と言う事でボクの馬鹿よさんとのファーストコンタクトはトンチンカンな勘違いから始まりました。主催ライブに出演していただいてからはライブで会えば話をしたりライブ後にはツッコミの新道さん限定ですが食事に行く仲になりました。
そうして二人の事を知っていくと、このコンビやはりネタの雰囲気通り何だかおかしいのです…
何がおかしいか?まず決定的にこのコンビのおかしなところ、それはこのコンビお互いがお互いの事を何にも知らないのです・・
どこに住んでいるとか過去に何をしていたとか素性をお互いに知らないのです・・
仲が悪いとかではないのです。仲が悪くて全然話さないコンビはいっぱいいて珍しくありません、あくまでそれは仲が良い時期があっての仲が悪いなのです。
仲が悪くなるには仲が悪くなる過程が普通ございますよね?出会って、色々話して相手を知ったり意見を言い合ったり意見が合わなかったり、相手を理解できなかったりしたりして仲が悪くなったりしますよね?
「馬鹿よ貴方は」は違います・・何というか二人の場合コンビを組もうとなってから一度もお互いの事を何にも話していないのです・・
だからもう仲が悪くなりようがないのです!良いとか悪いとかそういう次元ではないのです!
この関係性考えられます??当時コンビ歴4年とかですよ!4年一緒にいるんですよ
ていうかお笑いのコンビですよ!?お互いの事を理解していなければ務まらない職業のはずです。
フリートークにしたってお互いを知っていて初めてその人にイラだったりとかその人を面白がれ会話は弾む訳ですし、その人を知っているから会話のギャップにツッコめたりするわけですので、相手を知れば知るほどトークは楽になるそのために知ろうとするが自然の流れのはず・・。
ネタだってそうです。ネタ造りにも相手の情報は絶対に必要なはずです。その人の人間性やバックボーンがボケや設定にうまく乗っかった時に面白いネタが出来るってのが定説のはずです。
いかにお互いネタの事以外しゃべっていないのか分かる出来事があります。
ある日のライブ、その日は馬鹿よさんと同じライブだったのですが楽屋にいると
ファラオさん(ジョンレノン似の方)が隅の方で“じっ”と座っています・・もうライブ開演までそれほど時間はありません。このくらいの時間にはいつも馬鹿よさんはネタの練習を二人でしているはずですので、めずらしいなーと思い声を掛けました。
「ファラオさん、ネタ練習してないの珍しいですね?」
「・・相方が来ないんです・・」
「えー新道さん遅刻ですか?」
「・・さあ・・」
「え・・電話はしたんですか?」
「・・・」
「あ、こういう事よくあるんですか?」
「・・遅刻は良くあるけどこんなに来ない事は珍しい・・」
「電話したんですか?」
「・・・」
「ライブがある事忘れてしまっているのかもしれませんよ?」
「はい・・・」
「電話をし」
「メールをしました。」
「え・・いや電話した方が・・」
「・・・」
もうたまらずにボクが新道さんに電話をしました!!
ボクの推測ですが多分電話しても何てしゃべっていいか分からないから電話出来なかったのだと思うのです。
じゃあネタ合わせはどうしているのか?
一般的な若手芸人のネタ合わせの流れから言うと、喫茶店とかでミーティングやネタの練り直しなどしたりして、公園やカラオケボックスなどで声を出してネタ合わせ、そして本番の日にのぞむみたいな感じが一般的です。この喫茶店のミーティングの時とかに普通なら少しは無駄話とかがあって、そこでコミュニケーションをとるはずなのですが
『馬鹿よ貴方は』は全部ライブの日会場でやってしまうらしいのです・・
本番のライブ会場に入って空き時間にネタの練り直しから次のライブはこのネタやろうなどの話し合いから、さらには次のライブにやるネタ練習もやっちゃうらしいのです。
だから無駄なコミュニケーション何てとっている暇が無いとか何とか、今まで一度もライブ以外で会ったことが無いらしいです・・確かに凄く合理的です。合理的だけど合理的すぎて異常なんです・・。
『馬鹿よ貴方は』は単独ライブが近づくと何故か出演予定の無いライブに姿を現すと言う都市伝説があるのですが、これは本当で単独ライブ前は流石に新ネタいっぱいやるし練習をしなくてはならないって事でライブ会場に現れネタ練習だけして帰っていくらしいですライブ会場の周りは芸人が練習をしているので練習をしていても目立たないからいいらしいです。単独前でも二人で会う事は無いと言う事で、もう会わない事を徹底しているのです!
