ギア好きが高じてクラブ販売に関わる生活になり、クラチャン連中や研修生などと試打やラウンドをするようになったので、「よく飛ぶドライバー」について個人的なランキングを作ってみました。
私のヘッドスピードが41~43m/sといったところなので、
ヘッドスピード40~45m/sのゴルファーにとって飛びを実感しやすいドライバーと思っていただければ幸いです。
ちなみに筆者は、スイング的には元々スライサーだったけど、今は球筋は軽いドローが好きで、
どちらかというとボディターンな感じの先中調子好き。スピン量ごく普通。中肉中背、弾道は中弾道。2021年の総ラウンドのアベレージスコアは85.25、ベストスコア75、ドライバーショット嫌いなので平均飛距離は集計してませんが飛距離計測器でよく見る距離表示の数字は230Y〜240Y。「今日イチ?」みたいな飛びだとだいたい250Y前後です。
※シャフトとの組み合わせは「好みによって飛び方がぜんぜん違う」ので、それらとの関係性については、また今度考察してみたいと思います。
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飛ぶドライバー2023年【地クラブ編】
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1位 GTDゴルフBlackIce the MAXドライバー(GTD MAXドライバー) ←NEW!
GTDゴルフの最新ドライバーですね。
やっぱりGTDは飛ぶなぁ。
これまでGTDのドライバーは、やや小ぶり(450cc程度)のディープフェースのゲンコツ型ばかりだったんですが、コレは460ccのフルサイズのヘッドで、ややシャローで、カタチ的にはPINGの大型ヘッドのドライバーのような感じで、現在主流となっているドライバーに対して違和感を感じない大きさです。
とにかくスイートスポットがバカでかいので、思い切って振り切れますし、めちゃくちゃ簡単なので、ムチャしてマン振りしてもミスしにくく、0.5インチくらい長めで組んでもヘッド体積が大きいぶん、むしろ「短く」感じるので、シャフトを長めに組むこともできます。
もちろん、
GTDならではの「初速の速さ」は健在(やはりダントツか?)
なので、あらゆる面で「飛ぶ」と。
んで、実際に打ってみると、その通りである、と。納得。
・1発の飛距離では、めちゃ飛ぶ。
・しかし、それが簡単に連発するので平均飛距離でも飛ぶ。
・多少のミスヒットでも、けっこう飛距離を稼いでくれて、飛ぶ
・しかも曲がりがとにかく少ない。ミスでもとりあえず200yは越してくれる
・慎重に打つコントロールショットでも、普通のドライバーのように飛んでいる
・HSの早い人から遅い人まで、幅ひろい人が楽にオートマチックに飛ばせる
・カチャカチャ式で自分に合ったシャフトに付け替えれるので、飛ぶ
…といった感じで、バランスよく飛び性能を高次元で兼ね備えているので、堂々の1位です。
まあ、GTDのドライバーは飛ばないモデルを出して来ないんですが、
このドライバーは難しさがまったくないので、誰でも飛びを実感できるので人気です。
構えたカンジはテーラーメイドのSIM2なんかよりちょっとだけヘッドの投影面積が大きく感じます。PINGの大型ヘッドにかなり似ています。(でもスイートスポットはもっとデカい)
シャローなのでボールは上がりやすいんですが、
でも、絶対にフキ上がらない!
