声迷線の彷彿線 どこ行き? -90ページ目

蛍火


死んだふりをしてた
一週間。おもむろに顔を上げる僕。
きわどい端を歩いてたけど、若干真ん中に戻ったよ。

気だるい朝はまだ同じで、それでも幾分起き上がりは早くなって。
普段は別に気に留めないゴミなんかを分別したりしたよ。

それは、何故だろう?

車を走らせる事一時間。歌いながら運転なんかしてる僕。
主には左側通行で、時折追い越し車線へ。見える空は晴れやかで、僕の心はハレルヤなんだよ。

どうして…でも。

日増しに増してく感情が夜毎、日毎にせり上がって来て。
寄せては返す波の様に切なさを膨らまして行く。
涙が滲んだ左目を閉じたら、世界は色を変えてくれるかな?

なんて考えてから、早くも三ヶ月が過ぎ。
ようやく君に会えたんだよ。少し印象を変えた君は、この前より綺麗で、僕には輝いて見えたんだよ。

静脈と動脈のバイパスは光速でドクドクと鳴り出す心臓隠しながら。カフェ越し賑わう人を見てる君の肩越し覗いてみる顔。笑っていた。嬉しかった。それで満足だと言い聞かせた。僕には、余りにも高嶺の花だから。

近づきたい。近づきたくない。揺れる、揺れる、揺らぐ心。
争いや傷だらけになるのは怖いから。
またしても、あと一歩が踏み出せない。

この絶妙にフワフワと浮いてる蛍火の様な思いは、どこへ放てばいいのかな?
いずれは散りゆく、儚いものでも。
構わない。また叶わない。

文字に変換するのは、こんなに簡単なのに、難関で、あぁ情けない。

なんで、こんなに口に出せない?

炎群

俄然、情熱ばかりが
迸って
饒舌に成り過ぎる
午後。

どうせ一過性で終わり、手痛い竹篦返しを食らうんだろうと俺は空を見ながら笑う。

失った代償ははるかに大きく、嘲笑う声ばかりが聞こえてくる。

笑わば笑え。
誰もお前らの事など気にしないから。

狂ってるのが、どちら側なのかは個人差に依る所で、預かり兼ねるので、其処の所は置いといて。

俺は只、今日を息するだけ。
左胸に火を宿して

踏み潰し、掌で弄ばれようとも。
裏切り裏切られ。
蔑み罵られ。

されとて優しさは…
地獄の沙汰次第。
寄ってらっしゃい。
見てらっしゃい。
後ろの正面…誰?

月と宙と僕

蒼い夜が流れる
蒼い夜が流れる
雲の切れ目から
独り遊び

何をするでも無く
何を待つでも無く
最終列車を
見るだけ

ねえ知ってるかい?
月の本当の色を
琥珀に見える
あれは
この星の層が
作り出す色素で
構成されていて
偽物だって事

実は灰褐色から
黒に限りなく近い
色彩で彩られてて
砂漠の様な地表で
あると言う事を

誰もが皆一様に
色眼鏡で見てると
言う現実をたぶん
きっと知らない

だから
自分以外の人を
いや
もしかしたら
その自分でさえも
同じでない所を
見つけたのならば
疎ましく
若しくは嫉ましく
なるんだろう

そして僕は思った
宙に比べれば
塵にも満たない
人間に

なんと浅はかで
図々しい生き物だと