新時代最初の夏休み、7月19日午後から23日朝にかけての東北旅行。いよいよ仙台から名古屋への大移動が始まる…!?
 

2019年7月22日(月)午後4時40分 仙台市青葉区/仙台駅


32.仙台17:43発→福島18:09着 新幹線やまびこ154号/東京行き E225-1411
 この『やまびこ』は福島で『つばさ』を連結するため、現状ではE2の固定運用。うち0番台は全廃しており、いるのは1000番台だと必ず決まる。自由席はまずまずな埋まり方をしているようだ。
さく「じゃ、適当に福島で。」


(現)ずんだ餅ぷち(ずんだ茶寮) 345円
 文字のとおり、餅は白玉団子程度の大きさでカップ入り。ずんだもカップに敷き詰められ、独特の食感と甘い味は健在。このサイズが持ち運びにちょうどいい。

 復路の『やまびこ』も仙台始発ながら、往路とは系統の異なるもの。往路で唯一通過した白石蔵王は2面3線と通過線で、こちらが島式ホームとなる。写真は2016年乗車時のモノを使えばよさそうだ。


 福島では連結を伴うため、平面交差を繰り返して最も右の線路へ進む。ここで仙台(,盛岡,新青森,新函館北斗)方向の"本線"が塞がれてしまい、ダイヤ作成上のネックになっているのだ。
もも「本当、アンタら落ち着きないんだもん。いつまでたっても。」
さく「時間たつのって、こっちが思う以上にさ。」


 仙台から落ち着くことなく26分で到着。2面4線と通過線を合わせて広大な構内を持つ福島だが、山形新幹線に限っていえば14番線しか入れず実質単線だ。カラーLEDの発車案内は他にない独特なものらしい。ということで、ここで見るものは決まっている。


 少々した後、山形方向からE3が口を開けて入って来た。ここに連結器が格納されており、一旦停止を繰り返して接近。
もも「飽きないわよね、コレ。」
めぐ「そりゃ、見れるときに見れるんなら。見たいじゃん?」


 連結すると17両になって、客扱いを経て発車。3年半前はここから東京へ向かい、郡山,宇都宮,大宮,上野と停車していった。3年半後の今回は、同じく郡山,宇都宮,大宮,上野と停車していく便を見送るだけ。


 この不都合がようやく改善されることとなった。2021年から着工し、完成するのは2026年とされる。完成後は方向ごとにホームが分けられ、東京行きの連結は11番線で行われることとなる。


 そのまま今回の仙台旅行における、実質的な鉄道乗車を終えた。考えれば2020年のオリンピックまでは当初予定のこの時点でもう1年、パラリンピックは同じくちょうど残り400日。この福島でも野球とソフトボールが行われたが…。(※2019年当時~2021年以降追記。)
さく「本当、あっという間だもん。この間だっけ?」
なぎ「九州から帰ってきたとき、東京決まったんだっけな。」

 既報のとおり東京オリンピックは2021年へ延期。以降も無観客開催を余儀なくされるなど、当初見込みとは大きく異なる形となった。


 ともあれ夕食時間を確保することに成功した旅行班。夕食は2年半前と同じ、JR東日本系列のラーメン店にしようか。当時は"福島らしいもの"だからと、エスパル福島店限定の『福島味噌らーめん』選んでいる。
めぐ「ここって何が名物だっけ?」
もも「いや、さ?店の者じゃないのに聞かないでくれる?」


(現)味玉らーめん・Cセット(らーめん粋家) 1030円
 今回はあくまでシンプルかつそれなりに期待し、レギュラーメニューから選択。野菜系のあっさり醤油味が、冷房の効いた店内でも優しくて何より…。
めぐ「いつも結構濃いほう選んじゃうんだけど、いいよね。」
もも「アンタも野菜、今日だけじゃなくてもっと。」

 Cセットにすると、前回にも頂いた『まかないチャーシュー丼』が20円引き。タレのしっかり効いたもので、そのまま食べてもよし。あっさりしたラーメンのスープと合わせるもよし。添え物として最優秀なご飯ものだ。
なぎ「本当、新幹線で時間とって正解。」
めぐ「まあ、バスは時間厳守だからね。」


 ということで、福島の味噌ラーメンとまかないチャーシュー丼セットをごちそうさま。この『らーめん粋家』は2020年頃までに残った仙台店共々閉業したようで、現在はいただくことができなくなってしまっている。

 今回は夜行路線バスで、一気に東京都内も飛ばして名古屋へ帰還する手段を確保。しかしながら手持ちの飲料なくして、バスへは乗り込めないだろう。確か、ドラッグストアがあったかと…。
もも「本当、いつものように時間だけ余らして…。」
さく「いや、もう何もしたくないし。バス来たらもう早いよ。」

