京都ぶらり散策

京都ぶらり散策

京都が好きで年に数回訪問します。歴史と文化を感じられるこの街が好きです。

京都御苑の中でガイドツアーをやっている場所は、京都御所、京都仙洞御所、京都迎賓館がありますが、京都仙洞御所だけ見学したことがありませんでした

 

今回、暑い盛りではありますが、京都仙洞御所のガイドツアーに参加しました

 

京都仙洞御所のガイドツアーは、全て庭園の見学です

 

屋内はまったくありません

 

そのため、真夏は決して適した季節ではありません

 

少しでも涼しいうちにと思い、朝一番の9時30分の回で予約しました

 

 

今回見学した京都仙洞御所と呼んでいる敷地は、実は大宮御所と仙洞御所の2つから構成されていました

 

以前は塀で仕切られて分かれていたそうですが、今は塀はなくなり、ひとつながりの庭園になっています

 

それを総称して京都仙洞御所と呼んでいます

 

ここがちょっと分かりずらいところです

 

 

大宮御所は、元々は皇太后のお住まいでした

 

仙洞御所は、天皇を退位した上皇等のお住まいでした

 

「仙洞」は、地名ではなく、元々は”仙人の住み処”を意味します

 

また京都仙洞御所と、頭に「京都」を付けるようになったのは、2019年と最近のこと

 

これは東京に現上皇陛下がお住まいになる仙洞御所が造られたので、区別するため

 

今の京都では、大宮御所も仙洞御所も元々の役割はなくなってしまい、唯一残っている大宮御所の御常御殿が天皇皇后両陛下や上皇上皇后両陛下が京都に来た際の宿泊場所になっています

 

 

京都仙洞御所があるのは、京都御苑の東側、清和院御門を入ったところ、藤原道長が住んでいた土御門邸があったところのそばです

 

見学ツアーは、まず大宮御所の御常御殿(おつねごてん)からスタートします

 

江戸時代末に再建され、大正時代に内部を洋風に改装されました

 

 

庭園には、北池と南池の2つの池があって、今は堀割で繋がっています

まず北池から見学です

この辺りは秋に紅葉できれいに色づくそうです

 

北池と南池の間には、紅葉山と呼ばれる小高い場所もあって、もみじが植えられています

 

庭園は、最初は小堀遠州が設計して造りましたが、その後に後水尾上皇の好みに合わないということで、全面的に造り直されたとのことです

 

大きな石が配置されているところなどは、小堀遠州の作庭の名残だそうです

 

次に南池に移動してきました

きれいに整備されている庭園が広がります

 

八ツ橋というジグザグの形の橋が見えます

八ツ橋には藤棚があって、4月下旬頃だと藤の花が咲いてきれいだと思います

 

南池の西岸一帯は、石で洲浜が形成されています

洲浜は、楕円形の石が約12万個も敷き詰められています

 

苔もきれいです

 

庭園の南端に、醒花亭(せいかてい)という茶亭があります

 

最後にもうひとつ茶室 又新亭(ゆうしんてい)が案内されます

明治時代に近衛家から献上されたものだそうです

 

以上、1時間の見学ツアーでした

 

外国人も含めて約20名ほどの参加者でした

 

外国人は翻訳した説明が聴けるイヤホンを付けての参加です

 

この日は晴天だったので、直射日光が当たると暑いのですが、説明を聴く時は日陰を探して直射日光を避けます

6月に京都に来た時に訪問した、嵐山の福田美術館嵯峨嵐山文華館

 

今回もまた立ち寄ってしまいました

 

別の企画展を共同でやっているというのもありますが、真夏の灼熱の京都で倒れずに過ごすには、涼しい美術館は貴重だからウインク

 

涼しい上に、嵐山の雑踏を忘れさせてくれるほどに、閑散?としたところが好きです

 

さて今回の企画展は、福田美術館が「福田どうぶつえん」、嵯峨嵐山文華館は「嵯峨嵐山かちょうえん

 

ということで、親しみの湧くようなタイトルで、攻めています

 

二館共通券のチケットは、2300円と200円お得になっています

 

 

まずは福田美術館の「福田どうぶつえん」へ

 

いろいろな動物画を楽しめますが、圧巻なのは、トラです

 

明治中期から昭和前期の画家、大橋翠石(すいせき)が写実的で迫力あるトラの絵をいくつも描いています

 大橋翠石は特に京都に所縁がある訳ではありませんが、

 

