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【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

読んだ本の感想とたまーに日常( ᐛ )

宇宙の男たち

星新一

2024/03/30




★ひとことまとめ★

いつ読んでも色褪せない星

 

 

 

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】 

10年ぶりに帰還する老人飛行士を乗せたロケットが地球に向かっていた。だが地球を目前に突然隕石が直撃、航行不能におちいった…。

 

 

【感想】

以前読んだ益田ミリさんの本に"宇宙の男たち"のお話が出てきたので読みました。

久しぶりの星新一本

何度読んでも、古臭く感じなくてすごいなぁと思います。今の私達にでもスッと入ってくる近代感は素晴らしい。


読みたかった"宇宙の男たち"は切ないお話です赤ちゃんぴえん


青年と老人の乗ったロケットは、火星での調査を終えようやく地球に帰れるというところだったのに、隕石に衝突し操縦不能に。

地球に戻ることは叶わず、自分たちはこの広大な宇宙で死ぬことになる。

そんなとき青年は通信用の小型ロケットを利用し、地球に遺書を送ろうと思いつく。

その遺書にはなぜか記名がない。

老人が記名漏れについて尋ねると、

青年は「いままで多くの若者が宇宙の事故で消息を絶っている。その若者たちの家族はいまもあきらめられずにいるだろう。

そこにこの遺書が届けば、少しはなぐさめになるのではないか。

だから、名前などないほうがいい」と言う。

そして二人は冬眠剤をのみ、永い眠りについた…


どうしたらこんなお話を思いつくんだろう悲しい

短いお話なのに胸にズシっときます。



他に面白かったのは"景品"ですね。


各家庭の必需品とも言える装置。各社で出しているサービス券を正確に整理・分類し報告する機械だ。

家のあらゆるものが景品で手に入る世の中。

いまでは本でさえ店で買うことはできず、景品として手にいれるしかない。


ラーム氏はヘミングウェイ全集を手に入れたいと考えていた。

ヘミングウェイ全集はキャンデーかココアの景品で手に入る。しかし、景品でしか本も手に入れられない世の中に嫌気がさしたラーム氏は、なんとしてもヘミングウェイ全集を店で買おうと試みる。


妻に呆れられながらも、店でなんとか粘り、大金を叩いてヘミングウェイ全集を手に入れ満足げなラーム氏。

しかし、その後家に届いたのは景品の大量のキャンデー…。


結局、大量のキャンデーを買って本をもらっただけなんですよね…。



"運の悪い男"も面白かったです。

郵便局で大金を盗んできた強盗。借金まみれの男の家に逃げ込み、男の衣服を剥ぎ取り男になりすましたばかりに、その後続々と家に来訪する借金取りにお金を返さないといけなくなってしまった。

男の存在を疎む男たちに勘違いされたまま危うく殺されそうになりますが、強盗を追っていた警察の検問によって無事助かります。

当初は警察から逃げたかったはずなのに、警察のおかげで命が助かった強盗。

そして、終始気絶していたため借金が完済されていることも気づかず、服を取られ不運だと嘆く男。


借金完済されていても、これだけ借金してしまうような男はいずれまた借金地獄に陥るでしょう…。。




本当に、どうしたらこんなにたくさんのショートショートを思いつくのだろうはてなマーク

なるほどね〜と感心するお話や、皮肉のきいたお話、感動的なお話、切ないお話…バリエーションがすごいなあキョロキョロ

とにかく頭が猛烈に良いんだろうなあ…。



そういえば過去、星薬科大学とやり取りする機会があり、星薬科大学について調べたことがあったのですが、星薬科大学の創立者は星新一のお父さんの星一なんですねキョロキョロ

星新一の本名の親一は「親切第一」、弟さんの名前の協一は「協力第一」の略。

どちらもお父さんのモットーという話から、お父さんの人柄がなんとなくわかりますにっこり



初めて星新一を知ったのは、おそらく小学生のときに読んだ"おーい でてこーい"だったんじゃなかったかなキョロキョロ

小学生〜大人になったいまも楽しめる作品って貴重ですよね〜飛び出すハート

向日葵の咲かない夏

道尾秀介

2024/03/25




★ひとことまとめ★

終始感じる違和感

 

 

 

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】 

夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。

 

 

 

【感想】

「いけない」を読んだので、他の道尾さんの作品を読んでみようと思い読みましたヒマワリ

 

信頼できない語り手ですよね。誰も彼も。


少し読んだだけで主人公のミチオが何かを抱えていることはなんとなくわかるし、妹のミカは絶対人間じゃないこともわかるし、泰造も何か隠している様子だし。

”なんとなくおかしい”が徐々に明らかになり、結末にむけてまとまっていくのは「いけない」に近いものを感じました。

 

ミチオは極端だけれど、子供はあまりに強いストレスや罪の意識があると、イマジナリーフレンドを作り出してしまうみたいですよね。

自分の罪の気持ちがミカを作り出し、蜘蛛のS君を作り出した。トコお婆さんが猫だったのにはまんまと騙されました。


ミチオの周囲も闇深い人間ばかりです…。担任の岩村先生は小児性愛者だし、母親はネグレクトでゴミ屋敷だし、父親は事勿れ主義の空気だし、近所のおじいさん(泰造)は小さな頃のトラウマ?に囚われて遺体の足を折り続けるし…。。

そして、出てくる刑事の竹梨は、あの竹梨じゃあるまいな…?

