2019年7月22日(月)午前10時45分頃 宮城県大崎市/鳴子温泉早稲田桟敷湯

(現)鳴子・早稲田桟敷湯 大人540円
 風呂場はやはり共同浴場らしく、大きな浴槽は仕切られている程度で1つだけとシンプルな構成。露天風呂は貸し切りになっており、別に1000円が必要となる。
もも「そういやアンタらのまじまじと見るの、久しぶりじゃない?」
さく「ネットカフェのシャワーだったからね、ここ3連泊全部。」

 この『早稲田桟敷湯』はその名があらわすように、早稲田大学の学生がボーリング調査実習で掘り当てた源泉を使用。現在の建物をデザインしたのもまた、早稲田大学の教授である。
めぐ「これだけのびのびできるって…。」
もも「アンタも自由よね、広いからって。」


(現)チチヤスちょっとすっきりミルクコーヒー(伊藤園) 130円
 風呂上がりは何か飲みたいもので、やはり定番はコーヒー牛乳系。不思議と最近は缶入りで飲んでいなかったりする。お味は確かにちょっとすっきり、ミルクもコーヒーもしつこくない。
さく「…はい。」
なぎ「いや、何かあるだろ。」

 一旦外へ出るように階段を上がり、2階にあるのが『桟敷』の休憩室。まさしく畳敷きの大広間で、平日昼間に人はほぼいない。雨模様となった外とは、一面が壁もなく隔てられていない。
めぐ「で…、ここからなんだけど。新庄から山形回って。」
もも「ちょ、いきなり。こんな静かなとこで。」

 鳴子温泉は13:05に発車し、新庄へ向かう。新庄からは山形新幹線の線路を走る在来線で山形まで南下、仙山線に乗り換え仙台。そして福島へ。
めぐ「これで仙台近郊もだけど、つながったでしょ。」
もも「仙台も近郊じゃないけど、最後バスまでつながったわね。」

 そう。今回は福島19:50発のバスを予約し、一気に夜行で名古屋まで帰っていくとした。仙台から福島は在来線でも可能ではあるものの、その場合に福島であまり時間的余裕はないのだ。
めぐ「…やっぱり新幹線かなって。」
もも「ま、アンタが泣きを見なきゃいいんじゃない?」
さく「福島って前、ラーメン食べたんだっけ?」


 静かな桟敷で行程確認もそこそこに、すっかり休みすぎたようだ。昼食もまだなので、ほぼ時間は残っていないこととなる。次に来ることがあれば散策したいもので、今回みたく日帰り入浴となれば3時間では足りない。そして晴れてほしいもの…。
さく「でも本当いいよね、こういう霧に覆われた温泉地って。」
もも「…アンタも変に乗っかってんじゃないわよ。」

 ということで鳴子温泉の駅周辺にめぼしい飲食モノもなく、時間もあまり残っていない。駅で持ち出した観光案内地図に記載されていた総菜屋で購入し、駅に戻ってきた。

 ここからご覧いただくのは陸羽西線(奥の細道最上川ライン)が、鳴子温泉から新庄まで通じていた当時の内容と車窓である。2025年現在は災害により寸断されており、以前から通過需要が小さかったことで存続危機にも瀕していた。復旧はすることとなったものの時期が判明できていない。


 乗るのは先ほどと同じく、最上川ライン(陸羽西線)の黄帯が入ったキハ110。先に新庄へ向かってから、ここまで折り返してきた車両だろう。よって先ほど乗った編成となる。
もも「何、期待でもしてたって?」
なぎ「何も言ってないだろ。」


 跨線橋から見えるのは、川を越した先に山が霧がかった風景。雨が降らなければ、そこまで幻想的にならなかっただろう。こちらに駅舎はなく、道路が通っているに過ぎない印象。
さく「今日本当、雨でよかったかもね。」


(現)茶流彩彩・麦茶(コカ・コーラ) 120円
 自動販売機ながら新発売の"お試し"という名目らしく、水分が尽きていたこともあり120円で購入。このブランド自体、久々に見た気がする。大昔にこのブランを冠していた『爽健美茶』が、独立ブランドとして長らく定着していることもあるのか。(※2019年当時)
もも「やめなさい、そんな昔話わかんないわよ。」

