…名鉄など名古屋地区ではどうなのかを記載しておこうか。


名鉄1000系・1800系
 リニューアルから15年程度の使用が想定されており、今回の通達とちょうど一致する。詳細な設計等は公表されていないものの、置き換えはすんなり進められることだろう。もっとも汎用性が重視される時代らしく、展望席はなさそう。


名鉄3500・3700系
 早いのか時間がかかったか、9月時点で機器更新を済ませていない4両編成は5本ぐらいになった。こちらは早々に完了することだろう。2両編成の3100系は当初からIGBT素子を使用したインバーター制御のため対象外。

名鉄6000系・6500系・6800系
 6000系は中期型のリニューアルからも15年が経過。前期型のリニューアル運用線区となる蒲郡線と御嵩口は、協議を重ねたこともあり一応の存続となった。ということで、6000系は早々に退役することだろう。

 6500系や6800系の前期型は三河線等ワンマンに対応する1本と、なぜか先行してリニューアルされていた1本がある。他は窓に保護棒の取り付けられた編成が一部あり、取り付けられていない編成から退役するのかと。やはりリニューアルされた分は活かしたくある。


 後期型も6500系は7本全てリニューアルが完了しているため、そのまま捨てるのもどうかしている。機器の新規製造はないことから、前期型から取るか。あるいはいっそ、インバーター制御にまで昇華させるのか。

 一方の6800系は一部編成がワンマン対応のみで、リニューアルは一切なされていない。今回の通達によって、名鉄在籍のままではリニューアルが難しくなった。ただ地方私鉄では2両編成で使い勝手がよくなり、ある程度まとまった数を供出するならば…。ネックなのは普通鋼車体。


名鉄5000系
 今回の通達により、機器流用でステンレス車体を新製したことが厄介になってしまった。機器をインバーター制御に更新するという手はあるものの、6500系もそうだが5000系でなくなってしまう。さらに4両単位となることで、地方私鉄での再活用も難しい。


名鉄100系・200系
 地下鉄鶴舞線との直通用となる車両は一新されることが決まった。しかも今回の通達により、当初からインバーター制御で製造された1本も機器更新などなく退役しそうに…。普通鋼車体とはいえ、究極の魔改造も見たかったんだが。

 

名古屋市営地下鉄5050系
 ステンレス車体で持ちがよく、機器更新も順次施されていることから安泰だろう。後述する名城線・名港線を除き、他の地下鉄保有車両も機器更新が完了している。(形式は"系"で表記した。)

名古屋市営地下鉄2000系
 機器更新が進められてはいるものの、初期型は経年もあって置き換えが決まった。全線地下を走行して劣化が少なく、古さを全く感じさせないばかり…。それとも昇圧計画があって、全て置き換える必要になったのか?なお名古屋市から出ることもない。


近鉄の3両編成
 近鉄は新しい一般車の投入が決まり、3両編成(トイレなし)も含まれる。これまで使用された3両編成はいずれも古く、置き換えが急務であった。しかも急行運用がほぼ限定的ながら、いわゆる"L/Cカー"というのがなんとも…。JR東海はロングシート主体なのに。

近鉄の2両編成
 2両編成は話が聞こえてこない。チョッパ制御の車両も順次リニューアルされており、下手に捨てられないのだ。インバーター制御の車両はリニューアルと合わせて機器更新が行われるはずであり、今後とも活躍が期待できる。

 というより、志摩線こそクロスシートが似合うはず。ワンマン普通(トイレなし)とはいえ観光要素の強い路線であり、オールロングシートでは味気ない。もっともそれをすると、名古屋線や大阪線の急行で選択肢が減ってしまうのだが。

近鉄2610系・2800系
 今回最も影響を受けるのは急行用の4両編成かもしれない。トイレ付きとはいえ長距離運用主体にしてオールロングシートはやはり考えモノだし、何より今回の通達では"L/Cカー"含めて直に抵触する。とりあえずは車内サービスの観点でオールロングシートの古い編成から置き換えていくか。


近鉄1400系など
 こちらもトイレ付きオールロングシート1本(1407編成)はチョッパ制御でリニューアルされているのだし、下手に捨てられないのがなんともな…。制御装置の全面交換をして、1本ある新製の"L/Cカー"から座席を交換して搭載させる?

