「貧富格差社会の中にいると実感している」(79.8%)
「社会が衰退していると感じている」(76.2%)
「世の中の厳しさや薄情さを感じている」(74.0%)

が続いた。さらに仕事に関することでは

「仕事を失うことが怖い」(71.8%)
「企業は終身雇用を目指すべき」(60.0%)

と答えた人が多かった。

さらに、年収200万円以下の層では

「今後の収入アップが見込めない」と考える人が8割弱、
「将来に希望が持てない」人が6割を超える

など、悲観的な生活実態がうかがえた。回答者の平均的な勤務状況をみると、週4.8日、1日7時間労働。「彼らのがんばりが賃金に反映されず、ワーキングプアがいわゆる“ハード・ワーキングプア”へと深刻化しているのではないか」(連合)と指摘した。


宜しければクリックをお願いします。
にほんブログ村 転職キャリアブログへ
にほんブログ村


転職コンサルタントの独り言


先日のニュースで、全国で生活保護を受給している人が2月で200万人を突破したという。過去最多だった戦後の混乱期の1951年度の204万6646人にせまる数値で、200万人超えは52年度以来58年ぶりという。さらに、この数値は3月の東日本大震災前の統計なので、今後さらに増えるとみられるという。

特に最近の傾向は、就労意欲があるのに仕事に就くことができない若者や中高年を中心とする現役世代の急増という深刻な事情がある。

政府も急激に膨らむ生活保護人口を抑制すべく、就労支援などの対策を打ち出しているようだが、雇用主となる企業に対し強制力を持たないから、その実効性に乏しい。なかでも深刻なのは企業からリストラ対象となる中高年失業者の増加である。

家族の生活を支え、また仕事を通じて社会・国を興す原動力になるはずの働き盛りの男性に職が無い。その数が数百万人レベルという状況は、とんでもない国家的損失であり、この層を活性化しなければ生活保護費の支出抑制と、保険料や税金の徴収にも繋がらない。

しかしながら、例えば生活保護受給者の再就職の現実はどうか。

ハローワークを訪れる生活保護受給者の多くが再就職に結びつかない最近の大きな問題点として、求人の低賃金化にあるという。求人社数が少ないから、1社の求人に応募者が殺到する。競争が厳しいから正社員募集の求人応募をあきらめ、パートアルバイトでの職探しに奔走するが、時給800円の就業では家族や子供の教育費を支出できない。しかもこのレベルの給与でも「就業」とみなされるので、国や行政から何も支援してもらえなくなる。

「こんな安い給料で働くくらいなら生活保護もらってた方がマシ…」

と再就職をあきらめる人々が増えているという。生活保護の給付金より低い賃金レベルの求人が堂々とまかり通っているところに、生活保護受給者数の急激な増加の一因があると見る。

行政機関は、本気で生活保護受給者の就労支援を考えるなら、先ずこの実態を把握するところから論議をしてもらいたい。


宜しければクリックをお願いします。
にほんブログ村 転職キャリアブログへ
にほんブログ村


転職コンサルタントの独り言


東北関東大震災で、かつて経験したことのない甚大な被害と被災地住民の方々の窮状に心が痛みます。被災地の方々の早期の復興・再生を願っております。

さて、震災以来、連日福島の原子力発電所事故の状況が報道されている。

放射性物質の拡散の恐怖におびえつつ、日本政府や、東京電力関係者からは、半径20Km外は比較的に安全(?)なので冷静な対応をという呼びかけのもと、なんとか平穏さを保っている状況だ。

街中では通勤通学や買い物で外出する際にマスクを着用している人々が増えている。首都圏に住んでいる人々の最大の関心時は身近にどのくらいの放射性物質が拡散してきているのかという点だが、具体的なわかりやすい情報は得られなかった。

そんな中、ある新聞社のプレス記事より「日本で公表されない気象庁の放射性物質拡散予測」という衝撃的な記事を拝見した。

気象庁による同原発から出た放射性物質の拡散予測を政府が公開していないのに、ドイツやノルウェーなど欧州の一部の国の気象機関は日本の気象庁などの観測データに基づいて独自に予測し、放射性物質が拡散する様子を連日、天気予報サイトで公開しているというのだ(画像は、2011年4月4日14時30分 読売新聞サイトより抜粋)。

ドイツ気象局のホームページでは、福島第一原発から出た放射性物質の拡散分布予測(日本時間4月5日午後9時を想定)を公開した。原発からの放出量は不明とした上で、色が濃いほど、濃度が濃い傾向にあるとし、放射性物質が拡散する様子を連日、天気予報サイトで公開している。

これを見る限り、放射性物質は明らかに日本本土に拡散している。これは私たちが知りたい最も重要な情報であり、日本国民は風向きによって無用な外出は避けるべき状況であるのかも知れない。

いま政府・関係機関は、放射性物質による国内の事故沈静化よりも、むしろリアルタイムで拡散予測を知らせるべきレベルの状況なのではないだろうか。



宜しければクリックをお願いします。
にほんブログ村 転職キャリアブログへ
にほんブログ村


転職コンサルタントの独り言


国家・社会的規模でダンピング(不当廉売)を伴った輸出を行うことを「ソーシャルダンピング」と呼ぶ。労働者の低賃金・長時間労働など、劣悪な労働条件により、不当に安い商品を輸出することで、かつて日本も、「女工哀史」に代表される世界恐慌時代、綿製品の廉価輸入で英国などからソーシャルダンピングをしていると強い非難を浴びたことがある。


時代は変わって現在、中国をはじめとする通貨安で低賃金の国から商品が格安で大量に先進国へ流れてくる。この状況は、まさにソーシャルダンピングそのものであり、日本を含む先進国の経済への大きなダメージともなっている。


