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【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

読んだ本の感想とたまーに日常( ᐛ )

3冊目: 信仰

村田沙耶香

2026/02/09

 


★ひとことまとめ★

洗脳されたい

 





↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも



【Amazon内容紹介】

世界中の読者を熱狂させる、村田沙耶香の最新短篇&エッセイ

「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」

好きな言葉は「原価いくら?」で、
現実こそが正しいのだと、強く信じている永岡。
同級生から、カルト商法を始めようと誘われた彼女は――。

信じることの危うさと切実さに痺れる8篇。

〈その他収録作〉

★生存
65歳の時点で生きている可能性を数値化した、
「生存率」が何よりも重要視されるようになった未来の日本。
生存率「C」の私は、とうとう「野人」になることを決めた。

★書かなかった小説
「だいたいルンバと同じくらいの便利さ」という友達の一言に後押しされて、クローンを4体買うことにした。
自分を夏子Aとし、クローンたちを夏子B、C、D、Eと呼ぶことにする。
そして5人の夏子たちの生活が始まった。

★最後の展覧会
とある概念を持つ星を探して、1億年近く旅を続けてきたK。
彼が最後に辿り着いた星に残っていたのは、1体のロボットだけだった。
Kはロボットと「テンランカイ」を開くことにする。

ほか全8篇。

 

 

 


【感想】

やっぱり村田さんは独特の世界観があるよね~。

 

・信仰

同級生の石毛、斎川さんから「一緒にカルト詐欺を始めないか?」と誘われ、自分を変えるために勧誘される側…参加者として参加することを決意した主人公のミキ。

斎川さんに洗脳させられることを願い、セラピーに参加するが…。

 

鼻の穴のホワイトニングとかロンババロンティックとか、当たり前に知らない単語が出てきて思わずGoogleで検索してしまった爆笑

同じような疑問を持った人のブログなどを見て、村田さんの造った造語と言うことがわかりました。笑

 

なんとな~くだけど、ミキの考えは理解できる。原価で考えてみなよ!?って思ってた時もあったなあ。

でもやっぱり大人になるにつれて、わくわくする気持ちとか人への感謝の気持ちとか、そういうのにお金をかけることを厭わなくなったなあ。

感謝の気持ちがこもっていればチロルチョコでもいいかと言われたら、やっぱりそうじゃないと思うんだよね~。

割といい値段の手土産を渡して、「自分のために買ってきてくれたんだな」って思ってもらいたい。(なんか文字にするとすごくおこがましいね汗うさぎ)

逆もしかりで、お土産とかいただいたら、自分のためにわざわざ選んで買ってきてくれたんだな~ってありがたく思うから。

それにはやっぱり金額ってのも判断材料になると思うんだよね~。

 

騙される才能がある人間になりたい、かあ。

目に見えないものにお金を払って、そのことを愛している人たちになりたい。人にあわせて形だけやってみても、騙されない、騙される才能がない。

確かにね…すべてにおいて「原価いくら?」で考える人には、たとえいくら有名なお店だからってクッキーとかに4,000~5,000円かけるのは意味がわからないだろうし、たった1ヶ月くらいでとれちゃうようなまつパとかもありえないって思うだろうね。

私もまつパとか、セルフでもできるものにはその考えなんだよな~。もちろん、お店でやる場合は人件費だったりお店の家賃だったり技術だったり、もろもろかかってるから高いってのは理解してるけどね。

騙されて…って言い方であってるかわからないけれど、感情とか経験にお金かけるのを良しとして生きられたほうが楽しいかもしれないね。損得勘定だけじゃなくてさコインたち

 

斎川さんに騙されたい、洗脳されたいと思ってセラピーに参加しているのに、ミキの目が捉えるのは現実的なものばかりでにっこり

現実が見えます!10万円返せ!には笑ったな爆笑

 

 

・生存

本人が得るであろう収入の程度が生存率に直結する、というのも面白かったなあ。

今の日本はまあある程度みんな医療は受けられるから生存率とまではいかなくても、親の収入が子供の将来の収入に影響するってのはあるだろうなと思ったなあ。

やっぱり、お金があればその分いろいろな経験をさせてもらえる・させてあげられるからね。もちろん親の収入が低くても、子供が優秀に育つことも大いにあると思うけれど。

優秀=収入が高いかはわからないけれど、優秀な人が長生きする社会か~。

人のほかには猫とゴキブリしかいない世界…。そんな世界になったとしても、やっぱり長生きしたいと思うのかな真顔

野人になって生き続けるくらいなら、もういっそのこと熱中症とかであっさり亡くなってしまったほうがいいのかもしれないとも思う。

 