(現)グリーンDAKARA(サントリー) 98円
 駅ビル施設内のドラッグストアで飲料も確保し、バス乗り場で待つとしよう。湿度が高い福島の夜、雨は降っているか。
もも「ってかさ…、なんで最後バスにしようったのよ?」
めぐ「まあ…、乗りたくなったっていうか。東北道1回通ったし。」


 今回福島から深夜のバス移動を選んだ理由として、2017年1月にバス2本を乗り継いだ実績がある。さすがに首都高速を介する必要はないだろうから、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)へ回っていくことだろう。見るべき景色も、そこまで多くないということだ。
もも「本当?後でどうなっても。」
なぎ「責める気満々だ…。」


(現)バス乗車券:夜行名古屋~宇都宮・福島線(福島交通) 10000円
 来たのは少々古めかしい車両。乗車時点でカーテンが閉められており、夜間である以前に景色が見られないようにしていた。車内はいわゆる"3列スタンダードシート"で、リクライニングは結構深く倒れるもの。


 長期戦を見越し飲料を確保して乗車するところ、乗務員から紙パック入り緑茶が渡される。この時点で残している水と合わせて、結構な"残量"を有している。開放休憩箇所は赤塚パーキング(愛知県)までなく、東名高速ルートであることも確定。
なぎ「これだけありゃいいだろ。」
さく「…後から何かフラグなっちゃったりして。」


 かくしてこの旅最後にして、最大の移動距離となるバス移動が始まった…!
(つづく)
 

 

2019年7月22日(月)午後3時5分 山形県天童市


30.新庄14:18発→山形15:32着 普通1440M/山形行き クモハ701-5504
 乱川の周囲に広がるさくらんぼ畑。さくらんぼは他の果物と比べて個体が小さく、あまり手が出なかったもの。旬は品種にもよるが、5月から7月とされる。 もっとも食べたらおいしいため、添え物だけで終わらせるわけにいかない。
さく「…何かない?」
なぎ「まだ何か言えって?」


 新幹線特急が停車する天童は、主要駅らしく2面3線式のホーム構成。後から標準軌になった新庄~山形は停車駅が統一されている。次に新幹線特急が停車するのは山形だ。


 天童南は片面ホームだけの無人駅ながら多く乗ってきた。近くにイオンモールがあるためだろう。
さく「そりゃ、イオン強いもん。」
もも「アンタらも行きたいって…?」


 南出羽の駅前にはやたら大きな建物がそびえ立っている。デザインもどこかオシャレであったが、調べたところ県立中央病院だったという。
さく「…調べ。」
なぎ「わかったわかった、後でじっくりな。」


 羽前千歳で狭軌の仙山線が合流し、以後は山形まで単線が並列する区間となる。景色は2日前にも取り上げたので、そのまま流していいだろう…。
なぎ「いいのかそれで…。」
もも「…いいんじゃない?」

 北山形は3路線全てに相対式ホームを有している形。今回の行程では唯一、標準軌の線路を通っている。


 新庄から74分乗って山形に到着。乗車方向を無視すれば、福島から新庄の標準軌区間をこれで制したこととなる。ここも新幹線特急は在来線普通とホームが分けられ、中間改札によって隔てられている。米沢行きの普通は16:31発まで運行されない。
めぐ「ま、一応ここからは消化試合。」
なぎ「いやいや、まだあるってんだろ。最後まで。」


 山形は一昨年の1月に降り立っており、深く取り上げることもない。ただせっかく時間もある以上、改札を出ておくのが礼儀だろう。とりあえずトイレには入っておきたい。
さく「これ改札出たからさ、一筆書きじゃない。」
もも「鳴子温泉は?降りて出たわよね?」

(S)フロムアクア(JR東日本ウォータービジネス) 108円
 駅にて何か欲しくなるところではあったもの。ただ最近は細かな出費が、頻度共々増えているとも思う。駅の画は以前に収めたはずなので、今回は水だけでお暇しよう…。

31.山形15:59発→仙台17:13着 快速3840M/仙台行き クモハE721-26
 快速は2両のE721系0番台を2本繋いだ4両で、停車駅を除いては前々日と変わらない。座ったら寝られるだけ寝ておこう。
さく「じゃあ後でー…。」
なぎ「また逃げたな。」

 北山形は3路線全てに相対式ホームを有している形。仙山線に関しては、今回の行程で3回中2回が山形発となる。今回は快速に乗ったため、羽前千歳で山形新幹線(奥羽本線)と離れてからは山寺,作並,愛子と停車していく。