おかしいです・・おかしな二人です・・いや、しかし実はこのコンビ主導権を握っているのはツッコミの新道さんなのです。ネタを書いているのも新道さんでファラオさんはボケの事をこうやってここはボケたいとかを言うくらいらしいのです。そもそもファラオさんは自分の主張をそこまで出さない人、そうです・・この『馬鹿よ貴方は』と言うコンビ、見た目などもありボケのファラオさんが変人と思われがちボクも最初そう思っていましたが実の事を言うとツッコミの新道さん『新道辰巳』この方の方が相当変わっているのです・・
「馬鹿よ貴方は」はボクも初めはそう思っていたのですが、ネタや芸風からボケの「平井ファラオ光」さんの方が変人だとかおかしな人なんじゃないかと思われがちなのですが、これが実はまったく逆です。
ネタ中はニヤニヤ淡々とツッコみを入れ、完璧に自分を消している「新道辰巳」さん、彼こそが「馬鹿よ貴方は」の変な方なのです。
何というか新道さんには何か変なこだわりがいっぱいあります。
たとえば名前、「新道辰巳」この何の変哲のない名前、まずコレ芸名です。
本当は「濱島英治郎」と言うぜんぜん違う名前です。インパクトある名前に変えるとかではなく、本名っぽい芸名にするとはどう言う事なのでしょうか、俳優じゃあるまいし‥。
名前を変えた理由を聞くと、新道辰巳と言う響きががカッコいいからだそうです‥。
事務所に言われたとかでもなく、ある日突然“カッコイイ名前だなー”と思って、ある日から勝手に自分をそう名乗るようになったと言う事です。変です‥。
漫才師と言えば衣装が大事です。スーツをコンビで合わせ着る人もいますしあえて私服っぽいのでやる人もいますが、いずれにせよ皆、人に見られることを意識したしっかりした衣装と言う事は共通しています。お笑いの舞台は数分で人を笑わせなければいけないため、服装で違和感もたれたらマイナス発進になってしまい不利なので、これは基本です。
しかし新道さんは違います。変な赤い短パンに赤い靴下、白いスニーカー、無地の T シャツというとても衣装っぽくない格好で舞台に出て行ったりします。と言うか夏中私服もその服装だったりします。要はあまりセンスの良くない私服でそのまま舞台に出て行っているのです。
冬も基本変わりません、短パンがジーパンに変わるくらいで必要以上にラフな格好です。
しょっちゅう先輩やマネージャーに衣装を考えた方がいいと口を酸っぱく言われても、新道さんは頑固にその服装で漫才をし続けます。
一度聞いたことがあります。
「新道さん、いっつも衣装のこと言われているじゃないですか、もっといい衣装買った方がいいんじゃないですか?いつまでそのコンセプト不明の服でやるんですか‥」
すると新道さんは誇らしげに言いました。
「これ、靴 2 万、ズボン 3 万、 T シャツ 1万!!全部凄くいいやつなんだよ☆実は今日の舞台の誰よりも高い衣装着てるんだよ☆」
「えー、へえー‥すごいっすねー・・」
ネタ中はニヤニヤ淡々とツッコみを入れ、完璧に自分を消している「新道辰巳」さん、彼こそが「馬鹿よ貴方は」の変な方なのです。
何というか新道さんには何か変なこだわりがいっぱいあります。
たとえば名前、「新道辰巳」この何の変哲のない名前、まずコレ芸名です。
本当は「濱島英治郎」と言うぜんぜん違う名前です。インパクトある名前に変えるとかではなく、本名っぽい芸名にするとはどう言う事なのでしょうか、俳優じゃあるまいし‥。
名前を変えた理由を聞くと、新道辰巳と言う響きががカッコいいからだそうです‥。
事務所に言われたとかでもなく、ある日突然“カッコイイ名前だなー”と思って、ある日から勝手に自分をそう名乗るようになったと言う事です。変です‥。
