声迷線の彷彿線 どこ行き? -109ページ目

pickles

空には、雲も無く。
太陽の黄ばんだ光さえ今日は見えない。

雨音が、まるで中音域のピアノの鍵盤を、弾くかの如く降りつける。
外は、もう暗く肌寒い空気。

蛇の背中の様な路を難解な速度で駆け抜けた後の、後部座席の頭垂れた人と同じ様な。
いみじくも、酸味の効いた薫りの気持ちを
胸の真ん中に忍ばせる、彼の人みたく。

どんな曇天で
遠い場所だからとて。どんな重い想いの荷物だからとて、私は、抱いていける。

追いかける訳でも無く。
付き纏う訳でも無く。
只、見つめる訳でも無い。

たまに静かに咲くすみれの様に、密やかに脳裏を霞めるだけ。
それだけ。

本当にその細やかな行為で、私は穏やかに繰り返しを暮らして行ける



鳳仙花

影法師。弾けた鳳仙花。千切れ散った様は、季節外れの花火にも似て。
やけに、儚げな印象。
砕け、トんだ種子は
一体全体何処へやら。皆目見当が着かないままに。

別段、やる気が無い訳ではなくて、只、ほんの束の間忘れただけ。
曖昧、殺伐、不協の連鎖で悪循環の手付かず状態。

だけども、至って思考回路は、無限に向かって正常で、けれど、無人の回転木馬の様にカラカラと空回るのを繰り返す。

残像を瞳に焼き付けて、更なる衝動をつき動かさなければ。

履き違えた趣旨に沈んで行くから。

真っ赤に千切って
馬鹿みたく契って
その種を拾い集めよう。

この先に未来など無くとも。

それだけは、手に取れる筈だから。



ママゴト遊び。

揺らぐ、揺らぐ、揺らぐ震度。
まるで僕の心臓みたい。

廻る、廻る、廻る季節段々と赤みを帯びて。
掌の片隅に逃げ隠れしては、なかなか掴まえ切れない。
ひらひら舞う枯れ始めた紅葉は、僕の心表してる。

両手を合わせて弾いて、やっと掴んだ
その姿は、何かに祈る様にしてた。

誰に、取り縋れば。
此の想いは届くの?
通り縋りの、あの人?それとも、別の誰か…。

明白な自白を引き出す事出来ぬまま。

虹色のなかで遊ぶ。
大人の真似事。
幼児のままごと。