声迷線の彷彿線 どこ行き? -125ページ目

In my room

何時もよりも
心持ち強い風が
閉じたままの
カーテンを
旗めかせている

まるで
開け放って
光を取り入れろと
言わんばかりに

煩わしいから
そのままに
放置しといて

大きく鵜呑みする
うねりに
身を任せながら

次第に
小さくなって行く
ひぐらしの声に
耳を傾けて

寝転びながら
読み掛けの頁の
爪先を摘み捲る

今日は陽射しが
照り付けるから
このまま
何もせずに

2m四方の片隅で
暗くなるまでの間
じっとして
いようか?

時計なんかは
物陰に隠して
しまって

余りにも
億劫になり過ぎた
精神性を癒す為に

少し陽の光を浴びて
光合成をするのも
必要なんじゃないか
とも考えるけれど

等しく否定的な
見解の方が
独占して思考の幅を
占有している

それならば
久し振りに
呼び出しを
掛けて見て
珍しくソイツが
出て来たのなら

何とはナシに
車を走らせてみるのも
良いかも
知れないな

そうこう
考えている内に
もうすぐ午前中も
お終いで

気がつけば
さっきまでの風も
やたらと大人しく

昨日までの僕
よろしく
弱々しく冷たさを
讃えてるだけに
なっていた

break a brick

この部屋に
降り注いでいた
僕の全てを凍り付かす
止む事を
知らなかった雨が

ほんの僅かな
気配だけれど
和らいで優しく
降り注いでいる

いつでも覗いて
いたのは
足元の汚れた水溜りに
逃げ隠れする
軽薄で稀薄な
伏せ眼がちの瞳

時折
見上げる空にさえ
星が輝くのも
忘れていたしだいで

過去から未来から
運ばれて来る災いは
胸のなかの泉に
とめどなく石を
投げ落としては

苔を生やし
その色を変えて
いつしか心
沼にして行く

まだ 暫くは
この躰濡れたまま
無意味さを
噛み締めながら

歩き出す行為が
例え苦しみばかり
だとしても
せめて 右足を
一歩 浮かせてみる

底に沈み込んだ
それらを
さらう事などと
不可能だとは
知れているのだから

せめてもの酬いに
次々と
投げ込まれる
自己の嫌悪を
撃ち崩せる様な

救いを見出し
傷を晒し
星を見つめたい

あの頃と
同じ気持ちで

そこが
絶望の淵だとしても




salsa

もう少しで
掻き消えてしまう
夏の陽気と同調して

下降線を辿っていく
思考と感情の
メリーゴーランド

どうにかしようと
お気に入りの
音楽を聞き続けても

まるで深海に
張り付いた様で
一向に浮き上がる
気配を見せない

音像が鼓膜に
刺激として
突き刺さるだけで

そうこうしていても
淡々と日付だけは
流暢に過ぎて行って

この比較的安全で
安心な崖の上から
降りなくては
ならなくなる

まるで それは
自殺志願者の気分
嗚咽を噛み殺し
眼を閉じて
足場を踏み締める

さよなら
このロケーションも
暫くは眺める事は
出来ないだろうけれど

独りきりに
なってしまいたい時は
此所でみた南の島
に架かるのと
同じ様な
滑らかさの虹を

息を吸う度に
想い描くとするよ

何故ならば
僕の周りには
僕自身も含めて

優しさと笑顔と
慎ましさで
加工し尽くした
覆面だらけで

此所で見られ
感じ取れる
美しく不純な物は

存在自体を
許してはくれないから

もうすぐに
日が暮れる
脚を前に
出さなければ

バンプで出来た
椅子に凭れながら
妄想したままの

僕を起こさなくちゃ
季節が変わる前に