 旅行開始から72時間が経過し、ここまでの疲れもあって寝ていたらしい。目覚めて気づけば、宮城県は仙台市へ入って作並に停車。持ちこたえていた山形県内から一変し、仙台市内は雨模様らしい。


 仙台市内といえど、市街地まではまだ遠い。霧のかかった山々を見つつ、今日はそのまま進むだけ。
もも「…今どれぐらい?」
めぐ「…まだ結構あるかな?」


 この快速は愛子から各駅に停車し、乗ってくる流れにある。東北自動車道のうち仙台市内と周辺ではカーブが多く、最高速度が80km/hとされている。それを上から跨ぐ仙山線も、県境の山々をトンネルで越えてきた。
もも「道路は動画あるんじゃなかった…?」
めぐ「一応、あるにはあるんだけど。」


 前々日は北仙台から山形へ向かい、復路は左側に座っている。ここからは2日目に見られなかったであろう、右側の景色を見ていきたい。
なぎ「もうここまで来た…?」
さく「あ、よかった。寝過ごさなくて。」


 そうは言っても、都市部に程近い郊外の住宅地。東北本線を跨ぐまで、特筆すべきものもない。


 74分で仙台に到着。実のところここから福島へ向かう場合、在来線では18:05発まで空くこととなる。加えて福島では、逆に22分しか確保できない。
さく「バス乗れないんじゃダメだよ、せっかくってのに。夜だって…。」
めぐ「まあ正直、そっちが大きいかなって。」
もも「何、下行こうってしてたの?」

(現)JR乗車券:仙台→福島(JR東日本) 1320円
(現)JR新幹線自由席特急券:仙台→福島(JR東日本) 1840円

 結論として2019年夏シーズンの青春18きっぷ旅行は、これにて幕を閉じることとなった。自由席にして合計3160円の追加出費だが、夕食込みで安定した乗り継ぎならば致し方ない。
めぐ「で…、もう1つあるの。」


(現)ずんだシェイク(ずんだ茶寮) 290円
 時間があるならば頂きたかったものもあった。それこそ『ずんだ』であり、ずんだ茶寮のシェイクである。バニラシェイクにすりつぶされた"ずんだ"が、独特の食感と味わいを生む。東京駅八重洲口の大丸は、もう4年も前になるのか…。
さく「あれ、もうそんなになる?」
もも「本当、進歩もしないであっという間だったわよ。」


 そして新幹線に乗り込む前、もう1つ買っている。そちらは車中で頂きたい。
なぎ「本当、押し付けるだけ押し付けて…。」
(杜の都仙台、野球の遊園地へようこそ!? つづく)


ずんだもん「そうなのだ、今回呼ばれたのはずんだシェイクだからなのだ。ということで2019年7月の東北旅行も、残すは福島から名古屋のバス移動のみとなったのだ。しかしまだ仙台にいるので、福島へ向かわなくてはならないのだ。夕食も決めなくてはならないのだ…!」
 

 ここからご覧いただくのは陸羽西線(奥の細道最上川ライン)が、鳴子温泉から新庄まで通じていた当時の内容と車窓である。2025年現在は災害により寸断されており、以前から通過需要が小さかったことで存続危機にも瀕していた。復旧はすることとなったものの時期が判明できていない。
 

2019年7月22日(月)午後1時17分 山形県最上郡最上町/堺田駅


29.鳴子温泉13:05発→新庄14:09着 普通725D/新庄行き キハ110-243
 堺田は相対式ホームの痕跡が残っている。この付近が県境になり、分水嶺でもある。山形県は日本海側となるため、川の流れも日本海…。
もも「アンタ無理しないで休んだら?」


 左側がまた開けてきた。雨は降っておらず、遠くの空が明るい。天気も太平洋側から逆転してきたのだろうか。


 橋を渡って最上に停車。反対側に入ってきたのはキハ110系列でも、標準的なカラーリングを纏っている車両。そちらは同じ小牛田に所属する編成でも、石巻線で運用されるイメージが強くこちらでは新鮮に映る。
もも「あ、そう?逆があるならいいじゃん。」


 鳴子温泉から乗り進めていくうち、山から結構下ってきたのだろう。雲は相変わらず厚く、山々を覆っている。


 鵜杉の近くは山々が近くに見られる。晴れていればまた、違った風景になるに違いない。
もも「じゃあ、次来た時ってんでしょ。」
めぐ「…そういうわけにもいかないのよ。結構ここまで遠かったじゃん?」


 川沿い道と共に進んでいく陸羽東線。路面は乾いており、やはり雨は降っていないとわかる。この道はどこからどこを結ぶのか。国道47号が、確か並行していたはずだ。
もも「で、また何。原付がどうとかって?」
めぐ「ここまで来ちゃうとね…。」


