声迷線の彷彿線 どこ行き? -96ページ目

論度

日が暮れる。
深々と真綿の様な雪が窓に水滴を擦り付ける。
遠く遠く過ぎ去りし時は、今はもう全て夢と化して。
足はもつれ、終わりまで辿り着けそうも無い。

今夜も又星も見えず、寒々しさだけが躯を包み込んで行く。
赤い糸はもう切れて久しい。この様な感覚など、もう無いのかと思案しながらも。
在る筈だろうかなどと、終わりと始まりの輪廻のロンドを繰り返す。

それは、さておき。
新しい旅の行く先は、どの様な場所にすれば良かろう?
南か北か?
はたまた、闇か光か?
立ち止まる事さえしなければ、きっと何処かへと。
鞄を捜さなければ。

此のままでは、歩く事さえままならない。



散歩道

何時もより少し早く目覚める。嫌気がさす夢のせいで。
空はまだ動いて無い。鉛色を讃えたままで。

寒い中外へ出て、軽くぶらついてみよう。吐く息は白く固まって、虚しさを吐き出している。

凍った路面を踏みしめて、音を鳴らして歩く。棘を踏み砕く様に。

時計だけが空回り
くるくる回転し続ける。

朝露に濡れた緑を、独り眺めながら、かじかんだ掌と爪先を
他人事にしながらも、ほんの少しの温もりを与えてくれる人が現れる事を寒空に祈っている。


小馬鹿にされるかも知れないけれど…。
只、何故か寂しいから。





遠い問い


凍えた掌が崩れ落ちる。
それを見つめて居る。お前は誰だ?

まるで氷柱の刺さった様な言葉を、囁き掛ける。お前は誰だ?


其処からは何を見る?
喜びか悲しみか?

底からは何を見る?
闇か光輝きか?

俺にも感覚を研ぎ澄ませば、知れるのか?
解らない。

此処は何処の扉だ…。