ミスターYKの秘密基地(アジト)

ピクサーの傑作、アニメ版『グラン・トリノ』こと『カールじいさんの空飛ぶ家』。

ホントによかった。冒頭の5分でボロ泣きしたもんなあ…。


この作品のサントラ盤は、アカデミー作曲賞を獲得したにも関わらず未発売(ダウンロード販売のみ)でしたが、アメリカのIntrada社から1万枚限定でようやく発売!


作曲はマイケル・ジアッキーノ。この夏は『SUPER 8』に『カーズ2』と担当作品が立て続けに公開されますが、それに加えてこの朗報。夏のジアッキーノ祭りですな。


しかし、このジャケットのデザイン、やる気と作品への愛着があまり感じられないような…。最初見た時、一瞬『カールじいさん』だと気がつかなかった…(涙)。

夏~秋の宇宙人映画祭り第2弾。


事前の噂ではJJ版『未知との遭遇』、若干『スタンド・バイ・ミー』てな感じだったし、まあ『未知との遭遇』をJJ風味でやったというのは間違いないでしょう。


しかし、実は一番やりたかったのはジョージ・A・ロメロへのリスペクトだったんですな。1979年という時代設定は、『未知との遭遇』じゃなくて『ゾンビ』に合わせたものだったのかも。少年たちは誰一人口にはしなかったけど、恐らく『ゾンビ』に触発されてあの8ミリ映画撮ったと見た(エンド・クレジット=完成作品のセリフにはしっかり出てきますが)。


おまけに、物語のベースはほとんど『細菌兵器に襲われた街』こと『ザ・クレイジーズ』でしょ。少年たちの映画にもワクチン出てきてたし。


脚本のツメが若干甘いとは思うものの、私は好きです。

ダニー・ボイルの新作。

荒野のド真ん中の大きな岩山の割れ目の中で、上から落ちてきた岩に右手を挟まれて動けなくなった青年の実話を描いた作品です。


言ってみれば、『翼よ!あれが巴里の灯だ』、『老人と海』、『太平洋ひとりぼっち』と同様の「ひとりぼっち映画」の一種と言っていいでしょう。基本的に、主人公を演じたジェームズ・フランコの芝居だけで進行し、合間に回想が挟まれるというパターン。回想と幻想(妄想?)が混じっているあたりが、過去の作品にはあまり見られなかった手法。ここら辺がボイルらしいと言っていいのでしょうか。


この「ひとりぼっち映画」、空間も登場人物(ほとんど主人公だけ)も限定されるので、映画として魅せるにはかなり高度な演出力と主演俳優の演技力が必要とされます。『翼よ!』はビリー・ワイルダーとジェームズ・スチュワート、『老人』がジョン・スタージェスとスペンサー・トレイシー、『太平洋』は市川崑と石原裕次郎と、いずれも名監督と名優(裕次郎は一見ビミョーですが、結構頑張ってます)の組み合わせで、この課題に挑戦しています。


この作品は、監督がボイルなので良し。で、主演は『スパイダーマン』シリーズで2代目ゴブリン=ハリー・オズボーンを演じたジェームズ・フランコ。主役のピーター=スパイダーマンでオーディションを受けたらしいが、より演技力を必要とするハリー役に彼を選んだのは、サム・ライミの計算だったのか?


この映画の場合、ほとんど密室状態、しかも主人公が生命の危険にさらされたまま話が進む。雰囲気的に一番近いのは『太平洋ひとりぼっち』だと思ったが、こっちはとにかく切羽詰まりまくり。


実話ベースであるにしても、結末はこれ以外ないでしょう?という感じだったが、予想以上に熱く盛り上がっていたのにはビックリ。やっぱり、上手いんだねえ。

※分かる人にだけ分かる形ですがネタバラしてますので、以下は自己責任においてお読み下さい。


夏~秋の宇宙人映画祭り第1弾。


宇宙人の地球侵略を、ほぼ全編、ロスの高級マンションの敷地内に舞台を限定して描いた作品です。


マクロ的な物語を限定された空間と登場人物で描いているところは『サイン』。
それと、それに救いの無い結末の展開も含めて『吸血鬼ゴケミドロ』。
宇宙人が触手状のカメラで覗きに来るところは、新旧『宇宙戦争』。
宇宙人が地球人を吸引する描写と理由、そしてグロさ加減は新『宇宙戦争』。
有名スターが出てこないところと、最後の最後は『第9地区』。


いやあ、宇宙人映画のパク…もとい、オマージュのオンパレードですな。
あ、あとクライマックスは、ちょっと『恐怖奇形人間』も入ってるのか(宇宙人映画じゃないけど)。


でもまあ、宇宙人が侵略してくる映画が無条件に好きな(私みたいな)人にはおススメです。

コンスタントに続いている藤沢周平作品の映画化。その最新作は、『山桜』以来の監督=篠原哲雄&主演=東山紀之の組み合わせ。


非常に丁寧に作ってあると思います。上映時間も105分ときっちりまとめてあります。

中盤、新蔵が田鶴を探し回るあたりが、ちょっと間延びした感じ。


東山の主人公・朔之助は、なかなか良いのでは?ジャニタレの中では、時代劇の主役を張るのには一番良い人材かも知れません。新蔵役の勝地涼も適役かも。ただ、菊地凛子は時代劇には似合わんかなあ、と。


朔之助の妻が尾野真千子さん。ぶっちゃけ、あまり見せ場がない役と言えますが、雰囲気が非常にいいです。実物にインタビューしたことがありますが、キレ可愛かったなあ。関西訛りがまた可愛らしゅうございました。


朔之助の両親が、藤竜也と松原智恵子。藤さんもいい味出してました。松原さんも元祖キレ可愛い系女優さん。つーか、この夫婦、旧日活系だな。