いつの間にか 降り出した 静かな雨は
車のフロントガラスに
無数の水玉模様を 作っていた。
私たちは 知らない間に
水玉の箱の中に 閉じ込められていたみたいね。
水玉模様の向こうの 夜の空を
色んなものが飛んでゆく。
低く飛ぶ飛行機やら
点滅したUFOやら
昼間
誰かが落としていったパラソルやら
ここが
海の底だったらいいのにね。
私たちは お魚で
水面に光る 水玉模様を 見上げている。
きれいだね と 笑いながら
体に映った 水玉の影を数えあっこしよう。
海は 広くて 時はゆっくり流れているから
この場所を きっと
誰も 気づきはしない。
誰も
私たちを
捕まえたりはしないから。