ところが先進国は本気で中国などを非難しようとしない。


その理由は、現在のソーシャルダンピングの大半が先進国による投資や現地法人進出によって行われているのが実態であり、ソーシャルダンピングを非難することは、海外の低賃金労働者を利用して儲けている自分自身を非難するジレンマに陥るからである。日本でも、経団連含む経営層はこれを「グローバル競争」と呼び換えて衣に包み正当化している。


しかし、これらの資本の「グローバル競争」の行き着くところは、先進国の労働者の賃金の低下というかたちで私たちの生活を直撃する。


日本国内でも、経営層の強い要望で推進された労働者派遣法改正以降、年収200万円にも満たない労働者が急増し、ワーキングプアというキーワードに代表される、「働く貧困層」が急増した。失業率の高止まりによる労働者間競争が加速する中、最低賃金ギリギリの求人ばかりが増えている。


日本の大手企業のグローバル化がもたらすものは、つまりは労働者の賃金下げであり、発展途上国の労働条件と均衡するまで続くであろうことは容易に想像がつくのである。


先日も国内自動車メーカーが海外現地法人で過去最高の売上高・利益を達成したというニュースが発表される中、法人税を下げれば企業が国内雇用を増やし、景気が回復するだろうといういまの政権の考えは本当に正しいのだろうか甚だ疑問に思う今日この頃である。



宜しければクリックをお願いします。
にほんブログ村 転職キャリアブログへ
にほんブログ村


転職コンサルタントの独り言


所得税の確定申告のシーズンを迎えた。景気低迷で再就職活動が意に反し長引いている方も多いかもしれないが、良い企業と出会えるよう根気強くいこう。


さて、昨年中に失業した方で、勤務先で年末調整出来なかった方は、確定申告をすれば払い過ぎた税金が還付されるので利用しよう。


サラリーマンの場合、勤務先の人事部門が毎年12月になると年末調整で所得税額など会社が計算してくれるので、確定申告は不要だが、昨年末に会社を辞めて年を越した人は対象にならない。会社は通常、従業員が1月から12月まで勤務するものとみなして、源泉徴収税額表をもとに給与や社会保険料などに応じ毎月の所得税額を差し引く。しかし、年の途中で会社を辞めた場合は、12ヶ月働いていないのに12ヶ月働いた水準の税額が差し引かれたのだから税額は多くなることが多いのだ。


このため、確定申告をして払い過ぎた分を取り戻そうというわけだ。確定申告をした場合の還付金の額は、人によって様々だが、多いときは数万円以上になることもあるようだ。


申告には、以前勤めていた会社にもらった源泉徴収票が必要で、人によっては生命保険料控除や住宅ローン控除など、いままで会社の年末調整で行ってきた控除も自分で確定申告すれば得になる。


尚、雇用保険の失業手当をもらっている人の場合、失業手当は非課税なので、これについては申告しなくてもよい。


今年(平成22年分)の所得税の確定申告の受け付けは2/16~3/15だ。


【参考】 国税庁ホームページ
「所得税(確定申告書等作成コーナー)」のURLは、下記の通り。
 http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/kakutei.htm



宜しければクリックをお願いします。
にほんブログ村 転職キャリアブログへ
にほんブログ村


転職コンサルタントの独り言


2011年、新しい年を迎えた。


リーマンショック以降、急激な不況に転じてから急増した企業によるリストラ、非正規労働者の失業、就職できない新卒者、厳しい中高年雇用問題や脆弱なセーフティーネットなど、理不尽な出来事には黙っていられない性分が災いして、昨年は日本の労働社会に対する辛口日記の投稿に終始した一年だった。


なかでも昨年、私が感じた深刻な問題は、不況の長期化で労働者や失業者本人よりむしろ、その家族や生活を直撃し始めていることであり、その最たる被害者が「子どもたち」であるという点である。


***


「貧しさに苦しむ子どもたち」。それは過去の戦争中や、他国の話しではない。


OECD(経済協力開発機構)が2008年に発表した報告では、日本の子どもの貧困率は13.7%で、7人に1人が貧困状態にあるという。特に、労働者派遣法の成立以来、非正規雇用の増加などで、20年前の12%から悪化した。ここでいう貧困とは、4人世帯で年収が254万円、2人世帯で180万円を下回ることで、生活保護基準にほぼ重なる。


特にOECDは日本の「子どもの貧困」が際立って加速していると警告している。給食費や教材費が払えず小中学校への通学も難しくなったり、貧困から高校を中退せざるを得ない子どもが急増している。生活の困窮は更にいじめ問題や虐待問題など深刻な事件にまで影を落とす。


背景には、日本の社会保障制度が「正社員」を前提に設計されたまま、抜本的な見直しが行われていない点がある。子育て世代に当たる20代~40代の、4割近くが低所得の非正規労働者であるにもかかわらず、子どもの医療費、教育費、住宅費、食費等の負担は、正社員家庭と同じく一律に求められ、貧困に拍車をかけている現実がある。


子どもの貧困は将来、さまざまな社会問題を生み出しかねない。少子高齢化社会で「宝」とされるべき子どもたち、この国の未来がいま貧困に蝕まれている。


***


今日の深刻な雇用破壊を克服するには、企業の雇用責任を再確立することが必要であり、同時に、抜本的な雇用対策の強化がなされるべきである。生活保護基準さえ下回るような低賃金の就労を強いられ、本当は転職したいと考えている「半失業」状態の労働者を加えれば、日本にも二桁を超える「高失業時代」が到来している。したがって、失業が怖くない社会、セーフティーネットの再構築が必要であり、先ずは失業・生活困窮対策を早急に確立させるべきではないだろうか。


本年も宜しくお願い申し上げます。





宜しければクリックをお願いします。
にほんブログ村 転職キャリアブログへ
にほんブログ村