みんなの家庭の医学で、マイオカインというホルモンを紹介していた。血糖値を下げるホルモンということで、最初、「なんだろう?」と思っていた。
なぜなら、血糖値に関しては上げるホルモンは数種類あるが、下げるほうにかんしてはインスリンしかないからだ。
マイオカインとは、筋肉から分泌されるホルモンで、肝臓の脂肪を減らすことで、ブドウ糖を貯蔵しやすくし、その結果、血糖値を下げるということのようだ。
テレビでは、食後にスクワット運動と軽い有酸素運動を行うことをすすめていた。しかし、いくつか疑問が残った。
1.食後すぐは、消化の時間帯のため、消化を邪魔することにならないか?
2.スクワットの膝の角度については触れていなかったが、間違った方法ではかえって膝関節を痛める危険がないか?
3.べつにマイオカインがなくても、別の機序で血糖値は下がらないか?
まず食後すぐというのは、胃に食べ物が入っているので、筋肉に血液を流してしまうと、胃の働きが阻害され、胃もたれが起こる可能性がある。
どうせやるなら血糖値が高くなってくる食後1時間くらいがよいのではないだろうか?このあたりの運動であれば、血液中に流れている糖分を、即、エネルギー源にしていけるので、糖化予防、肥満予防にもなる。
つぎに、スクワットはしゃがんだときに、膝がつま先よりも前に出ると膝関節に負担がかかるというのは、常識である。最重要の注意点だ。それを述べないというのは、どうかと思った。
最後に、血糖値が下がったという結果がでたが、別にマイオカインがなくても説明できるような気がした。先ほど述べたように血液中にあるうちに、それをエネルギー源にしてしまえば、血糖値は下がる。
そのほか筋肉が収縮すると、AMPキナーゼという酵素が働いて、GLUT4(グルット4)が細胞の表面にでてきて、血液中の糖分を取り込む。その結果、血糖値が下がる。運動すれば、インスリンがなくても血糖値が下がることは、以前から知られていたことである。
テレビの実験では、運動している人で血糖値の下がり具合に差があった。「運動が血糖値を下げるというなら、なぜ個人差があったの?」という声が聞こえてきそうだが、それは人によって筋肉量に差があるからである。
毎日運動している人は、当然、筋肉量が多い。GLUT4は筋肉量が多いほど多く、また活性化される。週1回くらいしか運動しない人は、筋肉量が少ないため、ちょっと運動しても血糖値が下がらないということになる。
そのほか筋肉がつけば基礎代謝が上がるので、じっとしている時でも血液中の糖分が使われやすくなり、その結果、血糖値が下がってもおかしくない。
マイオカイン・・・新しく知ったホルモンだが、なんだかしっくりこない番組内容だった。
まあ、でも運動には健康効果があることは間違いない。
電化製品のしくみを理解しないと、それを使えないわけではないことといっしょで、別に健康になる理由がわからなくても、毎日、運動していけば健康になるにちがいない。
