特急用ハイブリッド車両が高山本線で事故に遭遇し、臨時便に使用する編成が不足することとなった。折しも秋の高山祭があり、鉄道での輸送力を確保しなければならない。そこで10月9日、臨時『ひだ』の時刻で臨時快速を運行することになったのだが…。
用いられたのがキハ75ということ。本来は2エンジンを搭載することから高山本線北部(美濃太田~猪谷)で使われるべきところ、ホームが改良されず車両と段差が生じるため下呂以北で使われることがなかったのだ。おそらく美濃太田ではその分だけ車両に余裕があったのだろう。(ただし今回は4両中2両。)

これこそ本来実現させたかった"姿"かもしれない。勾配の多い非電化単線にして、線形も良好な高山本線は特急にキハ85を使用して高速化。キハ75も快速でなくとも一般車として、肩を並べられるような活躍を期待されたはずだ。下呂以北の特急通過駅でホーム改良を怠ったばかり、それを…。
事故で特急車両が不足したのが要因となり、1日限定とはいえ完全な形でキハ75の役目を高山本線で果たすことができたのだ。勾配もなく閑職に追いやられていた感が強く転入から10年目、ハイブリッド車両へ置き換えられる前にようやく本来の活躍を果たしたのだ。
なお完全なお初ではなく、過去に美濃太田から高山でイベントがあったため1日限定で快速に用いられている。よって厳密には1年ぶり2回目となる。

まあ、特急として運行したくばHC85を最低でも12両追加すべき。グリーン車月4両編成1本とグリーン車なし4両編成1本、2両編成2本だ。さて、10月14日は何の日?
(おわり)


