22冊目:4月1日のマイホーム | 【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

【読書感想文Blog】ネタバレ注意⚠

読んだ本の感想とたまーに日常( ᐛ )

4月1日のマイホーム

真梨幸子

2024/07/03

 

 

 

★ひとことまとめ★

憧れのマイホームが悲劇の舞台に

 

 

 

 

 

↓以下ネタバレ含みます↓

作品読みたい方は見ないほうがいいかも

 

 

 

【Amazon内容紹介】 

今日〈エイプリルフール〉に起きた惨劇は、すべて噓!?
衝撃の結末が待つ、ノンストップ“家(イエ)ミス”×イヤミス!

  東京都S区の分譲住宅「畝目4丁目プロジェクト」。
念願の新居に胸膨らませ引っ越してきた住人たちだが、ある家から死体が見つかった。
この土地にはかつて、昭和30年代に往年のスター・未唯紗英子が建てたアパートメントがあり、大量殺人事件が起きたという噂が――。
土地の因縁か、事故物件か。
大ヒット『6月31日の同窓会』に続く“日付シリーズ”第2弾は、怖いけどやめられない、中毒性100%ミステリー!

 

 

【感想】

真梨さんの作品はいつも読むまい読むまいと思っているのに読んでしまう…真顔

昔、島本理生さんの作品も同じように読むまい読むまいと思って読んでしまってたのですが、自分には合わないと認めてキッパリと読むのを辞めました。

 

真梨さんの場合は島本さんとは読むまいと思う理由が違うのですが…

真梨さんの作品、自分の中で「殺人鬼のフジコ衝動」が最高すぎて。ほかの作品を読むと「やっぱりあの驚きは越えられないな…ショボーン」とがっかりしてしまうんです。がっかりというか悲しいというか…またダメだったか~と。

作品がダメなのではなく、自分の中のすごい!という感動のボーダーラインを越えられないというかネガティブ

自分の気持ちの問題なんです。。。

 

でも冷静に考えてみると、越えられることって今後あるんだろうか?

真梨さんの作品を初めて読んだのが「殺人鬼のフジコ衝動」で、イヤミスのなかでも人がどんどん死んでいく系且つノンフィクション調も初めてで。

その時の感動や衝撃って思い出補正みたいなものもかかってるから、越えられることってもしかして無理なんじゃないか…ネガティブ

たぶん、いま「殺人鬼のフジコ衝動」を読んでもあの時の気持ちは再現できない気がする。

湊かなえさんもそう。やっぱり「告白」の衝撃を超える作品が自分の中でない。

「Nのために」はドラマも含めてとても好きな1冊だけれど、「告白」の衝撃とはちょっと違ったかな~。

 

う~~~ん。難しい。一旦過去の作品への感想は忘れて新しい作品を読めるようになりたい。

…と、私の真梨さんの作品への思いは置いておいて…

 

 

本作は、東京都S区畝目4丁目に新しく建てられたA~Eまでの5区画の分譲住宅に住み始めた住人達のお話。

かつてこの地には”未唯沙アパートメント”という、往年の大スター未唯沙英子が建てた高級賃貸物件が建っていた。

”未唯沙アパートメント”を取り壊して建てられたのが、この分譲住宅である。

登場人物たちはなかなか個性的な面子。

 

A区画に住む三浦家。奈緒子は書店員の仕事の傍ら、定職に就かない自由人の夫の生態を描く漫画家として収入を得ている。Webで書いていた漫画がバズり、出版社から声をかけられ書籍も出版。田舎育ちの奈緒子は東京23区には強い憧れを持ち、一足先に23区に住んでいた妹からの23区民マウントにも腹立たしく思っていたため、今回の引っ越しで自分がS区民になれることを心から喜んでいる。

 

B区画に住む田上家。子育てのため薬剤師を辞めて専業主婦となった美幸。夫は大学病院の勤務医で、子供は娘が一人。別居している美幸の母親は小説家でテレビにも出ている有名なコメンテーター。年収的にはもう少し高い家を買うこともできたが、娘の教育費を最優先させるため家計を逼迫させないローンで済むこの家に決めた。

 

C区画に住む米本家。引っ越しの挨拶に1万円のエルメスの付箋を選ぶ妻・詩織と広告代理店で働く夫、そして小学生の息子・太陽。太陽がごみを漁っているところを他の住人に目撃されている。

 