 瀬見温泉まで来たところ。入浴後であったため眠気も誘い、ここまでの行程において寝る時間もあまりなかったものだ。路線愛称たる"湯けむり"は、まだまだ途切れそうにない。


 南新庄を出ると、電化された線路が並走してくる。さあ、もうすぐ新庄だ。電車に乗り換え山形まで南下するところ、スピード感も変わってくることだろう。それこそ新幹線開業前の北陸本線が、妙に速く感じた当時の…。
なぎ「北陸がどうかしたか?」
もも「あ、起きてた。」


 64分で新庄に到着。奥羽本線の途切れた部分を通路としており、ホーム位置が少々離れても段差なく乗り換えられる構造だ。
さく「階段使わなくていいもん。楽だよ。」
もも「はいはい、わかったわかった。時間は?」


 秋田方向と陸羽東線、陸羽西線は狭軌となっている。調べればその昔、両路線を介する寝台列車がいたらしい。ここまで乗ってきたキハ110は折り返さず、陸羽西線で酒田に向かうようだ。また陸羽西線は2022年5月以降、沿線で工事のため運休。2026年1月に再開する予定となった。
もも「何、あっち行きかかったの?」
めぐ「いや、別に今日じゃなくていいんだけど。」


 対する山形、福島方向は標準軌。新幹線特急と普通では発着ホームが分けられ、前者は中間改札も設けられている。
さく「本当、よくできてるよ。ぶった切ったところそのまま歩くって。」


30.新庄14:18発→山形15:32着 普通1440M/山形行き クモハ701-5504
 乗り込む普通はオールロングシートの701系にして、ライトの位置やドアステップがないことなど専用設計になる5500番台。実態としては秋田新幹線(田沢湖線)向けの5000番台に準じており、ボックスシートは搭載されなかったことが相違点となろう。


 発車してしばらくは先程の非電化単線と並走。こうして見れば標準軌と狭軌、それぞれ幅が異なっているとわかる。
さく「それこそ秋田の。」
もも「そういやあったわね、新幹線の。」


 上を高規格道路が跨いでいる。後から調べれば国道47号バイパスであり、自動車専用だったそう。
さく「調べてよ。」
もも「たまにはさ…。」


 南新庄は電化された標準軌のこちらにホームがなく、非電化狭軌の陸羽東線がそのまま単線で離れていく。しばらくして奥羽本線は複線になった。


 カーブはそれなりに多いものの、先程が最高速度の低い非電化路線であったもの。軽量車体を持つ電車で最高速度も高く、余計に速く感じられる。
なぎ「ああ、だからさっき北陸って?」
めぐ「そうそう。さっきまであんま速くなくて、こっち速いじゃん。」


 そのまま単線になっており、北大石田は片面にしかホームがない。無人駅でも待合所のデザインが凝ったものとなれば、降りずとも印象に残るだろう。
めぐ「…降りないけど?」
もも「…別に何も言ってないけど?」


 新幹線特急の停車する大石田は、相対式ホームを持つ一線スルー構造の駅。待避しない列車が、駅舎に近いほうへ進んでいく。


 袖崎の付近、工事中の東北中央自動車道が見られるのはそう長くないはず。
もも「結局道路か、どっち好きよ?」
めぐ「まあ、道路は動画もあるし。」
なぎ「動画ってな…。」

 東北中央自動車道は2019年12月に相馬ジャンクションから相馬山上、2020年8月には伊達桑折から桑折ジャンクションが開通。2021年4月の霊山から伊達桑折が開通したことによって、常磐自動車道と東北自動車道が結ばれることとなった。

 山形県でも2021年12月に村山本飯田から大石田村山、2022年10月は東根北から村山本飯田が開通。11月には新庄鮭川から新庄真室川が開通しており、2025年現在は相馬から新庄真室川まで東北自動車道を挟んで直通している。


 村山は新幹線特急が停車するため、2面3線式ホームと橋上駅舎を持つなど立派な造り。ここでそこそこな数の客が乗車してきた。


 東根は新幹線特急が通過し、ホーム1本だけの無人駅に収まっている。市名を単独で冠する駅だけあって、調べれば在来線時代に特急も一部停車していたそうで…。
さく「…はい。」
なぎ「いや、こっち振るなよ。」


 さくらんぼ東根は新幹線特急が停車し、相対式ホームと橋上駅舎を持つ。ここでは反対方向からの列車を待つため、しばらく停車。
もも「気分転換ね、またいつもの大事な。」


 乗客も入れ替わり、新幹線車両が入ると発車となる。山形から天童に停車してきた新幹線特急は、村山,大石田,新庄の順に停車していく。
(つづく)