ロフト9°のディープヘッドで高弾道に打ったような超棒球弾道で飛んでいきます。
なので、「安定性」とミスヒット許容率は、流通しているドライバーの中でも最大級で、
とにかくぶっ叩けます。
そして、曲がらな〜い(特に思った方向と逆には)
嘘いつわりなく、
とにかく簡単に、とにかく棒球を連発してフェアウェイキープしてくれそうです。
これまでのGTDドライバーは、やや中上級者向きのカンジがあったのですが、
このドライバーは、とにかく簡単に打てるので、球が上がる、ミスヒットによる飛距離の減少が少ない、ミスヒットによる曲がりが少ない、といった特徴が顕著です。
ウチにはテーラーメイドのSIM MAXとSIM MAX DとSIM2 MAXの3種類のドライバーがありますが、同じシャフトで打ち比べても、安定して10Yほど飛んでます。
コレはハッキリ言って「傑作ドライバー」ですね。
ただ、「捕まり」はこれまでのGTDドライバーよりかなりよくなっているので(SIM MAXとSIM MAX Dの中間くらい)
簡単に、安定してハイドローが打てて飛距離を稼ぐのにはいいですが、意図的にフェードを打つ作業がちょっと難しいです。
逆に言えば、スライサーで飛距離を損している人には、間違いなくオススメです。
2位 NEWプログレスBB6ドライバー ←NEW!
プログレスという新興メーカーが出したバカ売れドライバー「BB4」の後継機種で
「BB4」→「BB4 sb01」→「BB6」という流れで、第三代目となります。
売り出した途端に欠品という品薄状態は解消されて、わりと手に入りやすくなりましたね。
初代のプログレスBB4ドライバーは、
非力な方、スライサーの方が使うと、いつでも安定して飛ぶというところに特徴があったのですが、「BB4 sb01」→「BB6」と進化するにつれて、
かなり普通のドライバーになりましたね。
決して捕まらないヘッドではないのですが(わりと捕まる)
・フックフェースがなくなって、フェース角はほぼスクエア
・肘を痛めそうな硬い「ガキッ」という打感は解消されて、かなり普通にいい音
・ソールにはいろんなシワとかミゾとかありますが、全体的なフォルムは、アスリートでも好みそうな、かなり普通なセミディープ
…というところで、スピン量も少ない(低スピン)ですし、
なによりもヘッドスピードが低めの時に叩き出す反発と初速がすごいです。
ソールのフェース側に「ジャバラ」のような溝が露骨に入っていて、簡単に言うと、ヘッド自体が「トランポリン」のようにボールを跳ね飛ばします。それは初代から変わってませんね。
だからヘッドスピード40m/sとかでも初速が60m/s近く出るわけです。
あと、スイートスポットがかなり広くて、
ミスショットが少なかったです。
1位のGTDドライバーほどではありませんが、かなり簡単な部類のヘッドです。
前のモデル「BB4 sb01」との違いは、
(1)構えた感じではシャローバックになって
(2)違和感のあったフックフェースの度合いが減って
(3)ソールにあった「ジャバラ」の面積が増えました
あと、フェースの面積が増えたせいか、なんとな〜くミスヒットも少なくなって、打感も向上した感じもします。
そして、とにかく高弾道で、捕まりがよい!
ヘッドスピードが40位や、それ以下の方、シニアの方、スライサーの方、
あるいはキャリーだけが欲しいという方の場合は、かなり満足できるのはもちろんなんですが、
今回のBB6は、シニアに限らずアスリートゴルファーでも十分に武器として使える汎用性を獲得したと思います。
なので2位といたしました。
正直いって、私、コレ、ほしい。