 で、新製の"L/Cカー"こと5812編成。こちらは時期も時期なので、全面リニューアルが視野に入る。座席もいっそ全交換させ、機器更新する1407編成へ捻出。急行用4ドア車両は内装が統一されるということ。

 2本ある形状の異なるトイレ付オールロングシート4両編成は、…そういうことで。


近鉄5200系
 今回の件で一気に怪しくなったのが、急行専用の3ドア車両だったりする。おそらく普通鋼の車体であり、機器更新もされていない。それかまさか…、2ドアにして特急用にしようってことあんのかい?


近鉄30000系
 近鉄は古来からの特急車両も多く残っており、中間2両が2階建てとなる『ビスタカー』はどうすべきか。今更ビスタカーとしての新車もどうなんだろうが、ビスタカーはビスタカーで"象徴"になってるんだし。


近鉄12400系など
 近鉄の"ビスタカーでない特急"は結構わかりやすい。22000系リニューアルをベースにそのまま新車へ置き換えればいい話であり、車両形式をどうすべきかというぐらいか。

 むしろ別個で述べたい"東海道新幹線全面リニューアル工事構想"で、近鉄特急も分散先として受け入れる必要があることから車両が不足すると思われる。名古屋から新大阪の工事期間中は新車と共にフル稼働させ、工事終了をもって余剰となるためそのまま退役となるか。


近鉄21000系・21020系
 アーバンライナーなんだよな…、問題は。今や"6両編成のひのとりでない特急"になりつつあり、名阪特急で活躍しつつも往年と比べてしまえばそういうものになってしまっている。

 21020系が登場した際、21000系のリニューアルが進められるも制御装置はそのまま。21020系はリニューアルと機器更新をするとして、まさかまさか21000系も2度目のリニューアルと機器更新をしたり…?


近鉄22000系・23000系
 そういえば22000系って、機器更新していないような…?リニューアルはしたのに機器更新していないとは、すればいいだろ。23000系は機器更新が進められているようだ。
(おわり)


 


 国土交通省『鉄道分野のGXに関する官民研究会』は、鉄道分野における脱炭素化の基本的考え方をまとめた。これは主要な鉄道事業者に対し"省エネの徹底"などを求めるということ。とりあえず今回の記載では概ね5~8大都市圏のJR,大手私鉄,地下鉄の電車を対象とした。では前回に続き、JRにおける対象に…。


JR四国6000系
 色々と混ぜ込んだ3両編成は2本のみの製造に留まり、現状は機器更新もされていないらしい。少数派なので強引な延命措置等を取らず、早期に退役させるかもしれない。そうすると…、結構足りないかも。


JR四国7000系
 1両で運行できるのは大きな強みになるが、何せ長距離運用があるにもかかわらずトイレを設けていない。実はモーターなし片運転台の車両があり、それを連ねた2両になること。四国ではワンマン運用の場合、原則として先頭車両のみ扱いがあるということがネックらしい。

 一応機器更新は進められており、一方では廃車された車両もある。まあ…、機器更新ついでにトイレぐらい付けようや。


JR四国8000系未更新編成
 ここでいう"未更新編成"とは2度目のリニューアルを済ませていない編成を差す。現在も鋭意2度目のリニューアルが進められており、先行して廃車された先行編成を除きリニューアルが完了する見込みとなる。よって特急電車において影響は出ないものと思われる。


JR九州103系1500番台
 九州に残る数少ない国鉄直流電車は、筑肥線で細々とワンマン運用に就いていた。この度東京臨海高速鉄道から車両を享受し、各種改造後に103系を置き換えることとなった。地下鉄には入らないことから、そこまで車体に大きな改造を施す必要がないのだろう。