漫才師と言えば衣装が大事です。スーツをコンビで合わせ着る人もいますしあえて私服っぽいのでやる人もいますが、いずれにせよ皆、人に見られることを意識したしっかりした衣装と言う事は共通しています。お笑いの舞台は数分で人を笑わせなければいけないため、服装で違和感もたれたらマイナス発進になってしまい不利なので、これは基本です。
しかし新道さんは違います。変な赤い短パンに赤い靴下、白いスニーカー、無地の T シャツというとても衣装っぽくない格好で舞台に出て行ったりします。と言うか夏中私服もその服装だったりします。要はあまりセンスの良くない私服でそのまま舞台に出て行っているのです。
冬も基本変わりません、短パンがジーパンに変わるくらいで必要以上にラフな格好です。
しょっちゅう先輩やマネージャーに衣装を考えた方がいいと口を酸っぱく言われても、新道さんは頑固にその服装で漫才をし続けます。
一度聞いたことがあります。
「新道さん、いっつも衣装のこと言われているじゃないですか、もっといい衣装買った方がいいんじゃないですか?いつまでそのコンセプト不明の服でやるんですか‥」
すると新道さんは誇らしげに言いました。
「これ、靴 2 万、ズボン 3 万、 T シャツ 1万!!全部凄くいいやつなんだよ☆実は今日の舞台の誰よりも高い衣装着てるんだよ☆」
「えー、へえー‥すごいっすねー・・」
なんと、そんなに高いアイテムを揃えていたとは・・。しかし、値段の問題ではないと思うが。
髪型も同じで代官山の 8000 円の所で切っていると誇らしげに言ってくるのですが是非ネットで『馬鹿よ貴方は新道』で画像検索して髪型を見て欲しいです。<
「はっせっんえん(笑)」と言ってしまうはずです。
新道さんの値段へのこだわり、価値へのこだわりとでも言うのでしょうか。変です・・。
そうと思いきやこんな話もあります。
ある時から新道さんが灰色のパーカーを着てくるようになり、ネタもその灰色パーカーでやるようになりました。ボクは無駄に高い新道さんの買い物が面白くなっていたのでワクワクしながら聞きました!
「お!そのパーカーは見た事無いっすね!お幾らですか!?」
「んーこれ?いいでしょ!ライブ会場に落ちてたんだー☆」
・・拾ったのも着るんかい!・・変です・・。
新道さんは“いわくつき物件゛に住んでいるらしいです。詳しい事は知らないのですが、ひとつ前に人が死んでいるらしいです。
新道さんは言います。
「安いんだよー家賃半額だったからすぐに住むことにしたよー」
「いやいや、安くても普通嫌でしょう・・」
「そう?僕飛びついたけどなー」
どうやら幽霊とか怖くないみたいです。変です・・。
「相当安いのでしょうね。家賃はいくら何ですか?」
「えっとねー最初は半額だったから 25000 円だったよ!」
「おお!確かにその値段は魅力的かもしれませんね!・・ん?だったよってどういう事ですか?」
「うん、一回更新したから、値段普通に戻されて 50000 円だよ」
「えー!?いわくつきに普通に金払ってるんですか!?」
「うん一回更新したら安くしなくていいらしいよ」
「えー・・じゃあ今いわくつきとしての旨みの無い、いわくつきに住んでるんですね・・」
「うん、人死んだって情報を無駄に知ってる状態(笑)」
髪型も同じで代官山の 8000 円の所で切っていると誇らしげに言ってくるのですが是非ネットで『馬鹿よ貴方は新道』で画像検索して髪型を見て欲しいです。<
「はっせっんえん(笑)」と言ってしまうはずです。
新道さんの値段へのこだわり、価値へのこだわりとでも言うのでしょうか。変です・・。
そうと思いきやこんな話もあります。
ある時から新道さんが灰色のパーカーを着てくるようになり、ネタもその灰色パーカーでやるようになりました。ボクは無駄に高い新道さんの買い物が面白くなっていたのでワクワクしながら聞きました!
