高校生のころ 好きだった男の子に 告ったことがある。

長いこと好きだったので

友達を通じて 告白した。

 「ありがとう。」と

あいまいな 返事をされて

映画を 見に行く約束をした。

約束した 土曜日の日まで

私の努力は すごかった。

まず お小遣いをはたいて服を買い

ダイエットをし 

「これで男の子は あなたに夢中!」

みたいな雑誌を 読破し

準備万端で望んだのに 

その日

私は 映画館に行かなかった。

緊張のあまり おなかが痛くなって

手足が冷たくなって ふるえて

服のボタンをとめることも出来なかった。

 しばらくして

一人映画館に行ってみた。

暗い映画館の中 私が座った前の席に

ふと見ると 彼が一人 座っていた。

声をかけようかと 緊張する私を 拒むように

彼は 映画の最初から最後まで

一度も後ろを 振り返らなかった。


身動き一つしなかった彼

彼は 私が後ろにいたことに 気づいていたのだろうか。

それすらも 確かめることが出来なかった。


いまなら
 
もっと 素敵な言い訳をして

彼を 振り向かすことが出来るのに

ただ あのときの想いでは

あたたかい春の日のようで 優しいかぜのようで

花の歌なんか聞くたびに

思い出すのです。