JR九州415系1500番台
 関門トンネルはJR九州で唯一直流電化と交流電化に跨がっており、JR九州全体でも双方対応可能な唯一の形式となる。このため後継が待たれており、最終的にはJR東日本からE501系を享受して対処することとなった。


JR九州811系
 着実にリニューアルが進んでおり、クロスシートでインバーター制御のない編成は数を着実に減らしている。4両編成も他にないためしばらくは安泰だろう。あとは絶対的な編成数が多いため、完了させるまで時間を要していることか。


JR九州813系
 811系に続いて813系もリニューアルされることとなった。先駆けてロングシート化など行われており、それ以前には座席を一部撤去という強引にも程があることをやってのけていた。現状においてはまだリニューアルなどされていないのだが…、これ初期編成は未更新のまま退役させようってあったり?

 そもそもJR九州はロングシートの形状がおかしい。811系や813系は従来型ながら、背もたれのカーブが不自然になっている。おまけに817系2000番台以降は木製であり、凝った形状でコストがかかってそうなのに座り心地が悪いという最悪な出来。

(C)The Yomiuri Shimbun.
大統領「水戸岡!貴様はクビだ!」


JR九州783系
 JR九州は民営化当初から個性的な特急車両を多く登場させ、長らく君臨し続けていた。持ちのいいステンレス車体を有するとはいえど、そろそろきついのだろう。まさか…、今更811系みたくインバーター制御に更新するワケじゃないだろうに。


JR九州787系
 こちらに至っては普通鋼車体であり、2013年の時点で外装の劣化が目立っていた。その後はさすがに修繕もされたんだろうけど、やはり製造から35年もするんだし。後述する関連分を除いて、いい加減新車の話が出てきていいはず。

 JR九州の電車が日立製作所によるアルミ車体となり、新車が同様となれば…。そしてJR北海道の特急電車について、日立製作所が落札したならば。むしろ車両形式を共通化するのも面白そう。さすがに北海道仕様は極寒に対応させ、九州はそこまで必要がない。

JR九州787系『36ぷらす3』
 困るのが特別専用車両。今回の対象外になろうとも、機器類の確保が必要となる。やはり通常の編成を順次退役させるんだろう。


JR九州883系
 実はこちらも置き換えが噂されているらしい。インバーター制御も機器更新を施したかどうかわからず、連日の高速走行で"ガタ"は隠せない。なんなら振り子の有無で、形式だけ変える?


 JRの電車で、対象になりそうなモノの考察は以上となる。私鉄については規模が大きくなり、収拾がつかないので名古屋近辺の関係分だけにしようか。

(JR分についてはおわり)


 国土交通省が設置した『鉄道分野のGXに関する官民研究会』は2025年9月8日、鉄道分野における脱炭素化の基本的考え方をまとめた。鉄道車両の高効率化や、次世代燃料を利用した車両・設備の導入、再生可能エネルギー導入の拡大などが盛り込まれている。

 これは主要な鉄道事業者に対し"省エネの徹底"などを求めるということ。とりあえず今回の記載では概ね5~8大都市圏のJR,大手私鉄,地下鉄の電車を対象とした。おそらく今回求められる主要鉄道事業者の定義も、それで一致するのだろう。では前回に続き、JRにおける置き換え対象について…。


JR西日本221系
 民営化後に大阪近郊で大量投入され、同期のJR東海311系が全廃された2025年8月現在においても事故廃車すらない。それどころか奈良線の快速で指定席が終日導入されるという。西日本はリニューアルを重点的に行うのだから、下手に状態が悪くならないのだ。

 今回の件で新車が投入されることとなるのだろうが、当初から指定席に対応する区画が設けられるのかもしれない。もっとも東海道・山陽本線系統と異なり、最高130km/hの性能までは必要ない。

 また山口地区が今回の指標から対象外となった場合、4両編成に組み換え中編成ワンマン対応させそちらへ転用することとなりそうか。そうは言っても、製造から40年にはなるし。

JR西日本103系3500番台
 フルスペック級のリニューアルが成されたといえど、それからも早20年以上。さすがに播但線で置き換えの話が出てこないのはおかしい。

 新車となれば225系か227系となるが、2両編成単位という前提がある。後述する加古川線も合わせて共通化させ、なんなら東海道・山陽本線の快速で増結用を兼ねてもいいはず。最高130km/h運転に対応するワンマン車両、面白くね?