「お!そのパーカーは見た事無いっすね!お幾らですか!?」
「んーこれ?いいでしょ!ライブ会場に落ちてたんだー☆」
・・拾ったのも着るんかい!・・変です・・。
新道さんは“いわくつき物件゛に住んでいるらしいです。詳しい事は知らないのですが、ひとつ前に人が死んでいるらしいです。
新道さんは言います。
「安いんだよー家賃半額だったからすぐに住むことにしたよー」
「いやいや、安くても普通嫌でしょう・・」
「そう?僕飛びついたけどなー」
どうやら幽霊とか怖くないみたいです。変です・・。
「相当安いのでしょうね。家賃はいくら何ですか?」
「えっとねー最初は半額だったから 25000 円だったよ!」
「おお!確かにその値段は魅力的かもしれませんね!・・ん?だったよってどういう事ですか?」
「うん、一回更新したから、値段普通に戻されて 50000 円だよ」
「えー!?いわくつきに普通に金払ってるんですか!?」
「うん一回更新したら安くしなくていいらしいよ」
「えー・・じゃあ今いわくつきとしての旨みの無い、いわくつきに住んでるんですね・・」
「うん、人死んだって情報を無駄に知ってる状態(笑)」
・・引っ越しがめんどくさいからしないらしいです。変です・・。
まあ住み続ける位だから何も起こらないのかと思いきや
「いや、どうしてもそこで寝ると金縛りにかかるってポイントはあるんだよね!」
との事、えらい所に住み続けています。変です・・。
しかし、この様々な変な部分も成功してしまえば全て好転してしまうのがお笑いの世界です。衣装問題もそれはこだわりと称されるようになり、様々な問題も笑い話のいいネタになり、頑固でダメなやつも貫き通したカッコイイ奴になるのです。
THA MANZAI 当日、ボクはテレビの前で『馬鹿よ貴方は』を応援しようと待ち構えていました。
テンションの高い『トレンディエンジェル』の漫才の後、
6 年前と変わらず特にテンションをあげることなくフジテレビのキラキラのセットの中『馬鹿よ貴方は』は登場しました。
新道さんの衣装はもちろん自慢の白いスニーカー、自慢のジーパンそして何と、拾った灰色のパーカーでした!貫き通した! カッコイイ!!
前回、「馬鹿よ貴方は」の新道さんが変わっていると言う事を、書かせていただきましたが、書いているうちにある出来事を思い出しました。
ボク達「マッハスピード豪速球」の中では“新道事件”と言われている物です。
今から3年前の夏、ボク達「マッハスピード豪速球」は初の単独ライブを開催しました。過去に組んでいたコンビなども含めてもボクと相方2人とも単独経験が無かったので、これが正真正銘の初単独ライブで、正に右も左も分からない中での決行でした。
集客、ネタ造り、音響準備、小道具や衣装、構成、手伝いの交渉、お釣りの準備、幕間の映像準備などなど、全部を自分たちでやらなければいけない大変さに目を回していました。
単独の大変さを一般の方に伝えるのはなかなか難しいですが、例えるならば、経験した事は無いですが構成を考えたり衣装を考えたり予算を立てたりなどをし、見せ物を作り、本番を迎えるという点では、多分結婚披露宴の大変さに似ているのじゃないかと思います。
着々と準備が進んで、ある程度すべてが決まった本番一週間ほど前のある日、新道さんとライブでお会いして話していると単独の話になりました。
「単独の準備はどうなのー?」
「あーもう大分準備は出来てきましたよ!」
「僕も観に行っていい?」
「もちろんです。招待しますから観に来てくださいね!」
「うん、手伝いって何時集合なの!?」
「え?手伝い?」
「うん!暇だから手伝いから行っちゃおうかなー☆」
「手伝いっすか・・いやーもう必要人数は頼んであるんで大丈夫っすよ。」
「えー行くよー!お弁当あるんでしょ?!お弁当食べたいなー☆打ち上げも行きたいから☆」
本気で言っているのか冗談なのか分かりませんが、弁当、打ち上げ代の予算などを考えて決めた手伝いの人数だったのでとっても困りました。
「な、何言ってるんですかー(笑)先輩なんですから手伝いなんてとんでもないですよ。」
「いいよー行くよー、弁当と打ち上げ行かせてくれれば良いからさー☆」
「いやー、早いんでいいですよー・・(笑)受付で名前言えば入れる様にしておくので“観に”来てくださいねー」
弁当と打ち上げをせがむと言う本気なのか冗談なのか分からない図々しさに少し怯え、結局集合時間は伝えることはしませんでした・・。
しかし当日、ボク達マッハスピード豪速球とお手伝いを頼んでいた後輩5名で集合時間に会場に集まり、さて!準備始めますか!とやっていると会場の方に歩いて来る人影が・・。見覚えのある赤いハーフパンツに白い無地のTシャツの人がこっちに手を振っています・・新道さんです!?