 

・土脉潤起

生存に近いお話だったなあ。姉が野人になった主人公の話。

女友達同士で子供育てるの、助け合えていいんじゃないかな~と思うわ。いろいろ現実的なことを考えると無理なんだけど。

とても優秀な姉が野人になって、自分は女友達と家族になって、3人の子供を産む。すごい世界だ。

 

 

・カルチャーショック

「均一」と「カルチャーショック」の2つしか街がない世界の話。

「均一」に住みたくないなあ…。何もかもが均された街。言葉も、顔さえも。怖いわ…真顔

"僕"もそうだけど、”老婆"もとんだ災難だなあ…。

 

 

・書かなかった小説

自分のクローン家電を購入し、クローンたちと生活するお話。

自分のクローンがいたらどんな感じだろう。各々自分の意見をあーだこーだと言いまくってそう。

クローンの自分に焦がれたり、自分がクローンとして生きていったり…想像がつかないな。

少なくとも自分には(恋愛対象として)惹かれない気はするネガティブ

 

 

・最後の展覧会

星新一をふと思い出した作品だった。

ヒュポーポロラヒュン、ゲージュ(芸術)ねえ。村田さんはイマジナリー宇宙人と会話してこのお話の着想を得たんだろうか?

芸術作品を守ろうと宇宙を旅し続けたK。芸術作品に心奪われ支配され、テンランカイを開くKを殺すためにわざわざやってきた銀色の棒状の宇宙人。

芸術が人に与える影響って様々だよね~。

広い宇宙で、何万年何億年一人で居続けるの、いくらロボットでも孤独だよなあ。

 

巻末の初出部分に、この作品の説明が乗っていたけれど、「松方幸次郎とカール・エルンスト・オストハウスの架空の出会い」がテーマみたい。

カール・エルンスト・オストハウスを知らなかったんですが、美術収集家・現代美術館の創設者なのか。

そして松方幸次郎も美術収集家だったのか。ほぼ日>国立西洋美術館 松方幸次郎さんのこと を読んでわかったけれど、美術品収集だけではなく、美術館の構想も持ってたのか~。

たしかにこの作品のKとマツシタのようだなあ。二人が出会っていたら、どんな美術館が出来上がっていたんだろう?

 

 

村田さんのエッセイは村田さんワールド全開で、自分とは全く違う考え方で読んでいて新鮮な気持ちになるけれど、同時に生きづらいことも多いだろうなとも感じる。

私が見えている・感じている世界と、村田さんの見えている・感じている世界は全く違うものなんだろうなあ。

だからこそこういう独特な引き込まれる作品を書くことができるんだろうけれど本

2冊目: くますけと一緒に 

新井素子

2026/02/09

 


★ひとことまとめ★

いつまでも一緒だよくま

 





↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも



【Amazon内容紹介】

このぬいぐるみ、なにかがおかしい…
書店員さん発掘!今読むべきホラー小説。
あたしは悪いことなどしていないのに、いつも嫌われていた。
同級生、そして両親にも。そんなあたしを気にかけてくれるのはママの親友・裕子さんと、くますけだけ。
悪い人は死んでしまえばいい――。
願うと同級生は事故にあい、両親も死ぬ。裕子さんに引き取られたあたしは、ここでくますけが邪悪なぬいぐるみなんじゃないかと思いはじめ……。

 


【感想】

ジャンルとしてはホラーなんだけれど、私には夢や希望のある物語だなと感じましたキョロキョロ

普段読んでいるホラーが夢も希望もない話が多いからかな爆笑

 

結局くますけ(の中身?)は成美が生み出したイマジナリーフレンドではなく、成美を守るために生を享けたなんらかの存在だったわけだけど、成美には危害を加えずあらゆることから守ってくれるんだしいいんじゃないかなと思ってしまった。

最後のシーン、裕子のなんなんとのバチバチの感じもよかったニコニコ

それぞれお互いの持ち主を心から守りたいという気持ちがとても伝わってきたお願い

 

あとがきを読むと、著者の新井さんは家に400体ぬいぐるみがあるくらいぬいぐるみ好きで、だからこそこの作品が出来上がったんだな~と納得。

ぬいぐるみを本物の悪者にしないところに、新井さんのぬいぐるみへの愛を感じる。

 