(現)とんかつ弁当(おばちゃんキッチン工房LINK) 540円
 手作り感あふれる総菜屋の弁当はカツも大きすぎず、付け合わせもシンプル(ポテトサラダ,だし巻き卵,漬物)に程よいボリューム感でまとまった。ソースの味は結構好みかも。
めぐ「…はい。」
なぎ「…またもう1回な。」


29.鳴子温泉13:05発→新庄14:09着 普通725D/新庄行き キハ110-243
 さて後部車両は"最上川展望車両"で、右側の1人席が窓へ向けられる回転式。過去にどういうわけか石巻線で乗っており、座った感じがあまりよろしくなかったことを覚えている。今回は左側のボックスシートから景色を見よう。


 出発してすぐは右側の景色が開けており、左側が山林の景色といった組み合わせ。やがてトンネルが連続する。
さく「眠くなったら寝ても…。」
めぐ「…寝たくない、景色覚えたい。」


 鳴子温泉を中心とした温泉郷は続いており、所々湯けむりも上がっている。この路線(陸羽東線)が『奥の細道湯けむりライン』と呼ばれる所以だ。
なぎ「なんか、また温泉も。」
もも「そう?結構見られて。」


 そのまま中山平温泉に停車。C58蒸気機関車の366号機が静態保存されている姿を、乗車中の車内から見ることができた。こういった"当たり"の景色は、初見でなかなか判別できないもの。


 鳴子温泉での3時間を挟んで、すっかり山間部の路線となっている陸羽東線。この区間も仙台近郊区間となっており、言われなければ信じがたいことだろう。ICカードは一部駅でしか利用できない。
めぐ「こういう山って、緑のにおい?」
さく「…そういや外って、雨やんだ?濡れてないんだけど。」
(つづく)


ずんだもん「小牛田から鳴子温泉を経て新庄へ結ぶ陸羽東線は、温泉地が多いことから『奥の細道湯けむりライン』と称されるのだ。今は鳴子温泉から新庄まで通じていないけど、通ってた頃の思い出として焼き付けてほしいのだ。」
 

 

2019年7月22日(月)午前8時58分 宮城県遠田郡美里町/小牛田駅


28.小牛田9:07発→鳴子温泉10:04着 普通4725D/新庄行き キハ110-241
 回送されるように入ったのは、単行車をつないだ2両。陸羽西線(奥の細道最上川ライン)向けとされ、窓の下は黄色く塗られている。JR以後の気動車にして、車内に入れば思いのほか床が歪んでいる。
もも「…何、さっきのがよかったって?」
さく「さっきのがアレだけど、石巻で来るよりいいでしょ。」


 余裕でボックスシートにありついた後、そこそこ埋まる程度で発車。しばらくは水田地帯が続いているが、写真写りの良しあしがどうもしっくりこない。
なぎ「それ…、設定いいのか?」
めぐ「あんまり動かして変にしたくないの。」


 古川が近づくと家々が多くなる。やはり新幹線の駅があるからには、それなりの需要なりあったりとか…。
さく「ここだったら、座れるかは別として。」
めぐ「座りたいよ。」
もも「アンタまたそういう。」


 在来線ホームは1面2線の島式となっており、新幹線の接続を有しつつシンプルにまとまっている古川。周囲にそこまで店々は多くなさそうだ。
なぎ「お前は何に期待してんだよ?」
めぐ「まあ、…仙台と比べちゃダメだけど。」


 古川で乗客が少し入れ替わって発車。しばらくしてまた建物が少なくなった沿線。上をまたぐ高速道路は東北自動車道でいいだろうか?
もも「言わないったでしょ、こういう。」
さく「多分東北でいいんじゃない?」


 東大崎を過ぎても景色は田畑の広がるもの。ただ次第に山へと分け入るようで、次第に雰囲気は変わってきているらしい。


 有備館付近になって、ようやく山らしい景色となってきた陸羽東線(奥の細道湯けむりライン)。相変わらずの雨模様なためか、肝心の写真はうまくならないようだ。
さく「ってか、カーテンなくない?」
めぐ「あ…、ないね。」


 池月はかつて2面3線式だったであろう痕跡が見られる。調べたところ当時は貨物用だったようで、旅客用途としては現在と同じく1面2線式でまとまっていたらしい。
もも「今あんなのいらないぐらいでしょ。」
なぎ「完全に畑にもしちゃってるだろうから、もう無理だろ。」


 国道47号と並走する奥の細道湯けむりライン(陸羽東線)。川渡温泉など"温泉"が駅名に入り、いよいよ温泉郷へ進んでいく。
もも「一応いうけど…、鳴子温泉から変えるってない?」
めぐ「鳴子温泉で変えないよ?」


