声迷線の彷彿線 どこ行き? -75ページ目

紫電の頃に

紫の衝撃がはしる
蒸しきった歩道に
脈打つ胸
握り締め少女は
駆け抜けて行く

彼の人の慕情は
未だ解らず
過ぎ去りし日かと
ざわめく想い
掻き集め
少年は
叫び 過ぎて行く

戦慄きは空と
輪を紡いで
あらん限りの
殴り雨

濡れそぼった躯で
ヴェルヴェットの
中を駆ける
時を忘れて
滴る雫を振り払う
事も忘れ

息を切らして
走馬灯の様
巡り廻る二人には
互いしか
見えない

世界の果てとすら
感じる短い距離を
抜け出して

存在意義を確かめる
が如くに
しがみつき
想いを吐き散らす
人目もはばからず
雷鳴に掻き消されぬ
様に泣いた午後

蝉の声が優しく
二人を撫でる

炎 船

流れ流れて
行き着く先は
色鮮やかなる海か
せせらぐ川か

ゆらりゆらりと
木の葉の様に
漂う宛ても無く
喧騒を超えたら

もう直ぐに
欄干を潜る
水面には
色とりどりの情熱

汗ばむ肌をうなじを
指先でなぞる
気色ばんだ
喉が上反る

相反する心象を
瞳に焦がしながら
歓喜の嗚咽に
身を泳がせる

快楽に溺れ
惰性に身を宿しても
昨日も明日の繰り返しなら
どうぞ
御随意にせらせらと
夢を見ていてくださいな

斜陽

眩しいくらいに
沈む夕日に
目が眩んで
散歩道拙い香りを
路上は醸し出してる

そんな折 僕は
コバルトを
探しあぐねて
途方に暮れて居る

世界の終わりが
其処まで来てる
煉瓦が崩れる様な
気配で虹色の虹彩
佇ませながら

しかしながら
こんな宵に
君が居ないなんて
少し切ない気も
するけれど

其れでも
君が幸せならば
格別 意識しないよ
凍える恋を抱いて
歩く
踏みしめながら

途切れた涙一つ
彼方へ紡がれてる
こんな宵に
君が居ないなんて
やはり
どうしたものかな?