私はこの作品を読んで、成美みたいな親や周囲の関係で悩んでいる子供みんなに、くますけのような存在がいてくれたらいいのになと思いましたくま

大人になれば自分の力で環境を変えることもできるけれど、子供はそうはいかないし…。学校や家からだって簡単に逃げ出すことはできない。

誰にも頼ることができない孤独な子供たちに、たとえぬいぐるみだとしてもくますけやなんなんのような絶対的な味方がいてほしいなと思った。

 

物語の終盤で裕子が成美にいう言葉も良い。

成美と同じように苦しむ人には救いになる言葉だと思った。

 

「子供っていうのはね、特別な権利をもって生まれるのよ。親から無条件に愛される、この世の中で子供だけが持っている、ほんとに特別な権利を。だから成美ちゃん、あなたはその上にあぐらをかいていればよかったの。

パパやママから愛されるのはあたり前、でも、自分はパパやママのことを嫌っていいっていう、特別な権利の上に、ね」

「パパとママってね、そういうものなの。どんな状態になったって、絶対子供のことを嫌わないものなのよ」

「子供はね、どんな子でも、生まれた時には、そういう愛情にめぐまれる資格と権利があるの。」

 

子供は親から無条件に愛される、それは子供の持つ特別な権利。

これを知っておくだけでもだいぶ感じ方が変わると思う。

自分の親が自分を愛していないと感じる時、自分が悪いんじゃないかとか、もっとこうだったら(例えば成績がよかったら、運動ができたら、親の期待に答えられたらとか)自分のことを愛してくれるんじゃないかとか思っちゃうよね。

でもそうじゃなくて、本来親は子供がどんな状態でも無条件で愛するべきで、そんなことを考えさせてしまう親のほうが良くないんだよね真顔

 

自分のことを振り返ってみて思うけれど、親と子の絆?思い出?記憶?って良くも悪くもなかなかなかったことにできないんだよねぇ。

あれは仕方なかったことと昇華するにもかなり時間がかかる。

自分が今子供に言っていること・していることが、今後の子供の一生に関わってくるかもしれないと思うと身が引き締まる。

言動も行動も、もう少し慎重に丁寧に選んでいきたい。

別に自分がお手本のような親だとも思わないけれど、子を持つ親はそうであってほしいと思う赤ちゃんぴえん

 

まあでも難しいのは、親が愛情だと思ってやっていることが、子供に愛情だと思われてないこともあるってことかな。

成美の親は良くないところいっぱいあるけど、母親は成美の食事にかなり気を使っていたみたいだし、それが母親なりの愛情だったのかもしれない。

結局は親の"やってあげたいこと"ではなくて、子供が"してほしいこと"をうまく汲み取って提供していかないと、愛されてるとは思われないんだよなあ〜。

 

子供の頃、ピアノがうまく弾けなくて母親にめちゃくちゃ怒られながら家で練習した記憶があるけど、全然楽しくなかったもんな〜。

親としては色々なこと経験させてあげたい、やるからには上達してほしい、とか色々思ってたんだろうなと今ならわかるけど。月謝も安くないしさ札束

でも楽しくなければ続かないし、お金払って苦痛な思いさせるのもね…。

自分の子供は何が好きで何が楽しいと思うのか、よく見極めながら色々なことに取り組ませていきたいな〜。

 

ホラー小説ではあったけれど、(私がいつも読むホラーよりは)全然怖くないし、読みやすかったです本

1冊目: いつか月夜 

寺地はるな

2026/01/30

 


★ひとことまとめ★

みんなそれぞれの道を歩くお月様

 





↓以下ネタバレ含みます↓
作品読みたい方は見ないほうがいいかも



【Amazon内容紹介】

会社員の實成は、父を亡くした後、得体のしれない不安(「モヤヤン」と呼んでいる)にとり憑かれるようになった。
特に夜に来るそいつを遠ざけるため、とにかくなにも考えずに、ひたすら夜道を歩く。
そんなある日、会社の同僚・塩田さんが女性を連れて歩いているのに出くわした。
中学生くらいみえるその連れの女性は、塩田さんの娘ではないという……。
やがて、何故か増えてくる「深夜の散歩」メンバー。
元カノ・伊吹さん、伊吹さんの住むマンションの管理人・松江さん。
皆、それぞれ日常に問題を抱えながら、譲れないもののため、歩き続ける。
いつも月夜、ではないけれど。