 個人的には岩村が一番無理です。


 

終盤のミチオは、コナン君か!?ってくらい饒舌です…。

自分の罪の意識に向き合って正しい道を行くのかと思いきや、えっ、そんな究極の選択…。

人を殺すのも手練れています。。

 

最終的には行き着くところまでいってしまって、殺した泰造も出てくるし、全てを終わらせようと火を放ちますが、両親に助けられて結局ミチオは死ねず。

2階から飛び降りて(放り投げられて)ミチオが生き残ったなら、両親も飛び降りればなんとかなったんじゃないかなと思ったけれど、両親も両親でもうこんな毎日を終わらせたかったのかもしれないな〜。

 

もし上の子の嘘やいたずらが原因で、お腹の子と子宮を失うことになったら自分は許せるだろうか。

ミチオの母親の行為は許されるものではないけれど、確実に子供への接し方は変わるよね。

口には出さなくても、あんたのせいで…って気持ちは持ち続けるかもしれない。

いくら悪意のない行動だったとしても、一生許せないかもしれないなあ。

 

最後の最後なんて、もうね…。死んでしまった両親の生まれ変わり(ミチオが作り出した)の言ってることがミチオにとって耳障りのいいものばかりで。。。言われたかった言葉を自分で紡いでいるのかな〜…。

 


読み終わったあとに冒頭部分を読み返すと、あ~なるほどね。となります。

自分の創り出した狂った世界からは抜け出せたけれど、まだ危うそうですよね。


救われない(誰が?)話だった…

おいしい旅 初めて編

近藤史恵・坂木司・篠田真由美・図子慧・永嶋恵美・松尾由美・松村比呂美

2024/03/02




★ひとことまとめ★

美味しい食べ物に出会う旅

 

 

 

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】 

知らない景色とおいしい料理がここに。「初めて」に出会う旅×グルメ小説集

仕事に行き詰まり、勢いで列車に乗り終点まで……旅先では驚きの出会いが待っていた(「下田にいるか」)。福引きで旅行券を引き当て、台湾へひとり旅。現地で会った駐在員はどこか訳アリのようだが(「情熱のパイナップルケーキ」)。訪れたことのない場所、見たことのない景色、その土地ならではの絶品グルメ。さまざまな「初めて」の旅を描いた7編を収録。読めば必ず出かけたくなる、文庫オリジナルアンソロジー!

 

 

 

【感想】

 本は読んでいるのに、時間がなくてなかなかブログが書けず…。

でも、4月に入って保育園の慣らし保育がスタートしたので少しずつ自分の時間が取れるようになってきました泣くうさぎ

ついこの前産んだのに…もう保育園入園かぁ…泣くうさぎ

一緒にお散歩してお昼寝していた日々が終わってしまいました赤ちゃん泣き

仕事できるかな!?大人の会話についてる自信がありません!!!

 

 

さて久しぶりのアミの会。アミの会って私が覚えている限り”(仮)”がついていたと思うのですが、こちらの作品はついていないんですよね。

あれ〜?と思っていたら、本のカバーに書いてありました。

・10冊刊行を節目に、本作より(仮)が取れて、会の名称は「アミの会」になった。

なるほど〜!

 

 

そんな記念の作品だった本作ですが、私にはいまいちしっくりこず…。。。

・糸島の塩(松村比呂美)

・地の果ては、隣(永嶋恵美)

・あなたと鯛茶漬けを(図子慧)

は良かったかな。

 

なんでしっくりこなかったのかと考えて見たけれど、う〜ん、なんでだろう。

コロナのことも絡められていたので、なんとなく100%楽しい気持ちで読めなかったからかもなあ。

 

そもそも今の私が旅から離れているからでしょうか…汗うさぎ

遠くの縁側(近藤史恵)に出ていたコロッケは食べたくなったなあナイフとフォーク

 

 

アミの会はなんとなく初期の方が好きだったかなあ〜。テーマの問題ですかね?

今回のテーマの”おいしい旅”には続編で”想い出編””しあわせ編”があるけどどうだろう驚き