JR西日本103系3550番台
 こちらは加古川線が電化開業した際、既存のリニューアル車両を改造して投入されている。播但線と同じく、経年は相当だろう。置き換えは先述した播但線と共通化させていいと思う。

 それ以上に加古川線の部分廃止も取り沙汰されている。廃止が決まった場合は必要編成数も減少して、置き換え対象外の125系にも及んでくる。そんな125系は…、宇部線なんかどう?


JR西日本281系
 関西空港系統の特急もそろそろだったか。こちらはなにわ筋線と関連しており、271系の増備等でよさそう。むしろ南海『ラピート』や阪急も、外塗装や内装のみ変えて共通化させていいかもしれない。


JR西日本681系
 北陸本線系統で活躍した車両は連日の高速運転などを繰り返し、特に普通鋼車体は酷使故の劣化が相当とされる。早期の置き換えが必須といえど、現行のまま『しらさぎ』を特急として維持するには6両編成が足りていない。

 ここはやはりJR東海に一般車両を増備させ、特急だった『しらさぎ』を指定席付き快速に格下げ。一部編成をJR西日本が保有する方式にするしかない。683系も一部置き換えて、和歌山の283系を置き換えよう。(まだあきらめてなかったのか。)

JR西日本117系
 既に一般車両はなく、残っているのは『銀河』のみ。さすがに特別専用編成まではどうかと考えたが、ベース車両もベース車両で古い。後継は北陸や九州への乗り入れも見越して683系がいい。

JR西日本113系
 岡山地区は今回の対象かどうかグレーだが記載する。大阪近郊や広島地区では全て置き換えられており、残るは岡山地区のみ。やはりリニューアル後の経年があり、早期に置き換えられるのだろう。227系も投入が着実に進んでいるのだし。

 …ごめん、福知山にもまだ2両編成が残ってた。これが京都丹後鉄道との関係からか、223系に置き換わらず残っていたのだ。今更223系は持ってこれないし、対象外と思われる京都丹後鉄道に預けて存続する?


JR西日本115系
 こちらは岡山地区の他に、山口地区の2ドア車両や2両編成がある。山口地区が今回の件から対象外とされた場合、暫定的に221系をこちらへもっていくということもありそうか。実は221系には2両編成を組める車両もある。


JR西日本213系0番台
 一応(100番台の前頭部を除き)ステンレス車体であり、(JR東海と異なり)リニューアルされたこともあって車体だけならば持ちはいいのだろう。一応JR東海からも5000番台を引き入れ、各種改造を経て共通運用を組めるようにするという私案はあるのだが…。

 か…、2両編成は山口地区へ持ってくか?

JR西日本213系『ラ・マル・ド・ボァ』
 117系で述べたように、特別専用編成まで今回の対象が含まれるかまでは考慮していないように思う。こちらもJR東海から5000番台を引き入れる際、併結可能となるような改造を施したい。(余命を考慮し、JR東海5000番台の内装リニューアルまではしないこととした。)



JR西日本105系
 山口地区が対象となるか否かにかかわらず、余命は短いのが国鉄車両。227系の新規投入まではならずとも、213系の暫定的転用はありそう。


JR西日本123系
 1両編成の電車は貴重なのでなかなか廃車にできないかもしれない。もっとも加古川線が一部廃止になれば125系を持ってこれるし、何なら宇部線や小野田線は電化の廃止。さらには路線自体の廃止もあるかもしれない。

 西日本だけで結構スペースを使ってしまったため、四国と九州については次回。
(つづく)