声迷線の彷彿線 どこ行き? -108ページ目

just The moon

夜霧に全てが隠されて、まるでウ゛ェルウ゛ェットの様。

遭遇する物は申し訳なさげに顔を出す朧すぎる三日月。

そう、足軽みたく錆びれた鎧で、何と戦うつもりなのか…?

何処まで行っても独り。
憤りを感じながらも、月だけが響く。



雨音

今日の雨音は厳しくて柳の葉も、しなだれかかる風に、その身を揺らす。

まるで、その重さに耐え兼ねて、しなだれかかる自分の様で
琴線に引っ掛かる。

入道雲は、動きを止めて一休み。
コーヒーでも、飲んでるかの様に鈍い色合いをしている。

ぬかるみの中を泥塗れになって歩く。
何気に何か或る様で、無い様な。

それでいて期待を求める事なんてしないまま。
足取りだけは軽く。
土砂降りの中を

メメント・モリ

君が目一杯瞳を潤ませて、大粒の雫を頬に掛けるのを、僕は只黙って眺めていた。

それを流すのは哀しいのかい?
それとも別の何かを洗い流すのかい?

いずれにせよ全く関心が無く、無神経な程、我が身には無関係。

理解の範疇を越えた動作をするのなら、どうぞドアの向こう側で。僕は、黒電話の呼び鈴みたいな目覚しが鳴り響くまでは、蒲団にくるまっていたいから。
とはいえ、このまま見過ごすのも、何だか知らんが、少し罪作りな気分。

でも、自分の事の計画性も持たない僕に、一体何がしてやれるやら?

声をかけるのも気が引けるし、髪撫でるのは馴々しいし、かと言って、抱き寄せるには
距離が遠くて…
為す術無しの傍観者。
だから、此所で
少しだけ心地を送るよ。
宛の無い。届かない。手紙みたいな心地を送るよ。

黒山羊じゃなく、白山羊が振り向いてくれると助かるのだけれど。
何時かは、日々も溜まって、滲んで消え去って行くものだから。

今以上、これ以上を求めずに歩んでごらんよ。
乱雑に描かれた、短篇の小説の様に。
君が観る夢も最後の夜には、きっと素敵さ

その臆病さも
君自身なのだから
怖がらずに

死に向かって、生を行けば良い。