3位 エミリッドバハマCarlvinson CV8ドライバー
2023年に入ってもまだまだ現行モデルで、
まだまだ飛距離性能は高いですねー。
ランキングから落とせない性能です。この上位3機種はどれもトップレベルの飛距離性能まちがいなしですね。
まるで刺青のような凝ったソールデザインが眩しい、四国松山の地クラブ「グランプリ」の別ブランド「エミリッッドバハマ」
写真のヘッドはカスタムバージョンのブルーメタリックなヘッドですが、
通常は黒いヘッドで、その他に白いヘッドやら艶消しやらがあります。
試打したのはロフトが10.5°、シャフトはTourADのPT-6-Sの45.5インチ。
TourAD-PTシャフトはそこそこ飛ぶシャフトですが、決して「飛距離最優先」のシャフトではないだけにこのドライバーの飛距離性能がダイレクトに感じられました。
グランプリにしろGTDにしろロッデオにしろ、いちど「爆飛びドライバー」を開発したメーカーは
「飛ぶドライバー作りのコツ」みたいなものをつかんでるし、前作より飛ばない後継機を発売するわけにはいかないので、(少しづつでも)飛びの進化が続いているカンジです。
で、このエミリットバハマCarlvinson(カールビンソン)CV8ドライバーは、とにかくフェースがディープで、ギリギリまでフェース面の反発を有効活用しようとしてるカンジで、それが成功してるみたいです(しかもヒール側まで広い)。
そして、体積的にはちょうどよい「やや洋梨型のミッドサイズ」で、構えたカンジがとてもしっくり来て、しかも弾道がイメージどおりで、弾道もちょうどよく、わりと簡単にボールを最高到達点まで押し上げる力がありました(1球めからベストボール)。
構えた時のヘッドの形状としては「理想的な大きさの理想的な洋梨型」と感じる人が多そうです。
いかにも飛距離を出したい(叩きたい)人向けのクラブです。
シニアにはちょっとキツイかな。
測定ではややドロー回転がかかっていますが、
これはあまりにもハンドファーストでインからドローめに打ちやすいので(すると飛距離が伸びるので)、そればっかり打ってたせいなんですが、
実際、GTDのブラックアイス460ドライバーなんかのすぐ後に打つと、途端に右プッシュばかりになります。
決して「捕まりがすごくいいヘッド」ではないですね。
むしろ、左にダックフックするのが怖いハードヒッター向けだと思います。
(そもそも地面にポンと置いた時点でフェースがちょっと開いてます)
打球音(打感)はやや高めの金属音で、以前のエミリッッドバハマのような「がらんどうのヘッドで弾く」感じではなく、ちゃんとボールを潰して、乗っけて、押し出す感覚もプラスされてます。
でも(気に入ったので)、このクラブで実際にラウンドもしてみましたが、GTD460や、バルドのような「バシュッ」っていうカンジというよりか「ペケーン」ていう感じかな。
WAOWWドライバーのような「誰でも飛ばせるヘッド」ではないですが、ある程度力がある人なら「叩いたぶんだけ飛ぶ」というカンジで、ヘッドスピード43の私なら十分な恩恵。初速もスピン量もかなりの高レベル。
個人的に嬉しかったのは「ハンドファーストで打つ」のがとにかくやりやすかったこと。
ハイドローで飛距離を稼げたので第2位です。
惜しむらくは、ディープフェースすぎるぶんだけ、上下の打点のバラつきによって球が揃いづらく、アッパースイングのチーピン持ちには要注意。(これだけフェースがバカでかいんですが)いつもスイートスポットに打点を合わせてレベルに振り切れる中上級者以上の方にオススメです。
4位 バルド CORSA PERFORMANCE 458ドライバー ←NEW!