 鳴子御殿湯の次が鳴子温泉となるように、それらしい雰囲気も出てきた。山にかかる霧が何とも言えず美しい。
さく「…温泉の湯けむりじゃないんだよね?」
なぎ「温泉のじゃないだろ、山の中いっぱいじゃ。」


 小牛田から乗ること57分で鳴子温泉に到着。かつて陸羽東線で快速『湯けむり』が運行されており、この普通は名残を残すかのように数少ない定期直通列車となっている。
もも「なのに降りるってらしくない。」
めぐ「だって温泉…、入りたいじゃん?」

 路線中の主要駅とあって、2面3線式という立派な造りをなしている。ここで3時間、温泉と共に何ができるか…。


 改札を出たところ。何やら円形競技場のスタンドのように段差があり、敷かれた座布団が座席になっている交流スペースとなる。ひとまずは少々の休憩だ。
さく「本当これ、3日連続で。」
めぐ「ごめん、トイレ。」


 時間を多く確保したため、トイレに入るのも余裕たっぷり。休憩を経て外へ出れば、温泉の駅らしく足湯が設けられていた。他、温泉郷となる周辺の図が路線と共に表記されている。
もも「…何、変な画とか期待してんの?」
なぎ「…画になるのって誰だ?」


 もちろん全景像を収めるのを忘れてはならない。2階建ての駅舎はそこそこ大きく、地域交流施設や観光案内所を併設しているもの。
さく「じゃあ、行こうか。」
めぐ「温泉待ってるからね、温泉。」


 温泉街を回らずして、鳴子温泉へ来た意味はない。所々湯けむりが上がっているのもまた、ムードを盛り立てる。
もも「今日って月曜よね?人もそんないない。」
さく「静かに回れるし、いいでしょ。」


 商店街も見て歩きたい。駅にあった温泉の観光案内地図を持ち出しており、目を通したところでは飲食店があまりなさそう。
なぎ「温泉待ってるんじゃなくって?」
めぐ「入って出て、昼も考えたいのよ。時間ここしかなさそうだし。」


 路地のように狭い階段が、ひっそりと佇んでいる。ここを上がれば早稲田桟敷湯にたどり着く。
さく「これはわかんないよ。」
もも「結構急よね…。滑って転ばないことを。」


 今回来るにあたって、あらかじめ目を通していた日帰り入浴。この早稲田桟敷湯は"共同浴場"らしからぬ、モダンな外装を有している。ただ建物が完成して年月が経過しており、少々傷みも目立っていた。
めぐ「…どこから入ったらいい?」
さく「あれ、入れるんじゃなくって?」

 2階部分から階段を降りて入口となる。シャンプーは備え付けがなく、ドライヤーも100円のレンタル式。ネットカフェで購入していた5点セット、タオル,ボディスポンジ,シャンプー類はこのためだったのだ。歯ブラシは持参していたので、セット内のモノは持ち帰ろう。
もも「本当、そういうのは計算してんだもん。」
めぐ「まあ…、なかったら困るし。」
(つづく)

 

 鳴子温泉について、最新の営業状況等については各自お調べいただければと…。

 


ずんだもん「お待たせしましたのだ。今回は新時代最初の夏休み、7月19日午後から23日朝にかけての東北旅行。目的はプロ野球本拠地で最後に残った楽天生命パーク宮城、現在の名前は楽天モバイルパーク宮城なのだ。」

 

 

 加えて仙台地区の鉄道未乗車路線(左沢線,利府支線,仙台市地下鉄ほか)を制していった。5日中、初日と最終日は移動のみとなる。実質の最終日は何をするのやら…?
ずんだもん「では時間を2019年7月22日、仙台のネットカフェで迎えた朝に戻すのだ。では、始めるのだ!」

 

2019年7月22日(月)午前7時30分頃 仙台市青葉区一番町

(A)フルフラット席・9時間パック(快活CLUB仙台一番町店) 2484円
 3夜連続ともなれば合計でそれなりの金額を利用したこととなり、一気に翌月のゴールド会員(ポイント3倍)へ昇格したらしい。問題は翌月の中長期旅行予定がなく、恩恵をほぼ受けられずに終わること。