1895年に岡崎で開催された第四回内国勧業博覧会に『虎図』を出展して「虎の翠石」と呼ばれるようになったそうです

その後、パリ万博 (1900年) で日本人で唯一の金牌を受けて、欧米でも高く評価されました

 

≪乳虎渡渓図≫

 

≪猛虎之図≫

 

二条城の襖絵などに描かれている狩野派のトラは、想像して描かれたものですが、ホンモノを実際に観察して写実的に描かれたトラは格別な迫力が伝わってきます

 

トラの絵といえば、岸駒(がんく)が京都に縁のある絵師として有名ですが、本展では鹿を描いた作品が展示されています

 

≪福禄寿図≫

鶴と鹿を描いた吉祥画ですが、2頭の鹿の表情と仕草は、実物を見て描いたんだろうなと想像できるほど、写実的です

 

犬や猫を愛らしい存在として絵に描くことも、江戸時代から増えてきました

 

こちらは「円山派」の祖、円山応挙が描いた子犬がたわむれる姿です

 

≪竹に狗子図≫

応挙は写生を重視した画家で、その流れは近現代の京都画壇に繋がります

 

 

次に嵯峨嵐山文華館の「嵯峨嵐山かちょうえん」へ向かいます

 

 

植物と鳥が描かれている作品ばかりを展示していますが、ここの展示で工夫されているのは、描かれている鳥の鳴き声を、QRコードをスキャンすることで、スマホで聴くことができる点です

 

 

こちらは今尾景年の作品

≪巻丹錦鶏図≫ ≪牡丹唐山雀図≫

 

今尾景年といえば、明治から大正にかけて活躍した四条派の日本画家で、南禅寺・法堂の蟠龍図が有名ですね

 

もうひとり京都にゆかりの深い日本画家は、橋本関雪

≪俊翼≫

オオタカが飛翔しているダイナミックな作品です

花鳥画としては、こういうのは珍しい

 

これらの作品を、広い畳敷きの展示会場で、ほぼ独占して鑑賞できます

 

下鴨神社に来たついでに、旧三井家下鴨別邸で夜間特別拝観をやっていると知り、再訪しました

 

三井家11家の共有の別邸として三井北家(総領家)第10代の三井八郎右衞門高棟(たかみね)によって、大正14年(1925)に建築されました

 

明治時代初期の望楼がある木造3階建の建物で、重要文化財です

 

 

事前予約をとれば、通常は上がれない2階も拝観できるようですが、訪問時刻が未確定だったので、予約なしで行きました

 

そのため、1階と庭園のみの拝観です

 

拝観料は1200円でワンドリンク付きです

 

ノンアルコールビールを頂き、和室のテーブル席に座って、庭を眺めながら飲みました

 

庭には、ききょうが咲いていて、ライトアップされた姿が可憐でした

 

 

 

庭に降りて、建物を見ると、これもなかなか美しい

3階の望楼にもほのかな灯りが点いています

 

庭にもイスがあって、のんびり寛ぐことが出来ます

 

 

池には、木々と石灯籠が鏡のように映り込んでいました

 

今回の京都旅行中に、下鴨神社御手洗祭(足つけ神事)をやっていたので、夕方になって行ってみました

 

今年は、7月19日(金)~7月28日(日)でやっています

 

 

土用の丑の日を挟んで約10日間やっています

 

土用というのは、季節の境目で、年4回あります

 

夏の土用は、夏と秋の間です

 

こういう季節の変わり目は、昔から不安定で災いを産み勝ちなことから、穢れを祓う風習があったようです

 

御手洗祭(足つけ神事)も同様な理由で、ご神水をに浸り、飲むことで、心身の穢れを祓い清める神事です

 

今年は、ひとり500円でした

 

2年前にも来ているのですが、その時は確か300円・・・

 

物価高騰の影響がこんなところにも表れています

 

かなりの行列になっていましたが、比較的スムーズに拝殿でお参りをして、受付をして進むことが出来ました

 

 

裸足になってズボンを膝上までめくって、水に足を浸かります

 

水は膝まで浸かることはありません

 

 

なかなか冷たい水です

 

でも暑い日だったので、気持ちいいし、何となく体が冷えて涼しくなってきます

 

石がゴロゴロしていて、足裏のツボを刺激して少し痛い・・・

 