そもそもバルドというメーカーのドライバーは、造形といい、飛距離といい、打感といい、ほぼ数年前から完成の域に達していて、どのドライバーを打っても飛ぶし、毎回の新製品でも「特別大きく進化したなぁ」と感じるわけではないのですが、
改めて何本もの新作地クラブとうち比べてみると、やはりいい測定結果が出たですし、気持ちよくブッ叩けたので、第3位です。
試打したモデルは2月に発売されたCORSA PERFORMANCE 458ドライバーの458ccモデル10度。シャフトはクレイジーの9-PTシャフトがついていて、45.75インチくらいです。
構えた感じは458ccあるの?って感じでやや小ぶりな、いかにも地クラブ的なディープフェース。…というか、今までのバルドとの違いが、比べてみないとわかりません(その意味ではバルドファンにとっては安心感)。ドローにもフェードにも操作しやすい感じです。
スコアラインとスコアラインの間に、レーザープリントされたらしい細いラインが何本も入っていて(どんな効果?)、何よりも特徴的なのはソールのデザイン。
中央部に斜めにウェイトビスを配置してるわ、カーボンぽいパーツも使用してるわ、お尻のほうは凝りに凝ったハニカム構造をしてるわで「よくぞこの価格(税別7万円)でこのヘッド作れたね」といった感じ。
こと造形面ではバルドがいちばん芸術的でカッコよく感じました。
クレイジのシャフトだったせいもありますが、弾道は軽いドローで、中弾道。ヘッドの特性自体がニュートラルなので、装着するシャフトによってお好みの弾道に合わせやすそうですが、よほどヘンな打ち方をしないかぎりスライスは出ないので、どちらかといえば捕まりはいいほうだと思います。
打感(打球音)は「さすがバルド」といった感じで、今回打った10数法の中でもいちばんの好感触。ソールのハニカム構造がヘンな振動を吸収してるみたいで「バシュッ」とか「バメシッ」とかいう、いかにも玄人好みの「捕まえた音」が出ますし、スイートスポットも広めです。
特に難しいわけではないのですが(というか楽なほう)やはり「叩いてナンボ」という飛距離の出し方を求めるクラブなので、中上級者以上の方に向いていそうです。
5位 グランプリG8ドライバー ←NEW!
エミリッッドバハマCarlvinsonドライバーにも似たテイストですが、ヘッド形状はもうちょっと小ぶりで丸く、ヒップラインも高いので「ゲンコツ型」とも呼べる形状。なのに、弾道が非常に安定していて、その意味では親戚関係にあるエミリッッドバハマよりフェアウェイキープ率やら平均飛距離やらがデカそうです。(でも飛距離的にはエミリットバハマには及びませんでした)
フェース面は、今回打った12モデルの中で最大ですが、エミリットバハマのような上下の打点のバラつきに対しては寛容。フェース面を掘ったスコアラインがなく、キャロウェイのようなレーザープリントのデザインのみなので、ヘッドスピードの高い飛ばし屋にとっては、「フェース割れ」の心配が少なさそうです(だいたいスコアラインのあたりから割れるからね)。
試打したクラブはロフト10.5°で、シャフトはDERAMAX(デラマックス)020dのXフレックスの46インチ。
デラマックスはそもそも長尺でも非常に安定性の高いシャフトなんですが、
それにしてもミート率が高く、ほぼだいたいの打球が「使える球」の連発でした。
飛距離性能の高いヘッドに、安定性のあるシャフトの組み合わせがよさそうなエミリットバハマに比べ、こちらのグランプリG8ドライバーは逆に、「飛距離性能の高いシャフト」に「安定性のあるヘッドの組み合わせ」で使用したいゴルファーに向いていそうです。スイートスポットはバカでかいです。
長尺で使用したせいもあるんですが、弾道は高めで、つかまりも普通(あなた次第)。
とにかく「キャリーが出る」「めちゃめちゃなミスヒット弾道が出ない」という感じ。
ただし、1位のGTDや2位のエミリットバハマに比べややスピン量が多いせいか、ランは(ちょっとだけ)少なめに感じます。
打感(打球音)は、実に最近の地クラブの「標準的な音」という感じで、特に良くも悪くもありません。ですが、以前のグランプリのヘッドのような「カラーン」という空洞で打つようなカンジではなく、きちんと「球を押す感じ」で飛ばせます。
6位 WAOWW(ワオ)RV-555 TypeSドライバー ←NEW!
