わたしが最近目にした「ミニコミ誌」。上の紙面写真を見て…「おぉ~」とつぶやいたら、あなたはホンモノです。但し、今の世の中…ホンモノが少なくなって来て、「なんちゃっと〇〇〇」(例、なんちゃってヨガインストラクター、なんちゃっと音楽評論家、なんちゃっと総理大臣 etc)なんかがまかり通っているのは困ったものです(涙)。


 ふだん、わたしはなるべく本を読むようにしています。

 
2022年12月6日ブログに書いたことですが、いま、多くの大学生が、「本を読ない」ではなく、「本を読ない」という危機的な状況にあるようで…、わたしも、そのような大学の「幼稚園化」とも言うべき質の低下に不安を覚えているひとりです(注)

(注)いまの大学って、かなりの割合で「卒論を書かないで卒業できる」というふうに変わって来ているの、みなさん…知っていましたか。こっそりと大学の先生が教えてくれたのですが、いまの大学生にそれを求めたら、半数以上が卒業できずに「留年」…と言うか、そのまま…2年、3年と留年したところで、ひと昔前の大学生が書いていた程度の“卒論”すら書けないのですって…。まぁね…いまの大学生は、百科事典で「安楽死」と「尊厳死」のちがいを調べられないって言いますから(⇒コチラ)、さもありなん…という感じです。


  


 そんな中、最近、ある大学の学生さんたちが発行している地域誌(?)を目にする機会がありました。

 冒頭とすぐ上の写真がその中身なのですが、昨今の大学生はちがいますね…。

 と言うか、「紙媒体」に限りません、いまの若い人たちは(注:わたしだって十分に若いけど)器用ですから、自分たちで作詞・作曲をして(昔ならデモテープを作って、それをレコード会社に送って「メガネ」にかなえば晴れてレコードデビューにまでこぎつけるということになるのでしょうが)、そのまま自分たちで「CD」を作ってしまいますからね…。

 ホント… 若い人たちは(ある意味で)器用になりました(注)

(注)実は、若い人たちが器用になったのではなく、そういうツールが出て来たから、「若い人たちが器用になった」とまわりには見えるだけのことだったりして…と、何やらイミシンなつぶやき(笑)。


  

 

 それでね… 

 その冊子は、まだまだよくなる余地がたくさんあって、叩こうと思えば叩けるのですが(←わたしが10回にわたって、茂木健一郎さん を叩いたみたいに)、でも、きょうは、その地域誌のすばらしい点を書いておきます。

 まず、そのミニコミ誌、写真と文章のバランスがとてもいい…。

 これ、意外とむずかしいところで、写真だけだと、深いところまでの掘り下げがしにくくなるし(→それが「写真」の弱点でもあります…、だから、福島菊次郎さんも、写真を取りながら文章を綴ったのです)、文章だけだとビジュアル的に物足りなくなるのです。

 でも、今回、わたしの見た地域誌は、どのテーマ(取材記事)でも、その写真と文章のバランスがいいのです。この姿勢は、ずっと続けてもらいたいものです。

 そして、ふたつめ…。

 おそらく、このことを言う人は、学生さんたちのまわりでもそんなに居ないと思う…、それは、文章がきちんとタテ書きで書かれていること。

 あのですね…、この手の地域誌、ミニコミ誌って、異常なほどに「ヨコ書き」が多いのです。でも、ちがうんです。

 もちろん、日本語は「ヨる“”言なので、ヨコ書きのもの(各種取り扱い説明書、社内報etc)も、わたしたちの身の回りには多いのです(あっ、わたしのブログもヨコ書きだ…涙)。

 しかしながら、日本語はもともと「タテ書き」で書かれて来たので、西洋(英語)のマネをして「ヨコ書き」でいいじゃん…というのは、あさはかな考えです。

 そうやって、「ヨコ書き&ヨコ書き」で来たから、わたしたちは「楷書→行書→草書」という書体のうち、について読めなくなって来ています、これって、とてつもなく情けないこと(かつ恥ずかしいこと)だとは思いませんか。

 

 まぁ~、こういう「毛筆による字」まで読めなくても気にすることは

ないと思いますが…(笑)。2022年4月14日ブログ より。


 口先では、「文化を大切に」「世界に誇る…日本の文化!」「天皇陛下、マンセー」なんて言いながら、コトバは文化の精髄だと思うのですが、その「コトバ(例:行書、草書)」をその国の自国民が読めなくなって来ている…って、こんな「文化の破壊」はないのです。

 だから、まずは、わたしたちの生活において「タテ書き」というものを意識して大切にして、より多くの人が「楷書」だけではなく、「行書」「草書」にもふだんからふれて…書けたり読めたりできるようにしておくことが望ましいと思うのです。

 

 そして、例えば外国から友だちが来た時等は国立博物館あたりを案内してあげて、

 

真顔 「この書には、こう書いてあるのよ」
ウインク 「これは今から300年前の〇〇〇さんが書いたものなの」
ニヤニヤ 「古今集の仮名序。それにはこう書いてあるんです」

 …などと説明してあげれば、ほんとうの意味での「国際交流」が出来ると、わたしは思います。

 まぁ、そういうわけで、千葉商大(!)の学生のみなさん、わたしのブログは横書きですが、すこしはいいことも書いてあるので、折にふれて読んでくださいまし~。

 

 ( お し ま い )

 

 

 でも、最後にちらりとツブヤイテいいですか…。歴史的にみると「イエロー」って人種差別に関連する〈差別語〉ですよね…。だから、もし学生さんたちが、このミニコミ誌を外国の人にも読んでもらおうと手渡したときに、ビミョーな反応を示す人がいるかもしれない…。

 「国連が職員向けに行った、自認する人種についてのアンケートで選択肢に『イエロー(黄色)』を入れたところ、内部から批判の声が相次ぐ事態となった。英語圏ではアジア系に対する蔑称として用いられた歴史があるためで、国連は19日、アンケートを中止して修正する意向を明らかにした」(2020年8月25日付朝日新聞より)

 こういうことって…かなりデリケートな問題にもふれることだから、学生さんたちが「ミニコミ誌」の発行を思い立った時に、まわりのオトナ(例:大学の先生がた)が教えてあげるべきですよね…、ソウ思イマセンカ?


 〔 参 考 〕
星 Yellow!


 
 若者の特権について( 2019年7月1日ブログ )
 秘境探検~♪(Part28)( 2024年5月11日ブログ 
 深く静かに進行する…「ゆるやかな殺人」( 2023年12月19日ブログ )