「どうしたんですか?新道さん!」
「手伝いに来たよー☆」
「え?マジっすか、ありがとうございます・・集合時間、何で知ってるんすか?」
「『まもるんるん』に昨日電話して聞いたんだー」
どうやら直接聞くのは諦めて手伝いの後輩から聞き出したらしいのです。
これは困りました、結婚披露宴の手伝いに上司が勝手に来たようなものです・・。
しかし、ここまでされて断るのも変な話です。
「ありがとうございますお手伝いよろしくお願いします・・」
こうして新道さんがお手伝いをしてくれる事に、しかしこの手伝いの新道さんが本当にひどかったのです。‥
ボク達「マッハスピード豪速球」の中では“新道事件”と言われている物です。
今から3年前の夏、ボク達「マッハスピード豪速球」は初の単独ライブを開催しました。過去に組んでいたコンビなども含めてもボクと相方2人とも単独経験が無かったので、これが正真正銘の初単独ライブで、正に右も左も分からない中での決行でした。
集客、ネタ造り、音響準備、小道具や衣装、構成、手伝いの交渉、お釣りの準備、幕間の映像準備などなど、全部を自分たちでやらなければいけない大変さに目を回していました。
単独の大変さを一般の方に伝えるのはなかなか難しいですが、例えるならば、経験した事は無いですが構成を考えたり衣装を考えたり予算を立てたりなどをし、見せ物を作り、本番を迎えるという点では、多分結婚披露宴の大変さに似ているのじゃないかと思います。
着々と準備が進んで、ある程度すべてが決まった本番一週間ほど前のある日、新道さんとライブでお会いして話していると単独の話になりました。
「単独の準備はどうなのー?」
「あーもう大分準備は出来てきましたよ!」
「僕も観に行っていい?」
「もちろんです。招待しますから観に来てくださいね!」
「うん、手伝いって何時集合なの!?」
「え?手伝い?」
「うん!暇だから手伝いから行っちゃおうかなー☆」
「手伝いっすか・・いやーもう必要人数は頼んであるんで大丈夫っすよ。」
「えー行くよー!お弁当あるんでしょ?!お弁当食べたいなー☆打ち上げも行きたいから☆」
本気で言っているのか冗談なのか分かりませんが、弁当、打ち上げ代の予算などを考えて決めた手伝いの人数だったのでとっても困りました。
「な、何言ってるんですかー(笑)先輩なんですから手伝いなんてとんでもないですよ。」
「いいよー行くよー、弁当と打ち上げ行かせてくれれば良いからさー☆」
「いやー、早いんでいいですよー・・(笑)受付で名前言えば入れる様にしておくので“観に”来てくださいねー」
弁当と打ち上げをせがむと言う本気なのか冗談なのか分からない図々しさに少し怯え、結局集合時間は伝えることはしませんでした・・。
しかし当日、ボク達マッハスピード豪速球とお手伝いを頼んでいた後輩5名で集合時間に会場に集まり、さて!準備始めますか!とやっていると会場の方に歩いて来る人影が・・。見覚えのある赤いハーフパンツに白い無地のTシャツの人がこっちに手を振っています・・新道さんです!?
「どうしたんですか?新道さん!」
「手伝いに来たよー☆」
「え?マジっすか、ありがとうございます・・集合時間、何で知ってるんすか?」
「『まもるんるん』に昨日電話して聞いたんだー」
どうやら直接聞くのは諦めて手伝いの後輩から聞き出したらしいのです。
これは困りました、結婚披露宴の手伝いに上司が勝手に来たようなものです・・。
しかし、ここまでされて断るのも変な話です。
「ありがとうございますお手伝いよろしくお願いします・・」
こうして新道さんがお手伝いをしてくれる事に、しかしこの手伝いの新道さんが本当にひどかったのです。‥
10 時 30 分頃から準備は始まり。まずボクらはネタの音だし確認や衣装確認照明確認をし、手が空いている人達にはイス並べを頼みました。
「新道さんイス並べて貰えますか?」
「えーお弁当は?お弁当食べようよー☆」
「またまた。始まってすぐに弁当食べないですよ!・・」
もちろんボケで言っているのですが、流石に弁当弁当うるさいです。
「えーお弁当何時?」
「 13 時頃で・・」
「そうかーお腹減ったなー。」
「・・・」
すると突然新道さんは手を広げてピョンピョンと飛び跳ねはじめました。
この単独ライブは後に DVD にして自主販売をしようと考えていてメーキングとして使うために準備からカメラを回してもらっていたのですが、どうやらそのカメラに向かって反応したみたいです・・。
“ピョン” ”ピョン” “ピョン”
