さて、2020年大手メーカー新製品シャフト紹介の第三弾は、
ツアーAD HD
を試打してまいります。
使用したヘッドは、例によって、私のエースドライバー、
→GTDドライバーでいちばん飛ぶ、 455プラス2ドライバーを試打
今回のグラファイトデザイン ツアーAD-HDの試打シャフトは、
いちばん売れ行きのよい50g台のシャフト(59g)
いつもと同じ45.5インチで組み上がった状態は
305gのバランスはD1、振動数は254cpmでした。
50g台のシャフトとしては、ほぼVENTUSブルーと同じ数値の仕上がりぐあいですね。
素振りしてみると、ちょっと重ために感じますので、
軽めの60g台にも近い感じです。
▍ツアーAD HDのデザインはどうか?
ここ最近の大手メーカーの特徴なんですかね。
スペックの入った表部分のロゴやスペック表示などが、
あまり控えめでなく、「DESIGN」の文字も「HD-5」の文字もデカデカと入ってます。
ちなみにここ最近のツアーADのシャフトデザインと比べますと…
…あまり変わってはおりませんね(笑)
ただの色違いです。
ただし、ひとつ前のモデルのツアーAD XCからは、
それまでツアーADの特徴だった「横のシマシマ」の上部分も、下部分も
同じ色になりましたね。
これまではツアーADと言えば、2色使いで、シマシマの下のグリップに近い部分は「白」と決まっておりましたが、おそらく「もう使える色がねえぞー」ということで
意匠変更なのでしょう。
で、今回は「白」です。
なので、裏ざししてみると…
こんなカンジの、ただ白い棒にヨコシマが入っただけの素っ気ないカンジになっちゃいます。
(だからと言って表挿しにする気にもならないしねぇ)
ちなみに今回も(つまり毎回)先端部分の表(スペックなどのある側)には
「ACCURACY & DISTANCE」という文字が、同じデザインで入ってます。
「ACCURACY」というのは「正確さ」という意味ですね。
▍ツアーAD HDのの弾道はどうか?
さて、試打してみます。
その前に、まずはウォーミングアップをかねて、現在のエースシャフトである、フジクラVENTUSブルー50-Sを打って、計測してみました。
おやおや、あまり調子がよくありませんね。
いつもよく出るボールスピード62は1球しか出なくて、
平均飛距離も低めで、250Y台が出ずに、つかまりも少し悪い感じです。
はい。
練習不足です(笑)
で、
ツアーAD XCに持ち替えてみました。
ワッグルと素振りをしてみると、あまりしなりを感じず、
(ディアマナTBよりもしならない)
キックポイントは中ほどでしょうか。
まんべんなく、少しだけ適度にしなって、
しなり戻りは早そうです。
「クセのないしなり」とも呼べますが、あまりしならないので「素っ気ない」とも言えます。
でも、フルスイングで早めに素振りしてみると、
「あ、コイツも中程から先端の剛性が高くて、当たり負けせず、シャフトの重さがボールに乗って、棒球が出やすいシャフトだな」ということがわかります。
要するに最近のシャフトの典型です。
フジクラVENTUSブルーのキックポイントを真ん中へんに持っていって、
全体的にまんべんなくしならせるようにして(最先端はあまりしならないかもしれない)、
でもしなりの幅は狭めて、方向性を大事にしているようなカンジ。
素振りの感じで直感したのは「これはツアーAD TP」の後継機なんではないか?
ということです。
「ツアーAD TP」というのはツアープロにものすごく好まれたシャフトですね。
今でもたまに注文が入ったりします。
実際に打った弾道はこんなカンジ
…なんですが、
実はこの計測の前に2球ほど右へ大きくスライスとプッシュアウトしておりまして、
あまりにも恥ずかしい球だったので、「あ、今のナシね」ということにしておりますww
その2球で直感したことは
「このシャフトはきちんと捕まえに行くシャフトなんですな。ヘナチョコに打つとつかまりませんな」
ということです。
つかまりは、あまり強くないので、確実にアスリート系のシャフトです。
まさに、かなり以前に試打したグラファイトデザインTOUR AD TPと同じような印象です。
なので、
心を入れ替えてしっかりと捕まえて打った次の2球が、左めに軽いドローで飛び出した弾道です。これ、けっこう飛んでおりました。
着地点はこんなカンジの黄色の丸内の5球なんですが、
最後の2球は少しつかまりをコントロールできてます。
しかし、驚くべきは、
この弾道の高さの揃いかた!
そして飛距離の揃いかた!
んで、飛距離的にはVENTUSと同じくらい出てますが(2y多い)
なんと、ランが平均で40Y出ております。
最大飛距離は…
241Yですね。(黄色がツアーAD HDで、赤がVENTUS)
調子よければ、かなり飛距離は出ると思います。
あと、私はヘッドスピードが43前後しかない中年ゴルファーなので、
このシャフトの場合、ロフトを1度上げて打つといいかもしれません。
ロフトを寝かしてキャリーを出しても、そもそもランを出してくれる棒球製造シャフトなので。
ですが、
このシャフト、誰でも簡単に飛距離が出るシャフトかと思ったら大間違い。
上記の5球、かなり本腰入れて打ってます。
シャフトがオートマチックにサポートしてくれるような雰囲気は微塵もなく、
いい意味で言えば、「イメージどおりの球が出るシャフト」なので、
その意味ではツアーAD TPのように、まさに「プロに好まれるシャフト」だと思います。(実は、この後、捕まえにいって、チーピン何度か出しました。)
このシャフトは腕前のある人であればあるほど、その性能を発揮すると思いました。
でね、
未熟な腕ながら、私でも「今のはうまく打てたぞ」って思える時があるんですが、
その時の球の伸び具合、棒球具合、キャリーの大きさ、ランの多さ、
ハンパないです。
ヘナチョコに打つとヘナチョコ球になり、
いい球打つと、すばらしいご褒美をくれます。
その「ご褒美」のデカさが、他社のどのシャフトにもないくらいデカいです。
もう、ズドーンと、波動砲のような心地よさ。
五寸釘をハンマー根元まで一気に木材に打ち込むような、快感。
つまり、必ず飛距離が出て、風にも絶対負けず、ラフやOBまで曲がることもない、
一本の「芯」の通ったような球が出るんですよ。上手く打つと。
それが、このシャフトの特徴!
あと、私なんかの場合、最初から「ぜんぶ捕まえに行く」と決め打ちできるのは嬉しいです。
要するに「左が怖くないシャフト」です。
ヘッドがカブるとチーピンしやすいですが、
「やや開いたフェースの向きより、さらにインサイドアウト」というドローの打ち方ですと
大きく左に曲がって隣のホールまで行っちゃう、
…みたいな球は1球も出る雰囲気、ありませんでした。
そもそも弾道は、(フカさないように打たなきゃならないこともあり)
やや低めの中弾道です。
腕に自身のあるアスリートには、かなりオススメです。
球を地面と平行に、「分厚くミートできる人」向けですね。
曲がらないし、飛距離も相当プレゼントしてくれると思います。
(「ACCURACY & DISTANCE」ですね)
決してハードスペックすぎる! というわけではないんですが。
(このあとディアマナTBを打ったら、けっこう楽に感じました)
ディアマナTBを選手向けにしたようなカンジ??
→2020年NEWモデル、フジクラEVOLUTION7を試打
→2020年NEWモデル、GTD 455プラス2ドライバーを試打
→GTD 455プラス2ドライバーとツアーAD HDの組み合わせ