(A)シャワーセット(快活CLUB) 540円
 さて"4日目"の目的地で必要なものもあった。Walletが使用可能な上200円単位でauのポイント付与となれば、こちらにも用いたくなるもの。大量ポイントを生かせるかは別問題として…。
もも「鳴子温泉のよね?」
さく「ちょ、先言っちゃダメだって。」


 今回の仙台遠征における、仙台市で迎える最後の朝。この日もやはり雨模様となった。
もも「…これがアンタの言うジンクスって?」
さく「いいじゃん、雨っぽくても2試合見れたんだし。」

 もうネットカフェへは戻らないのだから、大きい荷物は持ったまま地下鉄へ。


26.勾当台公園7:39発→仙台7:42着 富沢行き ※仙台市1000N系
 この地下鉄車両もこれで最後。乗車位置が悪く、平日朝の混雑した中では車両番号を記載する余裕もない。
もも「いいけど、時間大丈夫?」
めぐ「ちょっと遅いけど、1本遅くなってもいいぐらいだし。」
なぎ「いや、ダメだろ。7時過ぎって、7時半過ぎてる。」


(S)仙台市地下鉄運賃:勾当台公園→仙台 200円
 地下鉄の仙台駅から地上へ出て、JR仙台駅に向かう。元々7:47発で組んでいたものの、1本遅らせても大丈夫な程度に時間的余裕を持たせている。
さく「いや、そうじゃなくって。」
めぐ「仙台で次のにしても、小牛田から乗るのが…。」

 とりあえずJRが主体となる以上、この日は『青春18きっぷ』を使用する。


(S)い・ろ・は・す(コカ・コーラ) 110円
 ここから小牛田へ向かうには6両で入ってきた前方2両、701系ワンマン車両に乗ることとなる。後方4両、E721系1000番台は常磐線へ折り返していく。とりあえず座席を確保して、必要な水分を仕入れよう。

27.仙台8:01発→小牛田8:47着 普通525M/一ノ関行き クハ700-1023
 運用が決められているワンマン車両とはいえ、長距離運用でオールロングシートとはいきなり気分も削がれてしまう。
もも「本当、そういうのを。」
めぐ「これも案外、座りとかは悪くないんだよ?」
さく「じゃあ、景色?」
なぎ「ああ、前って夜とかだった。」

 岩切までは利府へ向かった際と同じルートであり、景色もあまり代り映えしない。
めぐ「…トイレ入りたいんだけど。」
さく「あ…、じゃあいいよ。」


 トイレから出ると、この701系は陸前山王に差し掛かっている。
なぎ「全然晴れないもんな。」
もも「一応だけど…、傘。」
めぐ「あるよ?」


 国府多賀城に停車。2001年に開業した比較的新しい駅で、多賀城市の請願により設置されたという。
もも「…いや、もうちょっといいタイミングあったでしょうに。」


 塩釜で下車する客が結構多い。左側から右側の景色は写真にできないものだが、座った正面に海が見られるのはいいもの。
さく「そういや仙石東北ラインって、乗ったの明け方だったっけ?」
なぎ「あ、そういやちょっと明るくなりかかった。」


 品井沼から鹿島台にかけて、見られるのは水田地帯の風景。過去に通った区間ながら景色を見ていないため、小睡眠のタイミングが図れない。
めぐ「…なんだよね。今日今から、小牛田まで乗るんだけど。そこから一ノ関,花巻,盛岡って。」
さく「確かにないね、下だと。新幹線はあるのに。」


 乗ること46分で小牛田へ。ここで今回乗り換える陸羽東線は、同じホームで隣から発車する。701系2両の普通は、ここからワンマン運転で一ノ関へ向かう。
さく「案外余裕あったし。」
もも「ここから鳴子温泉って、時間いつよ?」

 乗るのは9:07発であるため、仙台を出たのが8:01発でも時間的余裕はあったということ。さらに実際は回送を先に出さなくてはならないため、ホームでさらに待つこととなる。
もも「ってか、最初そのままだったらまた時間ばっかり余らせて。」
さく「ふふ、大成功。」
なぎ「お前は何もやってない。」
(つづく)

ずんだもん「ということで7月19日から23日にかけての東北旅行。実質の最終日は"南東北湯けむり紀行"と題して、小牛田から鳴子温泉へ向かいますのだ。天候は生憎模様ながら、また景色も違って見えるはずなのだ。前夜までの疲れも溜まってますから、鳴子温泉でゆっくり休めておけばいいのだ。」