 

受付でもらったろうそくに火を灯して、井上社に対してもお参りします

 

 

井上社は、御手洗池の水が湧いているところに社がある摂社です

 

祀られているのは、瀬織津姫命(せおりつひめのみこと)で、水神であり、祓い浄める女神です

 

祇園祭の鈴鹿山のご祭神と同じです

 

 

御手洗池から出ると、小さな紙コップでご神水をひと口飲みます

 

 

これで身体の内側からも清めてもらえます

7月24日に行われた、祇園祭後祭の山鉾巡行を観ました

 

一昨年に観たので、これで2回目です

 

前日の天気予報では、途中から雨が降り出すというもの

 

そのため、巡行前に各山鉾の準備状況を見て回ったところでは、ビニールシートを架けていたり、また絶対に濡れてはいけない重要な懸装品は使わない判断をしているところもありました

 

でも当日になると天気は徐々にいい方向に変化し、空は明るくなり、晴れ間も出てきました

 

さて観覧する場所ですが、花笠巡行を先に観たので、後半のルートを狙うことになります

 

花笠巡行を観覧しながら四条通を確認しましたが、ここは道路の両側ともに人でいっぱいです

 

花笠巡行を観た人が、そのまま山鉾巡行も観覧しようと残ると思われます

 

裏道を通って河原町通に行ってみると、観客はずっと少なく、日陰になっている東側でも、ところどころに空きスペースが見られます

 

日なたの西側は、観客はまばらにしかいません

 

ということで、日陰でゆったりと観られる河原町通の東側に陣取りました

 

巡行順に各山鉾のトピックを紹介します

 

橋弁慶山

前懸は今年、復元新調されたもので、5頭の龍があしらわれています

巡行前は、雨除けのビニールシートを被せていましたが、本番では外してくれました

 

北観音山

今年はくじ取らずの2番目

南観音山と毎年交代することになりました

 

見送だけはビニールシートで覆っていましたが、他は外して巡行してくれました

水引など鮮やかな文様です

 

黒主山

今年の山一番です

 

見送りは、隔年で使われる「牡丹双鳳凰文」です

鮮やかです

 

鯉山

雨に濡れることを懸念して、ご神体の鯉は乗せなかったそうです

そして本来は古代ギリシャの叙事詩「イーリアス」のタペストリーを裁断して仕立てた豪華な前懸、水引、見送で飾られますが、黒字に鯉の文字のシンプルな装飾となりました

 

参考までに2022年に写した本来の姿はこちら

 

鈴鹿山

瀬織津姫命(せおりつひめのみこと)の着物や前懸けは、ビニールで覆われて、少しぼんやりしています

 

瀬織津姫命をズームアップ

 

南観音山

下水引が、加山又造の原画による楽器を奏でる天女が舞う「飛天奉楽」だったら、もっと鮮やかなんですが・・・

 

浄妙山

アクロバティックな人形の動きは、巡行中にはうまく写真に撮れなかったので、巡行前の朝に撮った写真です

 

八幡山

雨除けのビニールシートに全体が覆われてしまっていて残念でした

鳥居の笠木に乗って向かい合う鳩の姿も見つけられませんでした

 

役行者山

山伏が法螺貝を吹きながらの巡行です

ご神体の人形にはビニールシートがなくて良かったです

 

なお今年は、役行者山で粽を購入しました

 

鷹山

まだ白木の屋根が初々しいです

この後で、屋根が電柱にぶつかり、屋根の一部が落下するという事故が起きました

 

見送りの鷹が凛々しい

 

 

そしてトリを務めるのは大船鉾

舳先は、金幣と龍頭が毎年交替で飾られますが、今年の干支の龍に合わせて龍頭にしたそうです

(コロナ明けの2022年から調整済み)

 

今年、車輪が新調されました

白木の状態での巡行は、今年限りです

 

観覧した場所では、最後の大船鉾まで天気は良くて、たいへんラッキーでしたニコニコ

 

しかし、この後にゲリラ雷雨雷が突然襲い、大船鉾は最後に土砂降りの雨の中での巡行となってしまいましたガーン

 

たぶん多くの山鉾が、何かしらゲリラ雷雨の影響を受けてしまったと思われます

 

今年の山鉾巡行は、前祭・後祭とも、いろいろとアクシデントが多かったのが、残念でした