前作RV-555ドライバーよりシャローヘッドにして、さらに安定性を増した感じの「Type-S」
明らかに「ヘッドスピードやや低めの人」をターゲットにしている感じで、HS43以下の方にとっての安心感という意味では1位のGTD460ドライバーより高いかも。
試打したクラブは、たぶんロフトが10°で、シャフトがArch(アーチ)の16609pの46インチ。
Archというシャフトは、そもそも「1発の飛び」より、再現性を元にした「平均飛距離」に重点を置いているシャフトなので、
ヘッドとシャフトの相乗効果も相まって、まさに鬼に金棒。「安定性の鬼」と化したクラブです。
なので、実際のところヘッドスピード43のややシニアぎみの私に、このドライバーで250ヤードを越すティショットを打つことは難しかったのですが、逆に、220ヤード以下のボールを打つことが難しかったのも事実。
そう。コレとってもバランスのいい、(ロッデオとは逆で)すんごく簡単なドライバーなんです。
人気が出た理由が、2、3球打てばわかります。
ほら、マックテックの高反発ドライバーが出た頃、「すげえ飛ぶな」と話題になったじゃないですか。
あんな感じです。すんごく簡単に、心地よく、ヘッドスピードの低めの方でも飛距離の恩恵を受けやすいドライバー。
そして、弾道計測では、みごとに球がセンターに揃ってましたし、何度打っても同じような球しか出ないので「打ち直し」が少なくてすみました。とにかく「何も考えずにオートマティックに打てば、それなりの飛距離を叩き出してくれる性能」が高いので5位にしてみました。
構えてみるとヘッドがお尻に向かって長くたなびいた、投影面積の広い「いかにもシャロー」なカンジで、フェース面もシャローです。
フックフェースな感じもなく、とちらかと言えばスライサー向きで、つかまりは良いのですが、ヘッドがターンしてくる速度が緩やかなので「つかまり過ぎ」も感じられません(そこらへん進化してる感じ)。
打感(打球音)は、やや高めの金属音ですが、特に特徴的なことはなく、カーボンを使わない地クラブのチタンヘッドは、最近ではほぼみなおんなじ音だと言っていいのかも。
もちろんこれだけシャローですから、ある程度のスピン量の増加はやむを得ないので、ランが少なめですが、キャリー的には十分で、
もし仮に「続けて100球、200Y超えフェアウェイキープ選手権」があったとしたならば、私はこのクラブを選ぶと思います。
(「続けて50球、220Y超えフェアウェイキープ選手権」だとしたらGTD460を選ぶかも)
ヘッドスピードが45以上ある人だと、もしかしたらフケ上がるかもしれません。
7位 ロッディオTYPE-S ドライバー
最新の製品ではなくて、少し前のモデルです。
でも上級者に相変わらずの人気ですね。
最近、LPGA飛距離女王「葭葉ルミ」プロがJBEAM435から乗り換えたことでも有名です。
「新しければ飛ぶ」というわけでもないんですねー。
「オノフ」を出しているグローブグローブライド(旧ダイワ精工)の地クラブ的上位機種なのですが、打ってみて実感。
初速、スピン量、構えた感じ、弾道、ともに実に上手いバランスで作り上げられていて、
「これをランキング上位に持ってこないわけにはいかないだろう」という感じです。
飛距離的にはGTD455Plus2とと遜色ないほど飛びますし、低スピンなので左右にも曲がりが少ないです。
…っていうか、こいつの打った「ボールの飛び方」、GTD455Plus2とかなり似てなくね?