・・ボクは無視をしてネタのチェックへ戻りました。結局その間にイスはほぼ並べ終えていました。
次に新道さんにお願いをしたのが、ライブ中カメラを回す為のコンセントの確保でした。
ちょっと文章で説明しにくいのですが、まったく難しい作業ではなかったのでしたが「これこれやっといてくださいね」と言い、その場を去りコンビの作業に戻ろうとすると、
「これを何?どうしたらいいの?えー出来ないよー。どうやってやるの?」と呼び止められます。
「だから、それをこうしてください。」
「え?こう?分からない出来ないよー」
「だから、これをこう!!」
結局、説明がめんどくさくなり自分でやりました。
マズいです・・先輩なのに少しイラついてきてしまったのです・・いかんなと心を落ち着かせようとしているとまた新道さんは手を広げてピョンピョンと飛び跳ねはじめました。
その一部始終を撮っていたカメラに反応したようです・・・。
次に新道さんに頼んだお手伝いはお弁当の買い出しです。
お弁当と言っても本当にお金がギリギリでやっていたので、牛丼の買い出しです。そして特盛までいくと値段が高いので、皆には泣く泣く大盛りまでと言う事にしてもらいました。
なので、並盛か大盛りの二種類です。
「大盛りの人?並盛の人?・・新道さん並盛 3の大盛り 5 です。」
「うん、分かった☆」
「あ、後何か飲み物も買ってきてもらえますか?皆にいきわたるように適当に大きいペットボトルと人数分紙コップを」
「分かった、ペットボトルを人数分買ってくるのね?種類は?」
「・・え?いや違いますよ、大きいペットボトル 2 、 3 本とコップを人数分です。種類はお茶とスポーツドリンクとコーラとかで、まあ何でもいいですよ」
「分かった、牛丼はなんだっけ?大盛り 3 つだっけ?」
「?いや並盛 3 の大盛り 5 です・・」
「あーそうかそうか!あれ?人数 9 人なのに全部で8個しかないじゃん!」
「自分の分入れましたか?」
「ああ!そうか!あはははは!僕、特盛にしちゃダメ?」
「・・皆、大盛りで我慢してくれてるんですいません・・」
「そうかー、飲み物は何買えばいいんだっけ?」
「!?だから、お茶とスポーツドリンクとコーラ!ていうか何でもいいですから適当に買ってきてください!!」
「コップは?何個だっけ?」
「人数分!!」
「 8 個かー」
「自分もいれました?」
「あー入れてない、 9 個かーあはははは!!」
「・・・」
「じゃあ行ってくるね!牛丼は何個だっけ!?」
「紙に書けや!!!」
やってしまいました、つい大声を張り上げてしまいました・・。
すると新道さんはクルッっと後ろを向き、中腰になりながら手を体の前でクルクル回しながら何かブツブツ言い出しました。そうです、またカメラに反応したのです。
「買いに行くぞーオレは買いに行くぞー、どうも買いに行く蔵です。たまに蟹に行く蔵になります。」
・・・。
意味不明です。
結局買い出しには、後輩も付いて行ってもらう事にしました。
こうして結婚披露宴に何もできないオジサンが来てしまったような状況に、とてもヤキモキしながら初の単独は開催されました。これが“新道事件”です。
しかし、売れてしまえばこれもすべてお笑い話しのいいネタです。新道さんは、「馬鹿よ貴方は」でTHE MANZAI 決勝進出をきっかけに、テレビ番組の露出も徐々に増えつつあります。
なんだか新道さん「馬鹿よ貴方は」が遠い存在に感じて少し寂しくなりました。ボクらも早く売れて「馬鹿よ貴方は」と一緒にテレビに出てこんなエピソード話をしたいものだなんて思う今日この頃です。
2015 年 1 月 18 日この日は『マッハスピード豪速球』のかれこれ 8 回目になる単独公演でした。準備ももう慣れたものですし、お弁当も1人のお客さんが毎回差し入れをして頂けるようになり ( 相当豪華な弁当 ) 、新藤さんも初回以来お手伝いは来ないようになり、初単独とは比べ物にならないくらいの良い環境になってきました。
リハーサルを終えお弁当を食べようと皆で楽屋に戻ると、楽屋に何やら怪しい人影がガサガサとそこいらを漁っています ! ?楽屋泥棒だ!!と一瞬思いましたが
この見覚えのある灰色のパーカー・・新道さんです!?
「どうしたんすか、新道さん!?」
「ん?ああ、いや今日近くの会場でライブなんだけど、今空き時間だから弁当食べに来たんだよ!」
「はあ?」
「マッハの単独弁当いいやつって聞くからさー☆弁当どこ!?」
「・・・」
新道さんは全く遠い存在に何てなっていなかったです(笑)。
以上【水道橋博士のメルマ旬報】
『ハカセー・ドライバー』より。