 


【感想】

あらすじに書いてある不安(モヤヤン)がことあるごとにまとわりついてくる話かと思ったけれど、そんなファンタジーではなく現実的だったキョロキョロ

 

「いつも月夜に米の飯」ってことわざ、知らなかったです。

意味:不足の無い生活のこと、あるいは満足な生活を願っても実際はそうはいかないことを意味する表現。「いつも月夜に米の飯」は、昔は電気が無いため夜は真っ暗で、また白米は庶民にとってとても貴重な食べ物だったことから、月の光で明るい夜に白米を食べられるような生活は庶民の理想だったことに由来する。(Weblio辞書)

 

読み始めて最初に思ったのは、誰が語っているんだろう?ということ。

主人公のことは「實成」と書かれていて、てっきり下の名前かと思ったら苗字だった。

モヤヤン視点か?と思ったけれど、冒頭で記載した通りモヤヤンは別に出てこない。(ただの不安な感情)

主人公でもなく誰でもない第三者視点で語られていく感じかぁ、と理解。

 

 

實成…はそこまで複雑な事情は抱えていないけれどちょっと拗らせてる感じで、その他、塩田さん、彩夏、伊吹さん、松江さん、それぞれがそれぞれの事情を抱えて生きている。

 

伊吹さんが1番(年齢にしては)厄介な事情だなぁと思ったな。

喧嘩すればすぐに死ぬって脅してくるメンヘラ男なんてどこがいいのか…って思うけれど、共依存なんだろう。

自分も身に覚えがあるけど、依存体質って思考停止で楽だけど良いこと無いよな。同年代の友達からは引かれるだろうし。

 

實成がもっちゃんと電話してるときにわざと声かけるのとか、もうほんとメンヘラ女のソレだもんなハートブレイク

伊吹さんはまず時間をかけて自分と向き合って、自分のことを大切にしていってほしい。

 

 

彩夏みたいな子供は可哀想だよなあ。

両親が離婚してそれぞれ新しい家庭を持っていて子供もいて、そうなると自分の居場所ないよなぁ。よっぽど両親、再婚相手が気を配っていないとうまく行かないよね。

可哀想だよなあ、と思われることは本人にとってはとても嫌だろうけれど、それでも私はそう感じてしまう。

子供は親の事情に否応無く巻き込まれるしかないんだから、大人たちがもっと配慮してあげてほしい。

でも自分も同じ状況だったらどうだろうなぁ。

シングルで育てていくのは大変だし、誰かに頼りたいし甘えたくなるだろうな〜。

とは言えその選択をしたのは自分だし、大変かどうかは子供には関係ないしねぇ…。

彩夏には自由に生きていってほしいわ。

塩田さんともいい関係でいてほしいなあ。

 

塩田さんもさっぱりしてそうな性格だけど、彩夏の面倒を見ていることで同時に自分の存在意義も感じていたんだろうなと思う。

もちろん彩夏のことが大切なのは伝わってくるけど。

塩田さんの言うこと、わかるなあ。

 

實成にとって塩田さんは居心地いいだろうけれど、塩田さんにとってはどうなんだろうね。

一方的に慕われてる感、頼られてる感がわかると付き合い続けていくの疲れてきそう。

塩田さんが一緒にいて居心地がいい人ってどんな人なんだろうなぁ。

 

 

いろんな人と短期的にだけど夜の散歩を通じて交流して、實成自身もいい方向に進んでいってよかった。

わだかまりのあった元カノ(伊吹さん)との関係がスッキリしたのも大きかったよね。

もっちゃんは自分を持ってそうだし、いい付き合い方ができそうだチューリップピンク

 

昔の人からしたら、今の日常は驚くだろうなあ。

いつも月夜に米の飯、が理想だった時代おにぎり

いまは、照明が煌々と輝いていて、米は(高いけど)みんな毎日食べられているし、衣食住かなり豊かな状態。

なのに、不幸だ、足りてない、希望がない、って思っている人が多いという現状。

えっ!?こんなに豊かなのに?!って昔の人は思いそうだ。

豊かすぎるのも不幸だよな。一度その豊かさに慣れちゃうとなかなかそうじゃなかった頃に戻れないからね。(気持ち的にも)

 

いまの豊かさ、便利さが当たり前だと思わず、日々感謝して生きていきたいなーと思う今日この頃…花