「ボールの飛び方」っていうのはつまり、「初速と、打角と、スピン量による弾道曲線と、ラン」なわけですが、
いつまでも一直線に飛んでいくんじゃなくて、途中からドローンと緩やかな弧をえがきはじめ、
地面に真上から落ちるんじゃなくて、なるべく斜めにランディングして、前に跳ね、
地面でもゴロゴロ勢いよく転がって、前へ前へと進んでいく、
「その様子」ですね。
このドライバーはまぎれもなく飛びます。
ただし
「ボールを潰せる感触を楽しめるようなヒッター向け」であることをお忘れずに。
ヘッドスピードが40あたりの方ですと、もしかしたら全然飛ぶ実感ないかも。
…というわけで第5位です。
GTD455Plusと比較して感じる大きな違いは、
「打感」です。
GTD455Plusのほうは、打った瞬間にフェースが反発して、初速早めで「パシュ」っと弾くような音がします。
「ザ、発射」です。英語で言えば「ランチャー」です。
それに比べると、RODDIOタイプSのほうは、打った瞬間ボールがつぶれてフェースにくっついて、それを遠くに放り投げるような感じです。フェースによる反発の感じはすごく低いです。
それはまるで(いささか大げさに言えば)木製バット感覚です。
そして「打球音」も、そのような「くぐもった音」
決して嫌な音ではないですが、爽快感は少ないです。かなり異質です。
「パシュッ」とかいう「響き渡る音」ではなくて、
ジェルかフォームを多く注入したヘッドのような音でした。
なのに、飛んでいくボールの勢いはスゴいんです。←そこがツボ。(ひっつくだけのクラブならいくつもある)
なので、
ヘッドスピードが43以下くらいの方ですと、
「これ買ったら簡単に飛距離が伸びた」という実感は得にくいかもしれません。
(そこらへんが「ストライクゾーンの広いGTD」との違い)
アスリートっぽさついでに言うと、そんなに「簡単なクラブ」ではありません。スイングと腕を選びます。
あと、
「構え」は、ちょっと前の、RAZR FITの頃の、キャロウェイの、
いわゆる「砲弾型」のフォルムをしていて(フェース面の形も似ていて)
とてもヘッドの曲線がきれいで、まっすぐ前に飛ぶような気がする。
あと、ボールに直進性が高いので、「曲がりにくい」です。
少し開いて当たっても、スライスしづらく、右プッシュで収まりそうです。
なので、「ひっぱたくのが好きな人」が、最大限に恩恵を甘受できるタイプのドライバー。
BB4のように、「誰が打ってもキャリーが出て、簡単に飛距離が伸びて」という感じではありません。
あと、GTDと違ってカチャカチャ式じゃないので「シャフトとの相性合わせ」が一発勝負なので、そこが残念。
ちなみに「S-Series」のシャフトは先中調子で、じゃじゃ馬すぎないクレイジーLY-01みたいな感じで、こちらもGoodでした。
8位 エポン AF-155i ドライバー
今時の飛びのテクノロジー満載のエポンの現行モデル。
日本版キャロウェイのドライバーヘッドを長らく作ってきた遠藤製作所(ブランド名はEPON)だけあって、ずらりと並べた飛び系地クラブの中でも初速がちょっと早い感じがして、これも心地よく飛びます。
つや消し真っ黒なカーボンクラウンで、シャフトの付け替えができるカチャカチャ機能付きなのが嬉しい。
前作エポンAF-153を改良しまくったカンジで(明らかに低スピンになったと思う)、シャローフェースながら低めのスピン性能を発揮して、なかなかよい弾道が連発します。
GTD Code-kややWAOWW(ワオ)やプログレスBB4ほどには優しくなくて、打点がバラけると「ミスった!」というフィードバックがきちんとあるし、具体的に言えば、トゥやヒールでの打点だと確実に飛距離は落ちる。
つまり、アスリート向けに、きわめて真面目に作られた、バランスのよいドライバーだということですか。(私個人の感想では)
構えた感じは、決して「洋梨型」に見えないよう、ヒールの部分に膨らみがあり、
ちょうどよい大きさの投影面積で、安心感が大きい。
私個人としては違和感は、なくて、普通のシャローフェースドライバーのように叩けます。
打感と打球音は、それなりに金属感のある響く音で、それなりに爽快で、
弾道はロフト11度だったこともあり、高めのドローンとした棒球な感じ。