D区画に住む戸井田家。自分が叶えることのできなかった夢もとい見栄を娘に押し付け、金銭的に無理をしてまでバレエや有名私立小学校に通わせる母親・敦子。住所もマウントの一つで、多少無理はしたがS区に住めることを誇らしく思っている。噂好きな主婦。夫は敦子の言われるがまま、娘の風香は母親に嫌気が指しつつも、

 

E区画に住む藤倉家。住民はある女優に似た中年女性と犬1匹だけのようだが…

 

 

他の住民がくれた引っ越し挨拶が相場より高くてどうしよう…という住民同士のトラブル(?)から始まり、異臭騒ぎ、藤倉家で死体が発見されたことで誰がやったのかの犯人捜し。謎の体調不良で亡くなる美幸。

死体は撮影用の偽物で、藤倉家は貸しスタジオだった?美幸の死因は狂犬病?そして謎の体調不良で住人たちがどんどん亡くなっていく…

 

 

 

簡単にまとめると、藤倉家は米本家が購入した投資用物件。貸しスタジオとして使われており、今回初めてゾンビ映画の撮影に使われていた。撮影のため表札は藤倉表記、住人と思われた女性は女優・瀧澤志奈子。犬は近隣に住み着いていた野良犬。

美幸の死因はその野良犬による狂犬病かと思われていたが、実際は美幸が購入し皆に配った引っ越し挨拶のハムによるボツリヌス菌によるもの。そのハムを食べたものが一人残らず死んでいく。

米本家では犬と自分への虐待に逆上した太陽が詩織とその夫が殺害。異臭の原因は彼らの腐敗臭だった。引っ越し挨拶をもらっていないはずの太陽もボツリヌス菌で死ぬが、ゴミを漁った際にハムを食べたため。

志奈子は過去”未唯沙アパートメント”で起きた大量殺人での生き残りだった。因縁の土地での撮影は偶然ではなく、映画監督でyoutuberである恐児が仕組んだものだった。

 

 狂犬病とミスリードさせたいのはわかるけれど、23区内で飛んでるコウモリが頬を掠めて怪我したり、腕を噛まれることなんてそうそうあるだろうか…。

調べるとコウモリとぶつかったという人は割といるっぽいですが、都会に住んでいるコウモリは低空飛行はしないみたいですね。巣を攻撃したりすると襲ってくるみたいですが、嚙むこともめったにないみたいです。

S区は自然豊かって書いてあるから、超低空飛行するコウモリもいるんだろうか…。志奈子に”コウモリ”という単語から過去の記憶を引き出したいにしてはちょっと強引かなあ。

 

薬物乱用、銃刀法違反、死体遺棄が横行する覚せい剤常用芸能人用アパートって…。何でも揉み消せる政治家に、大物女優、訳ありの芸能人関係者…。そんで読者にわかりやすく説明するように会話をする人々…。

急にSF小説になったみたいなぶっ飛び具合だ…。

 

恐児、依子は志奈子が米本夫妻を殺したと思っていたが実際は息子の太陽が撲殺したっていうのも、小学生の男の子がダンベルで大人2人を撲殺できるかね…。

 

みんなボツリヌス菌食中毒で死亡かあ。引っ越しの挨拶品食べて死ぬなんて普通考えもしないよね~。

普通に受け取って食べちゃうもんな~汗うさぎ

戸井田家は奈緒子からポテトサラダもらわなければ死なずに済んだんだけどな…

親の見栄に付き合わされて引っ越して、結果死ぬことになった子供たちが可哀そうな話だったな。

 

ここまでひどいのはご近所づきあいはそうそうないだろうけれど、こういうのを読むとやっぱり家を買うってリスキーだよなあと思いますね家

子供のころ一軒家に住んでいる友達に憧れがあって、広いお家でいいな~動物も飼えて…って思っていましたが、大人になって都内駅チカに一軒家を買うことがどんなに大変なことかがわかりました。。。

いつかは一軒家に住みたいなとも思いますが、普段のお手入れとか災害対策とか経年劣化に伴う修理とか、賃貸では必要のない手間やお金が嵩むのがネックですね、、、さらにそこにご近所づきあいも発生するし。
いま住んでいるのは子育て世帯中心の集合住宅なので、振動とか騒音(洗濯機の音とか子供の声とか)問題はお互い様って感じで誰も文句など言いません。なのでなおさら賃貸でもいいな~と思ってしまう。。

子供が増えたらちょっと手狭だから引っ越しも考えないといけないけれど。。

いまは子供が成長して家を出て、夫婦だけで暮らすことになったときに小さい中古の一軒家でも買えばいいかな~という考えに落ち着いていますねこクッキー

 

平和なご近所さんがいいですね!!