妻夫木&松ケンという、一見世の婦女子に媚びてるのか?と思うようなキャスティングですが、内容は結構硬派。しかも、よく出来てます。


松ケンは『ノルウェイの森』に続いて学生運動時代の映画に出演。でも、こっちの役がムチャクチャ良い!


一見繊細そうだけど、実は意外にふてぶてしい。しかも、口から出まかせ出放題。それでいて、出会った人を惹きつけてしまう。何だか、植木等大先生の無責任男のキャラと根底で通じるものがあるような気がしました。


最後は逮捕されるんだけど、取調べでも出まかせ言い張っていて(字幕で語られるだけですが)、何だか「敗者」っていう感じがしない。


つーか、妻夫木との演技対戦でも、圧倒的に松ケンの勝利。妻夫木も頑張ってはいるんだけど、相手が悪過ぎ。


だって、物語の中でも、最後に泣いてたのは妻夫木君の方でしょ。(話が別)


個人的な補足をすると、知り合いが出演されてたのに、どこに出てたか分からなかったのが、非常に悔しゅうございました(涙)。

先週、試写で観せて頂いてましたが、感想を書き忘れてましたので、簡単に。


熊本が誇る若手演技派・高良健吾君主演の新作。 映画、出まくってます。

高良君、頑張って、いい味出してます。『蛇にピアス』、『まほろ駅前多田便利軒』、そしてこの作品と、彼がよく演じる役柄の系統が一つ出来たみたいですね。それが良いのか悪いのか、まだ分かりませんが。

で、『まほろ』にも出てた鈴木杏ちゃんが、これまた何となく似た系統の役で、ヒロイン。まあ、大胆な演技を披露してます。高良君と、あんなことや、あんなことや、あんなこと…(爆)。

それはともかく、話がつらくて救いもない上に・・・長い。話が話だけに、2時間以内に収めて欲しかったですね。収まったはず。

大森南朋のヤクザとか、キャスティングはそこそこいいんですけどね。

生きてらしたの?(失礼!)の緑魔子が、「いかにも」な役で出てたのは嬉しかったです。

つーか、先週は、火曜日=小百合樣(『ブッダ』)、水曜日=『デンデラ』ご一行樣、そして木曜日=緑さんと、60年代日本映画女優大会状態でした(苦笑)。

昨夜の業務試写で観せて頂いたのですが、いろんな意味で凄い映画でした。


浅丘ルリ子、倍賞美津子、山本陽子、そして草笛光子という錚々たる大女優の皆さんが、姥捨て山に捨てられる婆さん役を演じているというだけで、ア然。よく引き受けたなあ、この話。


他にも白川和子やら山口美也子やら角替和枝やら山口果林といったベテラン女優が大挙出演していますが、老けメイク(ノーメイク?)で誰が誰やら分かりません。


監督・脚本の天願大介としては、父上(今村昌平)の生前の偉業(『楢山節考』)に挑戦したかったのかな?などと考えてしまいました。


で、捨てられた婆さんたちは、山奥に自分たちだけのコミュニティを作って、自給自足の生活を送っているのです。後から捨てられた婆さんを助けては、仲間に入れるわけです。捨てられて気を失っていたところを助けられたルリ子さんは、目が覚めたら顔見知りだけど死んだはずの連中(みんな同じ村の出身)に囲まれているので、「やっぱりあの世に来た」と思い込んでしまうところが笑えます。


で、「デンデラ」という名前のこの村、婆さん限定。爺さんが捨てられても助けません。ここで今度は、婆さん版『アマゾネス』か?と思ってしまいました。


死生観などについて、なかなか良いセリフもあって、やっぱり変化球の『楢山節考』なんだな、と思っていたら…。


人食い熊が出てきてから、雰囲気が一変。婆さん軍団とグリズリーの果てしない死闘が展開します。しかも、グロ描写が結構気合い入ってます。女優さんたち、よく引き受けたなあ、この話(再)。


そう言えば、天願大介って、『オーディション』やら『十三人の刺客』やら、三池崇史作品の脚本も結構手がけてたよなあ。まさに、三池作品に通じるバイオレンス・アクション状態。


おまけに、村の創設者で100歳の最長老・草笛さんは、自分たちを捨てた村の連中を皆殺しにしようとして、みんなで村に乗り込もうとしたりします。おっ、今度は『丑三つの村』か?今に見ておれでございましたが、この計画は意外なアクシデントで挫折。


後半は再び熊の襲撃。数回にわたって繰り広げられる婆さんアマゾネスと凶悪マの決闘シーン、意外に見ごたえあります。

クライマックス、一人でカタをつけに行こうとするルリ子さんに「おせっかい好きだから」と山本さんがついていくあたり、ちょっと『ワイルドバンチ』風というか、ある意味ペキンパー入ってるのかな?とも思いました。最後に、旧日活所属だった女優さん同士でつるんでいるところが、映画マニア的にはツボでした。


6月25日公開。


↓こちらが原作本です。

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新聞に紹介記事を書かせて頂くことになっていたので、配給さんから内覧用DVDをお借りして観せて頂きました。というわけで、こちらも感想は簡単に。


マット・デイモンとしては『ボーン』シリーズ的リアル系アクションもの、でもフィリップ・K・ディック原作ということでSF風味、要するに『マイノリティ・リポート』を現代的(=リアリスティック)にした感じの作品かな?と観る前は思っておりました。


確かにアクションは控えめ。でも、いろんなドアが「どこでもドア」になって主人公たちがあちこち行くという、『インセプション』というか『ジャンパー』というか『モンスターズ・インク』な展開のビジュアルは楽しめました。


つーより、実はこれ立派な恋愛映画。いや、ストレートでベタなやつではありません。ご覧になれば分かります。


上映時間も105分とちょうどいい具合にまとまっていたので、一気に最後まで観ることができました。でも、やっぱり映画館で観たかったなあ…。

初日に観てきました。で、感想をごく簡単に。


いやあ、感心しました。ナタリー・ポートマン、頑張った!オスカーゲット、納得!


映画自体の出来も素晴らしい。

心理サスペンスでもあるのだろうけど、ヒロインの成長物語としてのカタルシスもちゃんとあって、ラストはなかなか感動。

で、これがまたナタリー自身の成長にもかぶっているところが、またよろしい。


確かにグロ描写も結構あるけど、R-15になったのは別の原因だったのね(主にヒロインの“役作り”の描写か)。


強迫観念が暴走しちゃうとホラー状態になるってのは、ある意味日本の怪談映画と似た図式かいな。


それと、私はやっぱりロシア系の音楽が好きなんだなあと改めて実感。