ついてたシャフトがRAVEのインパクトボロンのSRだったせいもあるけど、「捕まりすぎ」ということもなく、スライサーからフッカーまで広いレンジのスイングのゴルファーが使える。
カーボンで、カチャカチャ付きなんだけど、
それ以外では、弾道も、打感もそれほどの特徴が少ないように感じられます。
特筆すべきところが見えづらいんだけど、初速は早く、ボールは、確実に飛ぶ。
そして、逆に(打点のバラつきにちょっとだけシビアなところを抜かすと)
欠点らしきものも見当たらない、アスリートには安心して購入できるドライバーだと思います。
9位 クレイジーCRZ-460Sドライバー
発売から少し時間が経ちましたが、これもクレイジーの最新ドライバーです。
ヘッド後端が後ろに伸びて、投影面積の大きい部類のシャローモデルです。
飛距離を出すためにはフェースがディープ(フェースの縦幅が長い)なほうが圧倒的に有利なので、飛距離命の地クラブとしてシャローフェースのモデルは作りづらいのですが、
このCRZ-460ドライバーは、フェースもシャロー。クラウンもシャロー。
構えてみると、フェース角は閉じすぎず、開きすぎずで、構えやすさは、けっこう高いレベル。
ロフトが立ちぎみなのに、球は浮きやすく、わりと高い弾道で飛んでいくところをみると、重心はけっこう深めのようです。打球音はきわめて「普通」。
特徴としては、ソールのヒール部分についた3つのウェイトビス。
これにより最大28gの重量調整が可能とのことですが、
私が打ったものは標準装備のウェイトでしたが、それでも球が 捕まる捕まる!
私にとって、これはもうフェードが打てないレベル。
(インテンショナルぎみにスライスを打って、ようやくフェードが出た)
スライサー御用達であることは間違いないですが、
スライスが怖いが故にチーピンフッカーになってしまった人も、これで大胆に右プッシュアウトを打つ練習をしていれば、まっすぐな球に矯正できるかも。
「とにかく重心角のついた、捕まるドライバーを探している人」にはおすすめです。
気になる飛距離は、このランキングに入るくらいだから、けっこう高レベル。
それなりに初速も早く、それなりに低スピンの棒球で、
フックして左に曲げないよう気をつければエミリットバハマと同じくらい飛びます。
ちなみに私はディープフェースに慣れきっていて、
フェースの上のほうに当てて、ギア効果で低スピンにして飛距離を稼いでいるので、
このモデルのシャローフェースでは、若干スイートスポットを外しぎみになってしまい、飛距離をロスしてしまいました。打点の上下にはけっこうシビアです。(なのでこの順位)
アスリートにはちょっと使いづらいかも。スライサーシニアには◎
10位 JBEAM FX BM-435 ドライバー
2009年の発売ですから、この10年間の技術の進歩って、いったい何だったんでしょうか?
確かに「安定性」という意味では最新モデルのほうが2歩も3歩も進んでいて、
このJBEAM FX BM-435 ドライバーは、ハッキリ言ってピーキーで難しい、んですが、
でも飛距離性能だけを言ったら、まだまだ飛びますね。
以前、ゴルフ雑誌のライターをやってた時にマーク金井さんから教えてもらったことを思い出したんですよ。
「奇跡的偶然が成し得た設計バランスの妙。《名器》にはそれがある。後発モデルだからといって、前作を必ず上回るわけではない」とね。
で、JBEAM FX BM-435 ドライバー、どんなふうに飛ぶのかと言うと、
→ JBEAM FX BM-435 ドライバーの試打はこちら
今回は、なんと5種類のシャフトで、同じヘッドを打つことができました。
このゴルフクラブはSLDR430と同じく、小さめヘッドのディープフェース。
つまり「げんこつで叩く系」なので、本来は、左右の曲がりとスピン量の安定性に欠ける筆者モトギにとっては苦手な部類なんですが、
でも、これは特別だわ。あんま極端には曲がらず、一直線。
ヘッドスピードが22以下だと、打球音に「ピンッ」って音が混じるんですけど、それを超えて叩けると「バメシッ!」っていうプロ選手みたいな音に変わるのも、めちゃ好感度高いですね。
→ JBEAM FX BM-435 ドライバーの試打はこちら