声迷線の彷彿線 どこ行き? -88ページ目

光りの雨

括るトンネルを
抜ければ
鳥の囀り透明に
聡明に流れて

挙動不審にしている
影が春の嵐に吹かれ
千切れ舞っては
渦の中へ

淀みを深めて行く
空の青は
何時しかその色を
深めて黒くする

吸い込まれて行った
無情感は
水滴と化して
貴方の上にも
僕の上にも
ぽつりぽつりと
滴り落ちて来る

ゆっくりと
染み渡る様に
じっくりと
待ちわびる様に

しなやかな
ワルツでも
踊るかの様に

光りをその身に
浴びながら
深々と降り続く

何かに意味が
或るかの様に
ただ 降り続く

それは生きる事と
等しいと感じた

それが生きる事と
愛しいと感じた

だから少しだけ
濡れて歩こう

何も手にして
無くとも






薫る道

緑色の風が吹いて
濡れた歩道
桜は揺れる

ひたひたと続く
何気無い日常は
まるで川のせせらぎ
の様に流れて
消えて行く

それらを
目で追いながら
白い線に縁取られた
路を歩んで

薄く甘い
かぐわしい香りの
中に身を宿して

何も変わらない街の
心に光を灯して
始まりの声に
静かに耳を澄まして

暁を迎えに憩う




マテリアル


殺伐とした色彩に
殺伐とした景色があって

混沌とした世界に
混沌とした感情があって

涙腺へと繋がる赤燈は
物憂げなエレジーを奏でて

君が泣く
そつがなく
君が泣く
きりがなく

マテリアル
待てリアルと
切れ端を集めてみるけれど

現状突破は難しく
夕暮れは黄金色から白に変わった

土と灰と花と緑と
妬みと怒りと衝動を
糧に変えて
果てに栄えて

生きる事に希望的観測を願う

今は乾いた瞳と
くすんだ口元で