【どうなる四日市市の公共交通】減便が続く公共バス路線！～バス社会実験の動向は～

　四日市市の公共交通の今後について、複数回に渡ってブログを書いていきます。

　今回は、『公共バス』について取り上げます。

　新年度に入り、公共交通のダイヤ改正が行われると共に、いくつかの公共バス路線の改編が行われました。

　四日市市内では、大きく分けて2つのバス路線の改編がありました。

①四日市と桜を結ぶ「桜台線」の路線が廃止され「桜花台線」に統合され、更には「桜花台線」の土日祝日の便が減便されました。

②四日市市内線(市立四日市病院～JR四日市)が、東日野四日市港線(ガーデンタウン東日野～四日市港方面)及び市立病院四日市港線(市立四日市病院～四日市港方面、JR四日市)に統合され、東日野四日市港線は減便、市立病院四日市港線は増便となりました。

　2つ共、総じて減便という方向での改編となりました。

　公共交通を利用される方が減少傾向にある中、営利企業であるバス会社が現在のバス路線を維持出来なくなっているという現状があります。

　民間企業のバス路線の減便傾向が進む中、公的支援が入る『コミュニティ・バス』が重要になってきます。

　現在、四日市市では地域が主体となって公共交通を検討したいと考える熱意のある地区に対して、『バス社会実験』を実施しています。

　バス社会実験の第1弾であった「水沢・桜地区バス社会実験」は、一昨年度の無料実験を経て、昨年度有料実験を行いました。

《参考ブログ》

【水沢・桜地区バス社会実験⑤】本格運用なるか！11月2日よりバス社会実験第二弾がスタート！

　地元を通るルートであったことから、私もバス社会実験の結果には大きな期待を寄せていましたが、有償実験の結果は無償実験の結果を大幅に下回り1便当たりの乗客が平均1人という結果となりました(ちなみに、無償実験での乗客は1便当たり平均5人)。

　有償実験では実際の運行を見据えて、ある一定の運賃収入を確保しなければならなかった事から、水沢地区から桜地区への乗車は片道400円という料金設定になりました。

　また、既に三重交通バスの定期を購入されている社会人や学生の方は、運賃の二重払いになる為、社会実験のバスに乗って頂くことが出来ないという乗客マイナスの要因は多くあったのですが、結果として残念な結果となりました。

　この結果からも、路線の実現には至りませんでしたが、行政は今後も公共交通の維持・確保の点から地域との協議を継続するとの事です。

　それとは別に、平成27年3月にバス社会実験の第2弾が内部地区にて実施されました。

ルートは「笹川テニス場」から「内部駅」を結ぶ区間で、無償で行われました。

　ダイヤは午前中に絞っており、土日含む毎日4往復走らせました。

結果はまだ届いておりませんが、第1弾の水沢・桜地区の無償バス社会実験の結果を下回っている様な事を耳にしました。

　内部地区では今年度、同路線の有償でのバス社会実験が行われますが、住民の方の相当の意識変革が無いと実現は難しいと予想されます。

　バス社会実験に厳しい結果が突きつけられています。

コミュニティ・バスを望む声は大きいものの、その実現には大きなハードルがあるのが現実です。

　限られた予算の中、何が本当に市民サービスなのか市の公共交通に対するスタンスを含めて、再度じっくり考えていかねばいけない時期に来ていると思います。　

■過去の関連ブログ

・【総合交通政策調査特別委員会】「コミュニュティバス」制度作りに向けての議論が始まる

・【総合交通政策調査特別委員会】「コミュニュティバス」NPO生活バス四日市西脇代表参考人招致

・【地域の公共交通手段を守れるか：コミュニュティバス】水沢・桜地区におけるバス社会実験実施！

・【水沢・桜地区におけるバス社会実験②】みんなで乗ろう！バス社会実験の路線図、時刻表の詳細公表！

・【水沢・桜地区におけるバス社会実験③】社会実験期間が残り1ヶ月残り１週間を切る！乗って実現、本格運行！

・【水沢・桜地区におけるバス社会実験④】社会実験の結果は？コミュニティバスの今後の方向性について

・【水沢・桜地区バス社会実験⑤】本格運用なるか！11月2日よりバス社会実験第二弾がスタート！