昨夜の業務試写で観せて頂いたのですが、いろんな意味で凄い映画でした。


浅丘ルリ子、倍賞美津子、山本陽子、そして草笛光子という錚々たる大女優の皆さんが、姥捨て山に捨てられる婆さん役を演じているというだけで、ア然。よく引き受けたなあ、この話。


他にも白川和子やら山口美也子やら角替和枝やら山口果林といったベテラン女優が大挙出演していますが、老けメイク(ノーメイク?)で誰が誰やら分かりません。


監督・脚本の天願大介としては、父上(今村昌平)の生前の偉業(『楢山節考』)に挑戦したかったのかな?などと考えてしまいました。


で、捨てられた婆さんたちは、山奥に自分たちだけのコミュニティを作って、自給自足の生活を送っているのです。後から捨てられた婆さんを助けては、仲間に入れるわけです。捨てられて気を失っていたところを助けられたルリ子さんは、目が覚めたら顔見知りだけど死んだはずの連中(みんな同じ村の出身)に囲まれているので、「やっぱりあの世に来た」と思い込んでしまうところが笑えます。


で、「デンデラ」という名前のこの村、婆さん限定。爺さんが捨てられても助けません。ここで今度は、婆さん版『アマゾネス』か?と思ってしまいました。


死生観などについて、なかなか良いセリフもあって、やっぱり変化球の『楢山節考』なんだな、と思っていたら…。


人食い熊が出てきてから、雰囲気が一変。婆さん軍団とグリズリーの果てしない死闘が展開します。しかも、グロ描写が結構気合い入ってます。女優さんたち、よく引き受けたなあ、この話(再)。


そう言えば、天願大介って、『オーディション』やら『十三人の刺客』やら、三池崇史作品の脚本も結構手がけてたよなあ。まさに、三池作品に通じるバイオレンス・アクション状態。


おまけに、村の創設者で100歳の最長老・草笛さんは、自分たちを捨てた村の連中を皆殺しにしようとして、みんなで村に乗り込もうとしたりします。おっ、今度は『丑三つの村』か?今に見ておれでございましたが、この計画は意外なアクシデントで挫折。


後半は再び熊の襲撃。数回にわたって繰り広げられる婆さんアマゾネスと凶悪マの決闘シーン、意外に見ごたえあります。

クライマックス、一人でカタをつけに行こうとするルリ子さんに「おせっかい好きだから」と山本さんがついていくあたり、ちょっと『ワイルドバンチ』風というか、ある意味ペキンパー入ってるのかな?とも思いました。最後に、旧日活所属だった女優さん同士でつるんでいるところが、映画マニア的にはツボでした。


6月25日公開。


↓こちらが原作本です。

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